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過去にも色々ありました
第77話 [シェルシェーレ過去編]シュバルツの悪魔①
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これはシェルシェーレが10歳のときのことだった。
「なんだよシェリー、浮かない顔して?」
私はいつも通り長男のニコラスお兄様、次男のルーカスお兄様、そしてお母様と昼飯を食べていた。
声をかけてきたのはルーカスお兄様だ。
「お茶会でお友達に勧められた小説があったから読んでみたけど、どこら辺が面白いのかよく分からなくて…」
「どの辺りまで読んだの?」
今度はニコラスお兄様が質問してくる。
「ちゃんと最後まで読んだよ?」
「…お前それ、何時間くらいで読んだんだ?」
「え、5分くらい…」
「「はあぁ……」」
ニコラスお兄様とルーカスお兄様は盛大にため息をつく。
「シェリー、あなたが5分もあれば本を読み終わることは知っているけれど、専門書とは違って、物語の本はじっくり時間をかけて読むからこそ面白いのですよ?」
お母様が諭すように言う。
「えーそうなのお母様?でも早く読んでもゆっくり読んでも読んでることに変わりないよ?」
「同じ"読む"でも、描写やセリフを噛み締めながら読むのと、ただいつ、どこで、何があったのかを見るのとでは全く違います。」
「ふーん…」
「試してみたければ、お金を渡すから街まで本をいくらか買ってきたらどうですか?既に読んだ本は結末がわかってしまっていて面白さが減ってしまうでしょうし。」
「…わかった!」
こうして私は、街まで本を買いに行くことになった。
――――――
「ふー、こんなところかな…」
私は侍女と従者を1人ずつ連れて街の本屋に行き、小説を3冊、ついでに専門書を4冊買った。
「シェルシェーレお嬢様、もうお帰りになられますか?」
「うん!」
私は買った本を侍女に渡す。
ドンッ!!
「わっ!」
すると、突然何かがぶつかってきた。
「いてて…」
「お嬢様!!」
侍女は大慌てで私を起こしてくれる。
「お怪我はありませんか?申し訳ありません、私が止めていれば!!」
侍女は怯えたように震えている。突然だったしこの人なにも悪くないんだけどな…まだうちに来てから日浅いし、前に仕えてた主人が横暴だったのかもしれない。
ちなみに従者の方は古株の人なので、一瞬驚いたものの特に気にとめてはいないみたいだ。…いや、それはそれでどうなんだろう。
まいっか。
「大丈夫だよ。それより、今ぶつかってきたのって…ん?」
振り返ってみると、私とぶつかったと思われる人物が目に入った。それは、ボロボロの服とも呼べない布を纏った、金髪の少女だった。
「なんだよシェリー、浮かない顔して?」
私はいつも通り長男のニコラスお兄様、次男のルーカスお兄様、そしてお母様と昼飯を食べていた。
声をかけてきたのはルーカスお兄様だ。
「お茶会でお友達に勧められた小説があったから読んでみたけど、どこら辺が面白いのかよく分からなくて…」
「どの辺りまで読んだの?」
今度はニコラスお兄様が質問してくる。
「ちゃんと最後まで読んだよ?」
「…お前それ、何時間くらいで読んだんだ?」
「え、5分くらい…」
「「はあぁ……」」
ニコラスお兄様とルーカスお兄様は盛大にため息をつく。
「シェリー、あなたが5分もあれば本を読み終わることは知っているけれど、専門書とは違って、物語の本はじっくり時間をかけて読むからこそ面白いのですよ?」
お母様が諭すように言う。
「えーそうなのお母様?でも早く読んでもゆっくり読んでも読んでることに変わりないよ?」
「同じ"読む"でも、描写やセリフを噛み締めながら読むのと、ただいつ、どこで、何があったのかを見るのとでは全く違います。」
「ふーん…」
「試してみたければ、お金を渡すから街まで本をいくらか買ってきたらどうですか?既に読んだ本は結末がわかってしまっていて面白さが減ってしまうでしょうし。」
「…わかった!」
こうして私は、街まで本を買いに行くことになった。
――――――
「ふー、こんなところかな…」
私は侍女と従者を1人ずつ連れて街の本屋に行き、小説を3冊、ついでに専門書を4冊買った。
「シェルシェーレお嬢様、もうお帰りになられますか?」
「うん!」
私は買った本を侍女に渡す。
ドンッ!!
「わっ!」
すると、突然何かがぶつかってきた。
「いてて…」
「お嬢様!!」
侍女は大慌てで私を起こしてくれる。
「お怪我はありませんか?申し訳ありません、私が止めていれば!!」
侍女は怯えたように震えている。突然だったしこの人なにも悪くないんだけどな…まだうちに来てから日浅いし、前に仕えてた主人が横暴だったのかもしれない。
ちなみに従者の方は古株の人なので、一瞬驚いたものの特に気にとめてはいないみたいだ。…いや、それはそれでどうなんだろう。
まいっか。
「大丈夫だよ。それより、今ぶつかってきたのって…ん?」
振り返ってみると、私とぶつかったと思われる人物が目に入った。それは、ボロボロの服とも呼べない布を纏った、金髪の少女だった。
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