76 / 122
過去にも色々ありました
第76話 ルーカスの助け舟④(筆者視点)
しおりを挟む
「で、だ。そんなことより、お前はシェリーと結婚する気はないか?」
「え」
「シェリーに惚れてんだろ?」
「それは…」
エリオットは目をそらす。
「それとも結婚したら他の"女の子"達と遊べなくなるから嫌なのか??」
ルーカスはニヤニヤしながら訊ねる。
「いや、それはないですよ。今まで関係持ってた娘達とは全員縁を切りましたから。」
「それはシェリーへの義理立てか?」
「…それもありますし、なんというか、シェリーを見てるうちに目が覚めたというか…」
「ほう?」
ルーカスはさらにニヤッといたずらっ子のような笑みを浮かべる。
「じゃあ大丈夫だろ。」
「いや、それ以前にシェリーの同意が得られないでしょう…それに、俺の身分はあいつ…いや、あんたがたには相応しくない。俺は今のままで充分だ。」
「いや、別にシェリーの同意を得るのは簡単だぞ?"研究所での仕事を一生続けさせてやれるし、欲しい魔道具や本があればすぐ用意する"って言えば1発だ。」
「……」
エリオットは"それは結婚ではなく何かの契約の条件なのでは?"と思ったが、確かにシェリーなら食いつきかねないと思い直した。
「それに身分に関しても別に問題ない。確かに侯爵令嬢が男爵に嫁ぐのは珍しいが、既に兄貴は公爵令嬢と結婚、義妹なんて皇子と婚約してるし、コネクションは充分得てるからな。そもそもこのままだとシェリーは一生独身を貫き通す勢いだし…」
「い、いや、そうはそうですが、俺の場合はそれ以前の問題で…」
コンコンッ!
エリオットが何か言いかけたところで、扉をノックする音がした。
「入れ!」
ガチャ
扉が開かれると、シェルシェーレと金髪の少女が入ってきた。
「お兄様、言われた通りにリナを連れてきました。」
「おお助かった、じゃあリナはここ座れ!」
ルーカスは自分の隣の空いているソファを叩く。
「えっと、失礼します…」
リナは緊張しながら座る。彼女はあまり今の状況が把握しきれていないのだ。
「あとシェリーは紅茶取ってきてくれ。王国の薔薇のやつな!」
「…わかりました。」
シェルシェーレは兄が指定した紅茶がここから1番遠い部屋にあることは偶然だろうかと思いつつ、渋々了承し部屋を出る。
「彼女は…」
エリオットは恐る恐る聞く。
「ああ、こいつが皇子と婚約してる義妹のリナだ!」
「えっと、リナ・シュバルツです、よろしくお願いします…」
リナは未だにそわそわしながら自己紹介する。
「リナ、こいつがエリオットだ!」
「あ…!」
リナはその名前を聞くと、一気に納得する。シェルシェーレからエリオットの話は度々聞かされていたのだ。
「えっと、でもルーカスお兄様、なぜ私をここに呼ばれたのですか…?」
「それはあれだ、まずシェリーをこの部屋から追い出す口実にしただけだ!」
「え…」
リナはやや困惑した表情を見せる。
「あと、こいつに7年前のあの1件について話しておこうと思ってな、どうせだから当事者のリナも呼んだんだよ。」
エリオットは"7年前"という言葉に反応し動揺するが、すぐ冷静になる。
「エリオットは"シュバルツの悪魔"って聞いたことあるか?」
「……!はい、前に1度…確か妹さんが関係しているとか何とか…」
「そうそう、それがお前にも大きく関係してる。」
「それは、どういう…」
エリオットはまた動揺する。
「悪ぃな。俺、お前の出自ちょっと調べた。」
「な……!」
「それで、これからどうするにしても、1回聞いておいて損は無いと思ったんだよ。あ、ちなみにシェリーにはこのこと言ってないぞ?」
「…わかりました。」
「じゃあ、これは7年前、シェリーが10歳、リナが8歳、俺が14歳のときのことだ…」
「え」
「シェリーに惚れてんだろ?」
「それは…」
エリオットは目をそらす。
「それとも結婚したら他の"女の子"達と遊べなくなるから嫌なのか??」
ルーカスはニヤニヤしながら訊ねる。
「いや、それはないですよ。今まで関係持ってた娘達とは全員縁を切りましたから。」
「それはシェリーへの義理立てか?」
「…それもありますし、なんというか、シェリーを見てるうちに目が覚めたというか…」
「ほう?」
ルーカスはさらにニヤッといたずらっ子のような笑みを浮かべる。
「じゃあ大丈夫だろ。」
「いや、それ以前にシェリーの同意が得られないでしょう…それに、俺の身分はあいつ…いや、あんたがたには相応しくない。俺は今のままで充分だ。」
「いや、別にシェリーの同意を得るのは簡単だぞ?"研究所での仕事を一生続けさせてやれるし、欲しい魔道具や本があればすぐ用意する"って言えば1発だ。」
「……」
エリオットは"それは結婚ではなく何かの契約の条件なのでは?"と思ったが、確かにシェリーなら食いつきかねないと思い直した。
「それに身分に関しても別に問題ない。確かに侯爵令嬢が男爵に嫁ぐのは珍しいが、既に兄貴は公爵令嬢と結婚、義妹なんて皇子と婚約してるし、コネクションは充分得てるからな。そもそもこのままだとシェリーは一生独身を貫き通す勢いだし…」
「い、いや、そうはそうですが、俺の場合はそれ以前の問題で…」
コンコンッ!
エリオットが何か言いかけたところで、扉をノックする音がした。
「入れ!」
ガチャ
扉が開かれると、シェルシェーレと金髪の少女が入ってきた。
「お兄様、言われた通りにリナを連れてきました。」
「おお助かった、じゃあリナはここ座れ!」
ルーカスは自分の隣の空いているソファを叩く。
「えっと、失礼します…」
リナは緊張しながら座る。彼女はあまり今の状況が把握しきれていないのだ。
「あとシェリーは紅茶取ってきてくれ。王国の薔薇のやつな!」
「…わかりました。」
シェルシェーレは兄が指定した紅茶がここから1番遠い部屋にあることは偶然だろうかと思いつつ、渋々了承し部屋を出る。
「彼女は…」
エリオットは恐る恐る聞く。
「ああ、こいつが皇子と婚約してる義妹のリナだ!」
「えっと、リナ・シュバルツです、よろしくお願いします…」
リナは未だにそわそわしながら自己紹介する。
「リナ、こいつがエリオットだ!」
「あ…!」
リナはその名前を聞くと、一気に納得する。シェルシェーレからエリオットの話は度々聞かされていたのだ。
「えっと、でもルーカスお兄様、なぜ私をここに呼ばれたのですか…?」
「それはあれだ、まずシェリーをこの部屋から追い出す口実にしただけだ!」
「え…」
リナはやや困惑した表情を見せる。
「あと、こいつに7年前のあの1件について話しておこうと思ってな、どうせだから当事者のリナも呼んだんだよ。」
エリオットは"7年前"という言葉に反応し動揺するが、すぐ冷静になる。
「エリオットは"シュバルツの悪魔"って聞いたことあるか?」
「……!はい、前に1度…確か妹さんが関係しているとか何とか…」
「そうそう、それがお前にも大きく関係してる。」
「それは、どういう…」
エリオットはまた動揺する。
「悪ぃな。俺、お前の出自ちょっと調べた。」
「な……!」
「それで、これからどうするにしても、1回聞いておいて損は無いと思ったんだよ。あ、ちなみにシェリーにはこのこと言ってないぞ?」
「…わかりました。」
「じゃあ、これは7年前、シェリーが10歳、リナが8歳、俺が14歳のときのことだ…」
0
あなたにおすすめの小説
『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
捨てられ侯爵令嬢ですが、逃亡先で息子と幸せに過ごしていますので、邪魔しないでください。
蒼月柚希
恋愛
公爵様の呪いは解かれました。
これで、貴方も私も自由です。
……だから、もういいですよね?
私も、自由にして……。
5年後。
私は、ある事情から生まれ育った祖国を離れ、
親切な冒険者パーティーと、その地を治める辺境伯様のご家族に守られながら、
今日も幸せに子育てをしています。
だから貴方も勝手に、お幸せになってくださいね。
私のことは忘れて……。
これは、お互いの思いがこじれ、離れ離れになってしまった一組の夫婦の物語。
はたして、夫婦は無事に、離婚を回避することができるのか?
最愛の番に殺された獣王妃
望月 或
恋愛
目の前には、最愛の人の憎しみと怒りに満ちた黄金色の瞳。
彼のすぐ後ろには、私の姿をした聖女が怯えた表情で口元に両手を当てこちらを見ている。
手で隠しているけれど、その唇が堪え切れず嘲笑っている事を私は知っている。
聖女の姿となった私の左胸を貫いた彼の愛剣が、ゆっくりと引き抜かれる。
哀しみと失意と諦めの中、私の身体は床に崩れ落ちて――
突然彼から放たれた、狂気と絶望が入り混じった慟哭を聞きながら、私の思考は止まり、意識は閉ざされ永遠の眠りについた――はずだったのだけれど……?
「憐れなアンタに“選択”を与える。このままあの世に逝くか、別の“誰か”になって新たな人生を歩むか」
謎の人物の言葉に、私が選択したのは――
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
夫と子供たちに、選ばれなかったイネス。
すべてを愛人に奪われ、彼女は限界を迎え、屋敷を去る。
だが、その先に待っていたのは、救いではなかった。
イネスを襲った、取り返しのつかない出来事。
変わり果てた現実を前に、
夫はようやく、自分が何を失ったのかを思い知る。
深い後悔と悲しみに苛まれながら、
失ったイネスの心を取り戻そうとする夫。
しかし、彼女の心はすでに、外の世界へと向かっていた。
贖罪を背負いながらもイネスを求め続ける夫。
そして、母の心を知っていく子供たち。
イネスが求める愛とは、
そして、幸せとは――。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる