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弁慶を連想するナニカ
3 ナニカの素性
しおりを挟む弁慶のようなナニカが、何者なのか、それはおそらく、私が知る事はないでしょう。
重なられている時に断片的に見えた記憶のようなものも、解読は不可能です。
不可能ですが、印象だけは残っています。
——大切な誰かに裏切られて置いて行かれたので、その人のところへ帰りたい。——
そんな感じでしょうか。何処へ行きたいのかは知りませんが、何処かへ行くなら駅だろうと思ったので、連れて行きました。
その駅は、アルバイト先から乗るバスが通る路線にあるので、しばらく、そのナニカがウロウロするのを見かけていましたが、私も高校を卒業して、アルバイトを辞めて、取り立て免許で自家用車を運転するようになり、バス自体をあまり使わなくなり、短大は全く違う方向だったのもあり、だんだん、その場所自体に通りがかることもなく、その存在を忘れていきました。
成人式のことです。午前中は晴れ着でキャッキャウフフをした後で、地元民で集まりワイワイするための約束をするのです。
お酒を飲む予定があります。成人したのですから、お酒の出るお店に行くのです。まだ誕生日の来ていない早生まれの人はご愁傷様。彼等は根こそぎ車を出させられます。
気分良く飲んで歌ってやけぼっくいに火がついたりして、また会おうと約束を交わして、行き同様、早生まれ組の車に乗り合わせて帰ります。
いつかの、ナニカを見つけた場所を通ったんですね。何故か「弁慶もどき」は、そこに居ました。駅まで連れて行ったのに、戻ってきていました。
何だろうな。あそこが良いのかな。
それとも、人を渡り歩いて、また戻ってくる羽目になったのかな。
わからないけれど、十数年経った先日も、「弁慶もどき」はそこに居ました。
まあ、もう、あの公共施設に行く事はないので、私は2度と関わることはありませんけれど。
そういえば、どこかの漫画で、某霊能者が、本物の弁慶は義経に裏切られて置いて行かれて怒っていたと、書かれていたことを思い出しました。
そんな人、いっぱい居そう。
主君に裏切られた忠臣って、ああやって悲しみと怒りを抱えたまま、日本中、もしかしたら世界中に、たくさん居るのかもしれない。
と、思いました。
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