輝く人

彩柚月

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2 マゴニアで。

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 雲の上には光り輝く人達の国。
 雲の色と空の色と太陽の色。
 空人の寿命はとても長い。
 マゴニアの空人の糧は綺麗な空気。
 テンペスタに貰った水を雲に撒く。
 雲は清浄な空気を作る。
 
 

 雲の隙間から地上がよく見える。

 「母、あれは何?」
 「地上に生きるヒトという生き物だね。」

 ヒトは地に這いつくばって土とまみれている。
 
 「母、あれは何?」
 「ヒトがマンマを作っているね。昔はあれを採集して食べたけど、とても美味しいんだよ。」
 「どうして採集をしなくなったの?」
 「ヒトという生き物が凶暴になったからだね。蜂も凶暴なのがいるだろう?蜂はまだ、凶暴なヤツと大人しいヤツの区別がつくから蜂蜜の採集ができるけれど、ヒトの区別は難しい。」

 ヒトは畑と呼ばれるところで、何かを色々作っている。
 
 「母、あれは何?」
 「ヒトの巣だね。」

 ヒトの巣からは温かな光が漏れている。

 「母、あれは何?」
 「ヒトとヒトが愛し合っているね。」
 「愛とは何?」
 「親ヒトは子ヒトを大事に守り、子ヒトが大きくなると、他のヒトを大事にし、2匹のヒトで子ヒトを作る。その営みを愛と言うんだよ。」
 
 小さなヒトが大きなヒトに抱きあげられている。髪の長い白いヒトと少し大きいヒトが抱き合っている。

 「ヒトを近くで見てみたい。」
 「光の神様が禁止したから、ヒトに関わってはいけないよ。」

 ヒトは空の人を攻撃するから関わってはいけないらしい。

 「それに、ヒトはとても不衛生だから、近づいてはいけないよ。」

 ヒトはたくさん触るから、近づいてはいけないらしい。

 「それに、ここの綺麗な空気と違って、下の空気はとても汚い。息が苦しくなってしまうよ。」

 下で暮らすと寿命が短くなってしまうらしい。

 「眺めるのは良いけれど、降りてはいけない。もしも降りたら、罰されてしまうよ。」
 
 神様が怒るから降りてはいけないらしい。

 「ヒトの作るものは、私達にとっては、ただ美味しいだけ。なくても生きていけるのだから、密猟なんて考えてはいけないよ。」
 
 下は色がたくさんある。
 木も花も土も水もキラキラしている。
 ヒトの顔も笑ったり泣いたり怒ったり、
 たくさん変わる。
 
 あそこに、行ってみたい。
 
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