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しらゆきひめ
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毎週土曜日は父方の祖父母の家。それが我が家における私と弟のルーティンだった。物心ついた頃にはそうなっていた。両親が迎えにくる夜9時頃まで、ただ時間を潰すのだ。
祖父母の家は、その構造上、出入り口が多かったように思う。玄関はもちろん、勝手口、庭に面した窓?に、お風呂の横にも庭に通じる出入り口があった。その風呂場の横にある出入り口からのみ認識できる何者かがそこに居た。
日があるうちは絶対に見えない
日が暮れるとその出入り口からのみ会うことができる。
その何者かこそが「しらゆきひめ」である。
「しらゆきひめ」は白い髪白い肌に振袖の白い着物を着ていて、ぼんやり白く発光しており、少し浮いていた。足があったかどうかは覚えていない。草履のようなものを見た記憶がないのでなかったのか着物に隠れていたのかもしれない。そういえば着物の裾がヒラヒラだなーと思ったことがある。
漢字の个のようなポーズを取っていた。お母さんが抱っこ待ちで両腕を少し広げているような。だから長い袖が綺麗に見えた。
日本の時代劇に出てくる座敷に座っているお姫様達のような髪型をしていた。後ろに緩く束ねつつ、サイドは垂らしてるやつ。
わりと読書家であった私は、有名どころである「雪女」の数々の話もそのイメージも、そして、もちろんグリム童話の「白雪姫」も知っていた。何ならディズニーの映画も観たし、絵本も読んだ気がする。
だから今考ると、その何者かは「雪女」のような様相であったはずなのに「白い雪のようなお姫さま」だと感じたのだと思う。
気がついたら「しらゆきひめ」と呼んでいた。
もちろん、大人達に何度も訴えた。従兄弟達にも何度も言った。しかし、当時の私は父方の従兄弟達の中では下から2番目の未就学生のオコサマであったためか、
「あぁそうなの(笑顔)」
「良かったね(笑顔)」
「挨拶しておいで(笑顔)」
といつも軽く流されていた。。。のだと思う。
が、オコサマの私は流されているとは思っておらず、本気で話が通じているものだと信じていたし、挨拶しておいでと言われて素直に挨拶をしに行っていたのだ。
そうなのです。
会話ができていたのですよ…。
その何者かの「しらゆきひめ」と。
子供の妄想遊びだとでも思っていたのか、両親が迎えに来て帰る時、「しらゆきひめにバイバイしてくる!」と言う私に、親達は「しておいで。早くねー(笑顔)」とか言われていた。まぁ…今ならわかる。うん。私でもオコサマが言ってたら乗ってあげる。そんな反応する。
子供ながらに、昼間会えないことや、他の場所から出た時には見えないということに疑問を持ったりもした私は、昼間に何度もそこ(敷地内の庭の一角)を見に行って確認もしたし、夜は外に出ちゃダメという言いつけを破ってコソーリと確認してみたり、両親と共に帰る時、玄関から出た後、ササッとその一角を覗いてみたこともあった。しかし、やはり、風呂場の出入り口からしか「しらゆきひめ」は見えない。
(そういうものか。ここからしか会えないんだ。)
と何故か受け入れていた。
受け入れていた当時の自分の気持ちがサッパリわからない。理解できない。
いや、普通に異常事態ですよ。
今考えると恐ろしい気もするし、何故その当時に恐怖感がなかったのかも不思議だし、おかしいでしょそんなん。って盛大に自分にツッコミを入れたい気持ちすらあるものの、とにかくそうだったのだから仕方ない。
ともかく、毎週土曜日、私は「しらゆきひめ」と挨拶を交わしていたのだ。
あまり会話らしい会話はしなかった。いつも挨拶程度の言葉を交わしただけだった。
時系列はあやふやだけれども、思い出せる限りを次の回で書き出してみようと思う。
祖父母の家は、その構造上、出入り口が多かったように思う。玄関はもちろん、勝手口、庭に面した窓?に、お風呂の横にも庭に通じる出入り口があった。その風呂場の横にある出入り口からのみ認識できる何者かがそこに居た。
日があるうちは絶対に見えない
日が暮れるとその出入り口からのみ会うことができる。
その何者かこそが「しらゆきひめ」である。
「しらゆきひめ」は白い髪白い肌に振袖の白い着物を着ていて、ぼんやり白く発光しており、少し浮いていた。足があったかどうかは覚えていない。草履のようなものを見た記憶がないのでなかったのか着物に隠れていたのかもしれない。そういえば着物の裾がヒラヒラだなーと思ったことがある。
漢字の个のようなポーズを取っていた。お母さんが抱っこ待ちで両腕を少し広げているような。だから長い袖が綺麗に見えた。
日本の時代劇に出てくる座敷に座っているお姫様達のような髪型をしていた。後ろに緩く束ねつつ、サイドは垂らしてるやつ。
わりと読書家であった私は、有名どころである「雪女」の数々の話もそのイメージも、そして、もちろんグリム童話の「白雪姫」も知っていた。何ならディズニーの映画も観たし、絵本も読んだ気がする。
だから今考ると、その何者かは「雪女」のような様相であったはずなのに「白い雪のようなお姫さま」だと感じたのだと思う。
気がついたら「しらゆきひめ」と呼んでいた。
もちろん、大人達に何度も訴えた。従兄弟達にも何度も言った。しかし、当時の私は父方の従兄弟達の中では下から2番目の未就学生のオコサマであったためか、
「あぁそうなの(笑顔)」
「良かったね(笑顔)」
「挨拶しておいで(笑顔)」
といつも軽く流されていた。。。のだと思う。
が、オコサマの私は流されているとは思っておらず、本気で話が通じているものだと信じていたし、挨拶しておいでと言われて素直に挨拶をしに行っていたのだ。
そうなのです。
会話ができていたのですよ…。
その何者かの「しらゆきひめ」と。
子供の妄想遊びだとでも思っていたのか、両親が迎えに来て帰る時、「しらゆきひめにバイバイしてくる!」と言う私に、親達は「しておいで。早くねー(笑顔)」とか言われていた。まぁ…今ならわかる。うん。私でもオコサマが言ってたら乗ってあげる。そんな反応する。
子供ながらに、昼間会えないことや、他の場所から出た時には見えないということに疑問を持ったりもした私は、昼間に何度もそこ(敷地内の庭の一角)を見に行って確認もしたし、夜は外に出ちゃダメという言いつけを破ってコソーリと確認してみたり、両親と共に帰る時、玄関から出た後、ササッとその一角を覗いてみたこともあった。しかし、やはり、風呂場の出入り口からしか「しらゆきひめ」は見えない。
(そういうものか。ここからしか会えないんだ。)
と何故か受け入れていた。
受け入れていた当時の自分の気持ちがサッパリわからない。理解できない。
いや、普通に異常事態ですよ。
今考えると恐ろしい気もするし、何故その当時に恐怖感がなかったのかも不思議だし、おかしいでしょそんなん。って盛大に自分にツッコミを入れたい気持ちすらあるものの、とにかくそうだったのだから仕方ない。
ともかく、毎週土曜日、私は「しらゆきひめ」と挨拶を交わしていたのだ。
あまり会話らしい会話はしなかった。いつも挨拶程度の言葉を交わしただけだった。
時系列はあやふやだけれども、思い出せる限りを次の回で書き出してみようと思う。
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