『優しいライン』〜『ヘテロ』2〜

segakiyui

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「か……なめ……」
「……ふぅ、気持ちよかった」
「…あ、あの……」
 あんたホモでしょ? あたし女だよ? あたし女なのに、キスしちゃって大丈夫だった?  
 真ん丸に目を見開いて万里は研究者の顔で尋ねてくる。こういうところが昔から天然だよね、この人は。
 大丈夫だったよ、大丈夫に決まってるじゃん、俺がしたかったんだし、けど、ああ、大丈夫だな、万里は凄く気持ちいいな、もっとしたいな。そうつぶやいて抱き締めようとしたら、逆にぎゅっと抱き締められてびっくりした。要、要、要。小さな声が胸で弾けて、そのままそこもキスしてよって言いたくなってくらくらする。
「万里……万里……ねえ、お願い」
 もう一回キスしてよ、そうねだってどきどきして待ってたら。
「ぐー……」
「………おーい」
 可愛いいびきが聞こえて呆気に取られた。揺すっても囁いても起きない相手にちょっとむくれて情けなくなって、それからふんわりと嬉しくなって抱き締める。ほらね、今もこうしてわかる、万里の体が俺にOK出してくれてる優しいライン。きっと俺も同じようなラインして、万里の体に寄り添ってるんだろう。二人で一つの絵を描くように、ベッドの中でくっついている。
 なんだ、全然大丈夫じゃん。とろけるようにそう思う。万里なら俺を抱いてくれそう。方法だって二人で探せばいいことなんだ、そんなことずっと前に知ってたのに。
 閉じていく瞼の裏に万里の呼吸音が淡い波紋で広がるのを俺は満足して見守った。

              おわり
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