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しおりを挟む「何故そんなことに……。」
お父様は頭を抱える。私だって抱えたい。
心が衝撃を受けたようで、自覚なく、言葉が切れぎれになる。
「私、そんなこと、していません。だいたい、いつも、オスカー様が、一方的に、怒っているだけで、私、何も、言っていません。」
「わかっています。いいえ、わかっていませんでしたが、今はわかります。」
だから、相談したいと思って訪問したのだと。次男様は仰った。
「ふむ。我が子を疑うわけではないが、現場を見たいな。でなければ、ゲイル伯爵と話すにしても、押し切られるかもしれない。」
「お父様がそばに居たら、可愛いオスカー様になるのではないですか?私の前でしか大きく出ないのなら、お見せすることは無理です。」
「リリア嬢。確認ですが、オスカーはいつも貴女に威圧的なのですか?」
「そうです。」
「定例のお茶会の時も?」
「そう……ですね。お茶会でオスカー様は、来ないか、すぐ帰るか、怒っているか。の、どれかです。」
「大きな声で怒りますか?」
「どうでしょうか……。そういえば、お茶会はこの家だったので、大きな声では話さなかったのでしょうか。」
「小さな声で怒る?」
「声量は、大きくも小さくもない、と思います。」
「それでは、例の通信機が使えませんか?」
通信機をお茶会をする部屋の、オスカー様の近くに設置して、他の部屋で、お父様が聞くのはどうかと、次男様は言った。
「なるほど。リリアが発熱で帰ってきた時にエリザベス様と話したアレか。部屋の音が拾えるなら良い作戦だな。」
「道具を知っているなら話が早い。2つあれば、聞く側が音を出さなければ、一方的に聞くことが可能だと思います。今はリリア嬢の1つしかありませんので、明日にでも、借りれるか聞いてみます。」
いつか、エリザベス様が言っていた。盗聴に使えるから悪用できると。私は悪用しようとしているのかしら。こんな騙し討ちみたいなことをしても良いのかしら。
オスカー様との婚約内定は、もっと簡単に無くせるものだと思っていた。ただ、嫌だと言えば済むと思っていたのに、ずいぶん大事になっている気がする。
「リリア嬢。大丈夫です。もしも通信機が借りられなかったら、他の方法を考えれば良いのですから。」
次男様が頼もしい。
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