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しおりを挟む言われてみれば当たり前のことだ。人付き合いとはそういうもので、友達関係、家族の間ですら、そういうものだ。それなのに、何故、オスカーに対して、一方的に我慢していたのだろう。——オスカーは、リリアが何かを言うことを許さなかった。つまり、そういうこのなのだ。オスカーと分かり合う余地は、最初からなかった。
話し合いを避け、言うことを諦めていた自分にも非があったのだと、口には出さなくとも、自分を責めていたが、違う。自分は悪くないのだと、初めて思えた。
「そう、ですね。そうなのかもしれません。」
途方もない安堵感が押し寄せ、リリアの目から涙が溢れた。次男様は言う。
「涙が出るのは、安心した時なのだそうですよ。」
と、ハンカチを差し出した。
「私はズルい男でもあるので、この隙に付け込ませていただきます。そのリリア嬢の心のリハビリのためにも、私と恋愛をしてみませんか。」
「え?」
「癒して差し上げる。とは、自信をもって言えません。しかし、私は、オスカーよりは貴女を大切にする自信はあります。貴方の言う条件にも当てはまる人材のはずです。決まった相手でなくても良いのなら、私を試してみて欲しいと思います。」
「試すだなんて、そんな、」
「その為のお試し期間ですからね。正式に申し込むことをお許しください。」
そう言って、次男様は私のそばに来て手を差し出した。
「ひざまづくのはプロポーズにとっておきます。——どうか、私と、恋人関係になっていただけませんか?」
「はい。こちらこそ、よろしくお願いします。」
リリアは、反射的に受け入れる返事をしてしまっていた。
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