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久しぶりに事故の夢を見た。
フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン。
私を月に連れていって。
こんなことになるんなら、あのときあそこで死んだ方がよかった。父母と一緒に。炎に引き裂かれて散っていく仲間と一緒に。
『密約』の相手は俺を必要としない。俺はどこにもいられない。
月に連れていってくれ。
月に。
(…みっ)
「近江!」
「っつう!」
思いっきり頬を殴られて、目が覚めた。視界が戻ったとたん、熱い涙がぼやぼやと世界をにじませ崩しながら流れ落ちていく。切羽詰まった呼吸が響く。
目の前にショートカットの髪に囲まれた白い顔があった。心配そうに見開かれたこぼれ落ちそうな瞳が俺を食い入るように見つめ、温かくてしっとりした両手が頬を包んでいる。
「大丈夫?」
「秋野さん…」
それ以上声を出すとしゃくりあげそうな気がして、ことばを飲み込んだ。ずっと大声で泣き続けていたように、声がひび割れがさがさになっている。それでも、俺が答えたことで秋野さんは安心したようだった。
ほう、と深い溜め息をついて、
「よかった。何度呼んでも、揺さぶっても、全然起きないから、また何かあったのかと」
気がつくと、布団は上半身はぎとられて、秋野さんは寝ている俺にほとんど馬乗り状態になってのぞき込んでいる。
「昼間、おかしなこと、させたから、調子を崩したのかと思ったんだ」
大きな瞳が潤んでいるように見えた。
「おかしな…こと?」
秋野さんに両頬を包まれ、その感触に酔っていた俺は一気に現実に引き戻された。
「ほら、たこ焼き」
「ああ…また、溶けたかと?」
俺は薄く笑った。
たこ焼きのソースの味とともに広がったのは、重苦しい絶望感。
秋野さんが望んでいるのは俺じゃない。秋野さんが惚れているのは『近江潤』だ。そして、俺は、その体を乗っ取ってコピーしたスライムに過ぎない。
(秋野さんが心配してるのは、きっと俺じゃないんだ)
「大丈夫ですよ」
「うん、そうみたい。安心した。ごめんね、ほっぺ、痛かったろ?」
秋野さんはそうっと俺の頬をなで上げた。かすかな震えが体の内側に走る。キスされなくても、俺は秋野さんに触れられることに過敏になっている。そのまま、何も考えずに、ずっと居たかった。
けれど。
秋野さんに触れられたせいか、やっぱりたこ焼きがきつかったのか、体に力が入らなかったが、何とか手を上げ、秋野さんの手を頬から離した。きょとんとした秋野さんが、はっとした顔であわてて俺の上から滑り降りる。
のろのろと顔をこすりながら起き上がると、秋野さんの体が離れたところから、冷たい何かが染み込んで来るような気がして、無意識に体が強ばった。
(死の予感、とか? できすぎだな)
秋野さんはまだためらったように俺を見ていたが、突然くるっと振り返って、鳴り続けていた目覚まし時計を止めた。背中を向けたまま、怒ったような口調で、
「目覚まし、本気で買い替えよう。この曲、だめだね。あんた、これがかかると、眠ってても絶対泣くもん」
声に心配を読み取って、胸が締めつけられた。
(買い替えなくってもいい、そんなに長く一緒にはいられないんだから)
口に出せないことばが胸の奥で響く。
「でも、無理もないよね、そんなことがあったんなら」
秋野さんは低くつぶやいて、冷蔵庫からオレンジジュースのパックを取り出した。そのままこくこくと飲み下す。
時計は二時を示している。ついこのあいだの幸せな眠りを思い出した。俺がスライム化するのを心配して、目覚ましで起きて介抱してくれていた秋野さん。
それがひどく遠い昔のことのように思えた。
今セットしているこの時間は、秋野さんがこの間から請け負ったアルバイトに出掛けるためのものだ。一週間に二回、黒いTシャツとジーパンに着替えて、人目を忍ぶように出掛けていき、一時間ほどしてから疲れ切った顔で戻って来る。俺が同居していることでお金のことが問題なら、きちんと割り勘でやっていけるよといったのだが、そんなんじゃないよと取り合ってくれなかった。
そして、俺は夜中に秋野さんが何をしているのか、聞けないでいる。
どこへ行くのかも全く知らない。実のところ、今日まで、知らないままでもいいと思っていた。秋野さんが一緒に居てくれているのは事実なんだし、秋野さんが夜中にどこで何をしようとかまわないと思っていた。
(でも、秋野さんはひょっとしたら、本当に好きな奴が見つかったか何かで、俺に言いづらいだけかもしれない)
「じゃ、行って来るからね、眠ってて。あ、そうだ」
小さな黒いバッグを手にして出て行こうとした秋野さんは、戸口で思い出したように振り返った。ほほ笑みながら急ぎ足で戻ってきて、ぼんやりと布団の上で座り込んでいる俺に近寄る。
「忘れ物」
首を伸ばしてつぶやき、秋野さんはそっと唇をあわせてくれた。
キスは夢に揺さぶられて締めつけられた胸に、痛いほど甘かった。目を閉じて受け入れる。命の風が吹き込んでくるように、冷えていた体のあちらこちらに活気が戻ってくる。
本当は二度と離したくなくて、そのまま引き寄せ抱き締めて、秋野さんのこぼす吐息すべてを貪りたかったけど、俺はぎりぎり自制した。
「ごちそうさまでした」
唇が離れるのに、あえておどけてふざけて見せる。
秋野さんがぴょこ、と眉をあげて見せた。
「うーん、何だか、腹減ったときのどんぶり飯、って感じだなあ」
「そんなことないよ」
俺は秋野さんの機嫌を損ねたんじゃないかとひやりとした。慌てて、
「もっとおいしい」
「ばか」
秋野さんはふっと赤くなってつぶやき、くるっと背中を向けた。
「よくそんなこと真顔で言えるよなあ」
「秋野さん」
呼びかけた声に秋野さんはきちんと俺の不安を読み取っていた。
「怒ってないよ」
ドアの方へ歩いて行きながら、ぽつりと肩越しに応えてくれる。それから、ちょいと振り向き、
「寝ててね」
うなずく俺に目を細めて笑って、ドアの外の夜の中へ、溶けいるように消えて行った。
(秋野さんは優しい)
閉まったドアをぼうっと見ながら、唇に触れてみた。秋野さんのキスの後では、自分の指がひどく無骨で乱暴なもののように感じる。
秋野さんが夜中にバイトに出掛けた出したころは、影のようについていきたいという衝動を抑えるのに苦労した。けれど、いくら秋野さんが恋しくても、今夜はとてもそんな気にならなかった。
もし、万が一、秋野さんが他の奴とどこかに出掛けているのなら、それを止める権利なんてないのだ、と思い知らされたからだ。
俺にキスしてくれるのも、今日まで一緒にいてくれたのも、それはつまり、秋野さんの優しさの範囲、いい換えれば、死にかけた宇宙人へのボランティアのようなものに近いんじゃないだろうか。死にかけていたのが俺でなくても、『近江潤』の姿をしていた奴なら誰でも、秋野さんは受け入れたんじゃないだろうか。
そして、それはいつか、秋野さんが『近江潤』の幻なんかじゃなくて、本当に好きな奴が現れたら、あっさり捨て去られるというじゃないんだろうか、という不安につながっていた。たとえその時、俺がどうなろうとも。
『密約』はやり直せない。エネルギーは秋野さんからしかもらえない。
だから、秋野さんを失ったら、それは俺にとっては、すべてを失うことになる。
そんなことを、秋野さんは本当にわかっているんだろうか。いや、わかっていても、カンケーナイ、のかもしれない。
そして、その夜、秋野さんは帰って来なかった。
フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン。
私を月に連れていって。
こんなことになるんなら、あのときあそこで死んだ方がよかった。父母と一緒に。炎に引き裂かれて散っていく仲間と一緒に。
『密約』の相手は俺を必要としない。俺はどこにもいられない。
月に連れていってくれ。
月に。
(…みっ)
「近江!」
「っつう!」
思いっきり頬を殴られて、目が覚めた。視界が戻ったとたん、熱い涙がぼやぼやと世界をにじませ崩しながら流れ落ちていく。切羽詰まった呼吸が響く。
目の前にショートカットの髪に囲まれた白い顔があった。心配そうに見開かれたこぼれ落ちそうな瞳が俺を食い入るように見つめ、温かくてしっとりした両手が頬を包んでいる。
「大丈夫?」
「秋野さん…」
それ以上声を出すとしゃくりあげそうな気がして、ことばを飲み込んだ。ずっと大声で泣き続けていたように、声がひび割れがさがさになっている。それでも、俺が答えたことで秋野さんは安心したようだった。
ほう、と深い溜め息をついて、
「よかった。何度呼んでも、揺さぶっても、全然起きないから、また何かあったのかと」
気がつくと、布団は上半身はぎとられて、秋野さんは寝ている俺にほとんど馬乗り状態になってのぞき込んでいる。
「昼間、おかしなこと、させたから、調子を崩したのかと思ったんだ」
大きな瞳が潤んでいるように見えた。
「おかしな…こと?」
秋野さんに両頬を包まれ、その感触に酔っていた俺は一気に現実に引き戻された。
「ほら、たこ焼き」
「ああ…また、溶けたかと?」
俺は薄く笑った。
たこ焼きのソースの味とともに広がったのは、重苦しい絶望感。
秋野さんが望んでいるのは俺じゃない。秋野さんが惚れているのは『近江潤』だ。そして、俺は、その体を乗っ取ってコピーしたスライムに過ぎない。
(秋野さんが心配してるのは、きっと俺じゃないんだ)
「大丈夫ですよ」
「うん、そうみたい。安心した。ごめんね、ほっぺ、痛かったろ?」
秋野さんはそうっと俺の頬をなで上げた。かすかな震えが体の内側に走る。キスされなくても、俺は秋野さんに触れられることに過敏になっている。そのまま、何も考えずに、ずっと居たかった。
けれど。
秋野さんに触れられたせいか、やっぱりたこ焼きがきつかったのか、体に力が入らなかったが、何とか手を上げ、秋野さんの手を頬から離した。きょとんとした秋野さんが、はっとした顔であわてて俺の上から滑り降りる。
のろのろと顔をこすりながら起き上がると、秋野さんの体が離れたところから、冷たい何かが染み込んで来るような気がして、無意識に体が強ばった。
(死の予感、とか? できすぎだな)
秋野さんはまだためらったように俺を見ていたが、突然くるっと振り返って、鳴り続けていた目覚まし時計を止めた。背中を向けたまま、怒ったような口調で、
「目覚まし、本気で買い替えよう。この曲、だめだね。あんた、これがかかると、眠ってても絶対泣くもん」
声に心配を読み取って、胸が締めつけられた。
(買い替えなくってもいい、そんなに長く一緒にはいられないんだから)
口に出せないことばが胸の奥で響く。
「でも、無理もないよね、そんなことがあったんなら」
秋野さんは低くつぶやいて、冷蔵庫からオレンジジュースのパックを取り出した。そのままこくこくと飲み下す。
時計は二時を示している。ついこのあいだの幸せな眠りを思い出した。俺がスライム化するのを心配して、目覚ましで起きて介抱してくれていた秋野さん。
それがひどく遠い昔のことのように思えた。
今セットしているこの時間は、秋野さんがこの間から請け負ったアルバイトに出掛けるためのものだ。一週間に二回、黒いTシャツとジーパンに着替えて、人目を忍ぶように出掛けていき、一時間ほどしてから疲れ切った顔で戻って来る。俺が同居していることでお金のことが問題なら、きちんと割り勘でやっていけるよといったのだが、そんなんじゃないよと取り合ってくれなかった。
そして、俺は夜中に秋野さんが何をしているのか、聞けないでいる。
どこへ行くのかも全く知らない。実のところ、今日まで、知らないままでもいいと思っていた。秋野さんが一緒に居てくれているのは事実なんだし、秋野さんが夜中にどこで何をしようとかまわないと思っていた。
(でも、秋野さんはひょっとしたら、本当に好きな奴が見つかったか何かで、俺に言いづらいだけかもしれない)
「じゃ、行って来るからね、眠ってて。あ、そうだ」
小さな黒いバッグを手にして出て行こうとした秋野さんは、戸口で思い出したように振り返った。ほほ笑みながら急ぎ足で戻ってきて、ぼんやりと布団の上で座り込んでいる俺に近寄る。
「忘れ物」
首を伸ばしてつぶやき、秋野さんはそっと唇をあわせてくれた。
キスは夢に揺さぶられて締めつけられた胸に、痛いほど甘かった。目を閉じて受け入れる。命の風が吹き込んでくるように、冷えていた体のあちらこちらに活気が戻ってくる。
本当は二度と離したくなくて、そのまま引き寄せ抱き締めて、秋野さんのこぼす吐息すべてを貪りたかったけど、俺はぎりぎり自制した。
「ごちそうさまでした」
唇が離れるのに、あえておどけてふざけて見せる。
秋野さんがぴょこ、と眉をあげて見せた。
「うーん、何だか、腹減ったときのどんぶり飯、って感じだなあ」
「そんなことないよ」
俺は秋野さんの機嫌を損ねたんじゃないかとひやりとした。慌てて、
「もっとおいしい」
「ばか」
秋野さんはふっと赤くなってつぶやき、くるっと背中を向けた。
「よくそんなこと真顔で言えるよなあ」
「秋野さん」
呼びかけた声に秋野さんはきちんと俺の不安を読み取っていた。
「怒ってないよ」
ドアの方へ歩いて行きながら、ぽつりと肩越しに応えてくれる。それから、ちょいと振り向き、
「寝ててね」
うなずく俺に目を細めて笑って、ドアの外の夜の中へ、溶けいるように消えて行った。
(秋野さんは優しい)
閉まったドアをぼうっと見ながら、唇に触れてみた。秋野さんのキスの後では、自分の指がひどく無骨で乱暴なもののように感じる。
秋野さんが夜中にバイトに出掛けた出したころは、影のようについていきたいという衝動を抑えるのに苦労した。けれど、いくら秋野さんが恋しくても、今夜はとてもそんな気にならなかった。
もし、万が一、秋野さんが他の奴とどこかに出掛けているのなら、それを止める権利なんてないのだ、と思い知らされたからだ。
俺にキスしてくれるのも、今日まで一緒にいてくれたのも、それはつまり、秋野さんの優しさの範囲、いい換えれば、死にかけた宇宙人へのボランティアのようなものに近いんじゃないだろうか。死にかけていたのが俺でなくても、『近江潤』の姿をしていた奴なら誰でも、秋野さんは受け入れたんじゃないだろうか。
そして、それはいつか、秋野さんが『近江潤』の幻なんかじゃなくて、本当に好きな奴が現れたら、あっさり捨て去られるというじゃないんだろうか、という不安につながっていた。たとえその時、俺がどうなろうとも。
『密約』はやり直せない。エネルギーは秋野さんからしかもらえない。
だから、秋野さんを失ったら、それは俺にとっては、すべてを失うことになる。
そんなことを、秋野さんは本当にわかっているんだろうか。いや、わかっていても、カンケーナイ、のかもしれない。
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