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第116話 アピール②
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「10分後に決勝を始める。第1騎士団代表ジャック・パーカー、第7騎士団エリオット・フォーゲルは準備せよ。」
あれからしばらくトーナメント戦が行われ、いつの間にやら決勝である。
ここまでのエリオット様と言えば、3試合とも瞬殺だった。そして正直なことを言うと、私の目には何が起こったのかもよく分からなかった。
若いのに副団長をやっていることとか、他の第7騎士団の騎士達の態度からしてかなりの実力者なんだろうなとは思ってたけど、まさかここまでとは……
一方、ジャックさんも凄かった。エリオット同様、相手にまともに攻撃させることすらなく勝ち抜いてきた。
「なあ、今日の副団長、なんか気合いすごくないか?」
すると、近くにいた第7騎士団の騎士達が話始める。
「ああ、普段はすごい舐めた感じで適当にやって、剣術大会のときですら怒られない程度の順位まで上がったら急にわざと負けてそのまま遊びに行くのに…」
やっぱり、去年3位だったのは手を抜いたせいだったか……
というか、部下からの言われよう結構酷くない??信頼関係とかその辺大丈夫なんだろうか。
「やっぱり変わったよな……なんでだろ?」
「そりゃあ、お前……」
騎士の1人がチラッとこちらを向く。目が合うと気まずいので、私は違う方を向いて気づいていないフリをする。
「なるほどなあ……」
「こら2人とも、口を慎みなさい。」
すると、騎士団長のアルバート様が2人を注意する。
「「は!申し訳ございません。」」
2人は同時に返事をする。
「はあ……」
すると、アルバート様はおもむろに立ち上がり、私の元へとやってくる。
「うちの部下が申し訳ありません。むやみに軽口は言わないよう、よく教育しておきます。」
どうやら、私に一連の会話が聞こえていたことに気がついていたらしい。
「いえ、これくらいで一々目くじらを立てたりはしませんよ。」
「寛大なお心、感謝いたします。」
アルバート様は深々と頭を下げる。
「ああ、そういえば…エリオットとのご婚約、おめでとうございます。」
「あ、えっと、ありがとうございます…」
私は少し照れながら返答する。
「エリオットから聞いたのですか?」
「はい、5日ほど前に珍しく大事な話があると言われまして…まあその前から、死にかけたとは思えないほどやたらと機嫌が良かったので、何となくそんな予感はしていましたが。」
「そう…なんですね」
「他の団員達は大騒ぎでしたよ。」
「あはは……」
やっぱり第7騎士団の人達がこちらをチラチラ見てたのは気のせいじゃなかったか……
「それにしても、あなたがエリオットと一緒になってくれて良かった。あなたと出会う前の奴は、女性との交友関係を始め、何かと危なっかしいところが多かったですから…」
「それって、やっぱり仕事も適当だったりしたんですか?」
「いえ、そんなことは……剣術大会で手を抜いたり、式典に参加しなかったりといったことはありましたが……少なくとも第7騎士団としての仕事を手を抜いたことはありませんよ。むしろ、今までのエリオットは完璧に仕事をこなし過ぎて、どこか機械のようでした。」
「……」
「ですがそれが返って心配でした。いつか心身共に壊れてはしまわないかと…しかも、あいつにはそう遠くない未来、騎士団長をついで貰わなくてはなりませんから。」
「え、騎士団長を…?まさか、アルバート様の体調が宜しくないとか?」
「ああいえ、そうではありません。私は元々退役した騎士だったのですが、第7騎士団が軌道に乗るまで臨時で騎士団長を任ぜられたのですよ。そして、エリオットは騎士団に入団した時点でそのまま副騎士団長となり、騎士団長になるための準備中という訳です。」
「なるほど…」
つまり、エリオットは入団時点で既に騎士団長になることが決まってたってことか……
確かに、今でこそ男爵位は持っているけど、元平民で貴族の派閥に属さず、騎士団長に見合う能力があるエリオットは適任だろう。
「だから、いつからか無邪気に笑ったり、逆にあからさまに落ち込んだりするようになって、私は安心しましたよ。」
「それって…」
「ええ、あなたと関わるようになってからです。もっとも、最初の頃は本人も無自覚だったようですが。……これからも、あいつをよろしくお願いします。」
「はい、もちろんです。」
私の返事を聞くと、アルバート様は満足そうに笑い、元の席へと戻って行った。
あれからしばらくトーナメント戦が行われ、いつの間にやら決勝である。
ここまでのエリオット様と言えば、3試合とも瞬殺だった。そして正直なことを言うと、私の目には何が起こったのかもよく分からなかった。
若いのに副団長をやっていることとか、他の第7騎士団の騎士達の態度からしてかなりの実力者なんだろうなとは思ってたけど、まさかここまでとは……
一方、ジャックさんも凄かった。エリオット同様、相手にまともに攻撃させることすらなく勝ち抜いてきた。
「なあ、今日の副団長、なんか気合いすごくないか?」
すると、近くにいた第7騎士団の騎士達が話始める。
「ああ、普段はすごい舐めた感じで適当にやって、剣術大会のときですら怒られない程度の順位まで上がったら急にわざと負けてそのまま遊びに行くのに…」
やっぱり、去年3位だったのは手を抜いたせいだったか……
というか、部下からの言われよう結構酷くない??信頼関係とかその辺大丈夫なんだろうか。
「やっぱり変わったよな……なんでだろ?」
「そりゃあ、お前……」
騎士の1人がチラッとこちらを向く。目が合うと気まずいので、私は違う方を向いて気づいていないフリをする。
「なるほどなあ……」
「こら2人とも、口を慎みなさい。」
すると、騎士団長のアルバート様が2人を注意する。
「「は!申し訳ございません。」」
2人は同時に返事をする。
「はあ……」
すると、アルバート様はおもむろに立ち上がり、私の元へとやってくる。
「うちの部下が申し訳ありません。むやみに軽口は言わないよう、よく教育しておきます。」
どうやら、私に一連の会話が聞こえていたことに気がついていたらしい。
「いえ、これくらいで一々目くじらを立てたりはしませんよ。」
「寛大なお心、感謝いたします。」
アルバート様は深々と頭を下げる。
「ああ、そういえば…エリオットとのご婚約、おめでとうございます。」
「あ、えっと、ありがとうございます…」
私は少し照れながら返答する。
「エリオットから聞いたのですか?」
「はい、5日ほど前に珍しく大事な話があると言われまして…まあその前から、死にかけたとは思えないほどやたらと機嫌が良かったので、何となくそんな予感はしていましたが。」
「そう…なんですね」
「他の団員達は大騒ぎでしたよ。」
「あはは……」
やっぱり第7騎士団の人達がこちらをチラチラ見てたのは気のせいじゃなかったか……
「それにしても、あなたがエリオットと一緒になってくれて良かった。あなたと出会う前の奴は、女性との交友関係を始め、何かと危なっかしいところが多かったですから…」
「それって、やっぱり仕事も適当だったりしたんですか?」
「いえ、そんなことは……剣術大会で手を抜いたり、式典に参加しなかったりといったことはありましたが……少なくとも第7騎士団としての仕事を手を抜いたことはありませんよ。むしろ、今までのエリオットは完璧に仕事をこなし過ぎて、どこか機械のようでした。」
「……」
「ですがそれが返って心配でした。いつか心身共に壊れてはしまわないかと…しかも、あいつにはそう遠くない未来、騎士団長をついで貰わなくてはなりませんから。」
「え、騎士団長を…?まさか、アルバート様の体調が宜しくないとか?」
「ああいえ、そうではありません。私は元々退役した騎士だったのですが、第7騎士団が軌道に乗るまで臨時で騎士団長を任ぜられたのですよ。そして、エリオットは騎士団に入団した時点でそのまま副騎士団長となり、騎士団長になるための準備中という訳です。」
「なるほど…」
つまり、エリオットは入団時点で既に騎士団長になることが決まってたってことか……
確かに、今でこそ男爵位は持っているけど、元平民で貴族の派閥に属さず、騎士団長に見合う能力があるエリオットは適任だろう。
「だから、いつからか無邪気に笑ったり、逆にあからさまに落ち込んだりするようになって、私は安心しましたよ。」
「それって…」
「ええ、あなたと関わるようになってからです。もっとも、最初の頃は本人も無自覚だったようですが。……これからも、あいつをよろしくお願いします。」
「はい、もちろんです。」
私の返事を聞くと、アルバート様は満足そうに笑い、元の席へと戻って行った。
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