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かくりよ
2 溶ける解ける蕩ける
しおりを挟むもしも。魂という物があったとして。いや、そんな大層な名前じゃなくて良い。それはただ感情と呼んで良いと思う。
往生した人も、無念があった人も、どんな風にこの世で生を終わらせた人にも、「心」があったはず。
その「心」だけが山に残っているのかもしれない。
死んだらそこにカラダを捨てられると知っている人は尚更、そこに自身を置かれることを生前から知っているはず。
山とか森っていうのは、草木の呼吸のせいなのか高さや風のせいなのか、空気の濃度が違う気がする。特に木の多い場所は、私だけかもしれないけれど、清浄な感じがするような寺社の森ですら、空気が動いている気がしない。
そういう、空気の違いで場所を自覚しているのかも。
「心」だけになってしまっている人をもはや人と呼べるのかは謎だけれども、その「人」であったはずの人達は、心が溶けてなくなるまでの時間を、ただそこで消化しているのかもしれない。
きっと大気とか空気のような、空間と呼んで差し支えない何かに、ゆっくり溶けていくんだな。
空気の動く場所に出たら、彼等はあっという間に溶けてなくなるのかもしれない。それとも、あの空気に心地よさを覚えているのかも。
そういう場所を、自分がいる場所だと自覚して、その範囲に居るのかもしれない。生きている私たちだって、自身の家をその居場所だと信じて、他の人の住居を侵したりはしない。
自身を認識する「心」が溶けていくその過程で、自身の覚えている「自分のカタチ」を忘れていってしまうんじゃないかしら。
それで崩れいく「自身のカタチ」があの異形のモノなのかなーと思うようになりました。
崩れて薄まって溶けていく過程は、その「人であったモノ」の個人個人できっと違うんだと思う。アイスみたいに溶けていく人もいれば、薄く儚く消えていく人も居て、中にはきっと忘れかけてて、でも自分を忘れたくない「心」が足掻いて、こんな感じかなーって思い出そうとしてグチャグチャに?メチャクチャに?ブロックや粘土をくっつけるように、自身のカタチを留めようと作って認識し続けるものが、あの変なカタチのモノなのかも。
そう考えたら、溶けているような、崩れているようなあのモノ達のことも、これからは見ても心穏やかに受け入れ………………………ることは無理だな。
あれはやっぱり、目の前に現れたりしたら、まっしぐらに逃げるだろうし、目でもあってしまったら恐怖に引き攣ること間違いない。
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