乙女ゲームのヒロインに転生、科学を駆使して剣と魔法の世界を生きる

アミ100

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秘密

第163話 編入生③

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「よおベルナール!ちょっといいか?」

放課後、私はロペス先生に呼び出された。

あのあと、練習試合でのアイリスの動きは素晴らしいものだった。1番下のグループとはいえ、1本も相手に取らせなかったのだ。その結果、次回からは私やジーク、アランと同じ1番上のグループに入ることになった。

「さて、ここでいいだろ。」

ロペス先生についていき、適当な空き教室へと移動した。

「それで、アイリスさんの話ですよね?彼女は何者ですか?」

「お前の見立てはどうなんだ?」

質問に質問で返さないでほしいな……

「……彼女、呪法師ですよね?僅かですが呪力を持っています。」

「おいおい、そっちに気がついたか……まさかお前、呪力視まで使えるようになってたのか?つくづくとんでもねえな……まあ今更か。お前さんの言うとおり、あいつは呪力を持ってる。ちなみに、国に届け出したから、使用は禁止だが呪力の保有自体は犯罪にならねえぞ。」

「それは良かったです。もし気づいていないとしたらややこしいことになると思ったので……」

まあ、ロペス先生はなんだかんだその辺はちゃんとしている気がするが。

「それで、他に分かったことは?」

「彼女が入ったタイミングからして、林間学校で対処をお願いした刺客のうちの1人ですよね?比較的若く、社会復帰が見込めるから保護した、といったところでしょうか。」

「ああそうだ。あいつはモロクの幹部直属暗殺部隊の隊長だった。」

「隊長……あの若さでですか。」

「後見人になったのは、憐れみ半分、実力を買ったのが半分だ。」

「前者はともかく、実力を買ったというのはどこかで雇う予定があるんですか?」

「まあ、あるようなないようなだが、詳細はまだ決まってねえ。その辺は俺よりも俺の主・・・に聞いたほうが早いだろうな。」

「主?……というか、何故モロクの名を……」

私はロペス先生やアランたちに襲撃者の対処は頼んだが、モロクについては一切説明していない。

「おっとすまん、急用を思い出した!まあとにかく、アイリスと仲良くしてやってくれ!」

そう言うと、ロペス先生はそそくさと教室から出ていってしまった。

余りに露骨にはぐらかされた。いや、はぐらかすつもりもなく単純に逃げたか……

普段はひょうきんな態度を取るロペス先生だが、実は何かと謎の多い人物だ。

彼について分かっていることは、教師歴10年ほどであること、私のママと学生時代先輩後輩の関係にあったこと、恐らく独身であること、特段学院の役職にはつかずいわゆる平の教員であることくらいだ。

こう書き出すと色々分かっている感じはあるが、なんというか、素性に迫る情報が絶妙に欠けている感覚がある。それに、これらの情報自体にはどことなく違和感があるのだ。

まず教師歴は10年ほどということだが、ママとの年齢差を考えると学院を卒業してから教師になるまで数年のブランクがある。それ自体は他のキャリアについていたと考えれば違和感はないのだが、問題はこの数年に何をしていたのかが完全なる謎ということだ。

実は一時期、モロクの存在を知る前に、ジークに対する脅威を調べるため教員の経歴を探ったことがあった。すると他の教員は概ね情報が出てきたが、ロペス先生だけ全くと言っていいほど出てこなかったのだ。

確実に彼に何か秘密があるのは間違いない。ただ、今までの彼の態度を見るに悪意を持ってそれを隠しているようには見えない。

……まあ彼の素性も真意も見えないままだが、ひとまずは言われたとおりアイリスと良好な関係を築けるよう努力するか……

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