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研究員見習いになれました

第19話 リナの決意①

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「あの、お姉様…実は1つご相談があるのですが、よろしいでしょうか…?」
「相談…?」

相談ってなんだろう?

「まあ、とりあえず座りなよ。」
「はい…!」

そう言うとリナはスタスタと歩いてソファーに座った。なんだかいつもの自信無さげなリナに比べて随分と力が入っている気がする。

「それで、相談って?」
「あ、えっと、まずは魔法研究所就職おめでとうございます!」
「ありがとう、リナ」
「それで、その、どんなお仕事をすることになったのですか…?」
「総合魔法部門ってところで研究員見習いとして働くことになったよ。」

リナはあんまり研究とかに興味は無かったはずだけど、なんでそんなこと聞くんだろう?

「研究員見習い…そう、ですか…そうですよね…」

そう言うとリナは考え込んでしまう。

…あれ、そういえば私が研究員見習いになったらオスカル殿下と正式に婚約破棄するって言ったんだったっけ?でもリナはそのことは知らないはず…

「あの、実は私、オスカル殿下とシェリーお姉様が何をお話していたのかを聞いてしまって…」
「え…!どこで?」
「昨日お城に遊びに行かせて頂いたときに、廊下でオスカル殿下とその従者様がお話していたところをたまたま…盗み聞きするつもりは無かったのですが…!」

あのアホ皇子め…私には "リナがこのことを知ったら心配するだろうから、彼女には黙っておいてくれ" とかカッコつけてたくせに、自分が聞かれちゃってるじゃん…!

「…なるほど…いや、でもやっぱり改めて婚約するのはなあ…」
「はい、お姉様が婚約したくないことは私もわかっております。」
「…あれ、そうなの?そしたら相談って?」
「確か、お姉様がオスカル殿下とご結婚なさったら、後宮の経理と整備を担当する予定だったのですよね?それなら…!」

――――――――

翌日、オスカル殿下がまた私たちの屋敷を訪れた。

「シェルシェーレ、お前に話がある。」

多分私の研究所での役職がどうなったか聞きに来たんだろう。

「はい、わかりました。」
「リナ、君は少し別室で待っていてくれ。」
「いや、リナにも同席してもらいましょう。」
「え?いや何を言って…」
「オスカル殿下、私からもお願いします!」
「う…しかしだなリナ…」
「リナは、もう既に例のことを知っているようですよ?」
「な…!まさかお前、リナにあのことを…」
「違うんです、オスカル殿下!実は私がたまたまオスカル殿下がお話しているところを聞いてしまって…!」
「…え?な、聞かれないようにしていたのに…」

いや、聞かれたくない話を廊下でしないでよ。

「リナもこう言っていますので、構いませんよね?」
「…わかった…」

―――――― 続く
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