72 / 122
過去にも色々ありました
第72話 確かめたかったこと②
しおりを挟む
うーん、難しいな…
結論から言うと、エリオット様は素でも結構怪力だったのと、この検証法には少々問題があった。
細めの鎖は素の力で割と簡単に壊されてしまった。でもさすがに1番太い鎖は歯が立たなかったので、今度は手錠を外した状態で試してもらった。
だけどこれが問題だった。手に魔力を込めて鎖を引っ張ろうとしたら、勢い余って土魔法が発動してしまった。
どうも前に上手くいったのは魔封じの魔法が効いていた空間で魔法が発動しない状態だったかららしく、あれを再現するには同じように魔封じの魔法陣を描いた部屋を用意しなくてはならない。
部屋自体は用意できても、魔法の方が実に面倒くさい。魔法陣の描き方は分かるけど、発動させるのに必要な魔力量が半端じゃないのだ。魔導師数人が取り掛かっても数日かかるくらいだから、1人でこれ以上はできそうにないな…
「悪ぃな、上手くいかなくて…」
エリオット様は自分の髪をワシャワシャと掻く。
「いえ、むしろ色々分かったので良かったです。ありがとうございました。」
「そうか…また何かあったら協力するよ。」
「助かります。」
するとエリオット様は立ち上がった。
「じゃあ、俺はそろそろ行くぞ。」
「あれ、もしかして何か急ぎの用事がありましたか?」
「いや、そういう訳じゃねえけど…」
「それなら紅茶くらい飲んでいきませんか?実験に付き合わせて終わったらすぐ帰れと言うのも申し訳ないので。」
私はそう言いながら、立ち上がって部屋に置いてあった紅茶セットを準備する。
ガタッ
するとエリオット様は突然立ち上がり、こちらに向かって歩いてきた。
ドンッ!
そして壁に手をつき、私を壁に追いやるように立ちはだかった。
「……?」
「シェリー…お前忘れたのか?」
「何をですか?」
「俺、言っただろ?お前に『好きだ』って、はっきりと。」
………
「ああ、ありましたねそんなこと。」
「思い出したんなら…」
「それで、それがどうかしましたか?」
「…は?」
「え?」
え、あれってただ女の子口説いてる普段のテンションで言っただけじゃないの?
「…はあぁ………」
なんか分からないけど盛大にため息つかれた…!!
「あの…」
「…俺、やっぱ用事思い出したから帰るわ。またな。」
「えっあの!」
私の制止も聞かず、エリオット様は軽く私の頭を撫でてからそのまま部屋を出ていってしまった。
まずい…なんでかよくわからないけど怒らせたかも…!
…なんでか分からないけど。
こういうときは…そうだ、ルーカスお兄様にでも相談しよう。
結論から言うと、エリオット様は素でも結構怪力だったのと、この検証法には少々問題があった。
細めの鎖は素の力で割と簡単に壊されてしまった。でもさすがに1番太い鎖は歯が立たなかったので、今度は手錠を外した状態で試してもらった。
だけどこれが問題だった。手に魔力を込めて鎖を引っ張ろうとしたら、勢い余って土魔法が発動してしまった。
どうも前に上手くいったのは魔封じの魔法が効いていた空間で魔法が発動しない状態だったかららしく、あれを再現するには同じように魔封じの魔法陣を描いた部屋を用意しなくてはならない。
部屋自体は用意できても、魔法の方が実に面倒くさい。魔法陣の描き方は分かるけど、発動させるのに必要な魔力量が半端じゃないのだ。魔導師数人が取り掛かっても数日かかるくらいだから、1人でこれ以上はできそうにないな…
「悪ぃな、上手くいかなくて…」
エリオット様は自分の髪をワシャワシャと掻く。
「いえ、むしろ色々分かったので良かったです。ありがとうございました。」
「そうか…また何かあったら協力するよ。」
「助かります。」
するとエリオット様は立ち上がった。
「じゃあ、俺はそろそろ行くぞ。」
「あれ、もしかして何か急ぎの用事がありましたか?」
「いや、そういう訳じゃねえけど…」
「それなら紅茶くらい飲んでいきませんか?実験に付き合わせて終わったらすぐ帰れと言うのも申し訳ないので。」
私はそう言いながら、立ち上がって部屋に置いてあった紅茶セットを準備する。
ガタッ
するとエリオット様は突然立ち上がり、こちらに向かって歩いてきた。
ドンッ!
そして壁に手をつき、私を壁に追いやるように立ちはだかった。
「……?」
「シェリー…お前忘れたのか?」
「何をですか?」
「俺、言っただろ?お前に『好きだ』って、はっきりと。」
………
「ああ、ありましたねそんなこと。」
「思い出したんなら…」
「それで、それがどうかしましたか?」
「…は?」
「え?」
え、あれってただ女の子口説いてる普段のテンションで言っただけじゃないの?
「…はあぁ………」
なんか分からないけど盛大にため息つかれた…!!
「あの…」
「…俺、やっぱ用事思い出したから帰るわ。またな。」
「えっあの!」
私の制止も聞かず、エリオット様は軽く私の頭を撫でてからそのまま部屋を出ていってしまった。
まずい…なんでかよくわからないけど怒らせたかも…!
…なんでか分からないけど。
こういうときは…そうだ、ルーカスお兄様にでも相談しよう。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
158
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる