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大学に入ってまずは部室を、続いて、秋野さんの取りそうな講義のある校舎を見て回っていると、運悪く、この間から俺を追い回している新入生の一団に捕まった。
「近江さあん、おはようございまあす」
「今、お暇ですかあ」
「いや、あの」
「お忙しいかもしれないんですけどお」
二人ぐらいが目を見合わせて、同時に封筒を差し出す。
「近江さん、お電話出て下さらないって聞いたんで、がんばって書いたんですう」
「手紙って書くの、大変なんですよう」
「いや、ごめん、受け取れなくて」
「ひどい、なんて思いません?」
くね、と相手は腰から砕けるように体を振った。両手を組み合わせ、眉を寄せて続ける。
「理由知る権利、あると思いますう」
「理由?」
「何で、秋野さんはよくて、あたし達はだめなんですかあ?」
俺はあっけに取られた。秋野さんのことを知っていても追い回しているなんて思わなかったのだ。
「秋野さんよりずうっと若いですし、近江さんに似合うと思うんですけどお」
「そんなんじゃない」
ようやく、そう反論できた。続けようとしたとたん、ことばが喉に詰まってしまう。
「そんなんじゃないんだ、とにかくごめん!」
「あ、ひどおい!」
「逃げるなんてひどいですう!」
必死に女の子達をかきわけて別の校舎に飛び込んだときは、心底疲れ切っていた。
そんなんじゃない。
耳の奥に、自分の声が鳴り響いている。
(秋野さんは『密約』の相手なんだ、ただ一人の)
応えかけて、ふいに聞こえたもう一つの声に、言うべきことばを失った。
(そんなんじゃない? 確かに俺にとってはそうだけど、秋野さんにとっては?)
結局は秋野さんにとって、俺は『そんな』ものに過ぎないかもしれないのに?
勢いをつけて駆け上がった階段の踊り場で立ち竦む。急速に脱力感が襲ってきた。重力に耐えて階段を上り切ることさえできないような気がして、向きを変えてそろそろと段を降り始める。そのとたん、
「近江!」
声をかけられ、不安定だった足元が支えを失った。転げ落ちそうになって、かろうじて階段の手すりにしがみつく。
「げ!」
真後ろでうろたえた声が上がって、力強い手が肩をつかむ。何とか落ちずに済んだものの、とても立っていられなくて、俺はへたへたと階段に座り込んだ。おい、何だよ、危ないだろ、とぼやきながら降りて行く学生に見下ろされながら、荒くなった呼吸を整えようとする。
「何だよ、いきなり落ちんなよ」
がらがら声をかけた村西は、あきれたように、へたり込んだ俺をのぞき込んだ。
「どうした、真っ青だぞ」
「そう、だろうな」
応えて笑うのが精一杯、くらっと頭の中心が揺れた気がして手すりをしっかり掴み直す。
最後のキスから十時間はとうに過ぎた。命を削り取るような残り時間が、実際どれぐらいあるのか、俺にもわからない。
「風邪か? それとも」
村西がにやりと笑った。
「女遊びのし過ぎか? 秋野と同居してんだってな」
からかい口調にも苦笑するしかなかった。
階段から落ちかけたのが引き金になったのか、足の感覚はみるみる鈍くなってきた。さっきまでは、多少ぶつけてもわからない、ぐらいだったのが、今はきちんと地面を踏んでいるのかどうかがあやふやになってきている。
それは、初めてのキス、『密約』をされたときの感覚にそっくりだった。秋野さんのお父さんが運転するタクシーの中で、あっさりと溶け崩れてしまった足。ごとん、という無機質的な音を思い出す。
とても嫌な感覚だ。視界が揺れて吐き気がする。パニックを起こしそうなのをかろうじて抑えている。
「何があったんだ? ひょっとして、秋野に振られた、とか……おいおいおいおい」
ずるずると、今度は階段を数段滑り落ちてしまった。村西は心底あきれ返ったといいたげな声を上げた。
「派手なリアクションする奴だなあ、そんなに秋野に惚れてんのか?」
とんとん、と段を降りてきて、身を屈めて俺の腕を掴み上げ、くすくす笑った。
「わかったよ、十分わかったからもう立てって。おまえが、こんなに冗談のわかる奴だとは思わなかった」
ふざけてなんかいなかった。体中からエネルギーが抜け落ちていく。『密約』者が側にいないということがこれほど恐怖に拍車をかけるとは思わなかった。ささいな気持ちの揺れが直接体に響いてしまうのがわかる。
秋野さんが俺を振った、ということばだけで、十分俺にはきつい一撃だったのだ。
「それじゃあ、秋野が夜中の三時に、男と一緒にいるのを許しちゃならねえな」
村西が笑いながら続けて、我に返る。
(秋野さんが、男と一緒にいたって?)
じゃあ、やっぱり、そうだったんだ、秋野さんはもう俺から離れる気なんだ。
つぶやく胸とは反対に、俺は思わず村西を見返して問い詰めていた。
「秋野さんを見たのか?」
「ああ、何だ、少し元気がでたな」
村西は、俺を引っ張り上げて立たせてくれた。
「誰と居たって?」
「南大路製紙って会社、知ってるだろ?」
「南大路?」
「あいかわらず、世情に疎い奴だな、頭のいい割りには。先月だか、環境破壊企業だって、マスコミのやり玉に上げられてたろ? ほら、よく妙な情報もって来る宮内が、たいした証拠がないから突っ込みようがねえってぼやいてたじゃないか」
宮内。その名前には覚えがあった。一度、秋野さんに分厚い封筒を送ってきたはずだ。
「で、その、南大路製紙の工場近くで、昨日だか一昨日だか、秋野が男と一緒に居たって聞いたぞ。宮内に聞けば、もう少しわかるかもな」
「そうか」
手掛かりが何もないまま焦っていたこの数時間に比べれば、あやふやな情報でもありがたかった。たとえ、その宮内とやらが、秋野さんの『恋人』だとわかるとしても。
「助かったよ、宮内って、どこにいたっけ」
「経済、けど」
村西は腕時計にちらっと目をやった。
「もう昼だからな、今の時間なら食堂だろ」
「サンキュ」
うなずいて歩き始めた俺が、それでも危うく見えたのだろう、村西は追いかけるように後ろから叫んできた。
「たまには冷たくしとかねえと、振り回されるだけだぜ、女ってのは」
(そうだな、きっと、人間なら)
俺は手を振り返してうなずいて見せ、食堂へと急いだ。
「近江さあん、おはようございまあす」
「今、お暇ですかあ」
「いや、あの」
「お忙しいかもしれないんですけどお」
二人ぐらいが目を見合わせて、同時に封筒を差し出す。
「近江さん、お電話出て下さらないって聞いたんで、がんばって書いたんですう」
「手紙って書くの、大変なんですよう」
「いや、ごめん、受け取れなくて」
「ひどい、なんて思いません?」
くね、と相手は腰から砕けるように体を振った。両手を組み合わせ、眉を寄せて続ける。
「理由知る権利、あると思いますう」
「理由?」
「何で、秋野さんはよくて、あたし達はだめなんですかあ?」
俺はあっけに取られた。秋野さんのことを知っていても追い回しているなんて思わなかったのだ。
「秋野さんよりずうっと若いですし、近江さんに似合うと思うんですけどお」
「そんなんじゃない」
ようやく、そう反論できた。続けようとしたとたん、ことばが喉に詰まってしまう。
「そんなんじゃないんだ、とにかくごめん!」
「あ、ひどおい!」
「逃げるなんてひどいですう!」
必死に女の子達をかきわけて別の校舎に飛び込んだときは、心底疲れ切っていた。
そんなんじゃない。
耳の奥に、自分の声が鳴り響いている。
(秋野さんは『密約』の相手なんだ、ただ一人の)
応えかけて、ふいに聞こえたもう一つの声に、言うべきことばを失った。
(そんなんじゃない? 確かに俺にとってはそうだけど、秋野さんにとっては?)
結局は秋野さんにとって、俺は『そんな』ものに過ぎないかもしれないのに?
勢いをつけて駆け上がった階段の踊り場で立ち竦む。急速に脱力感が襲ってきた。重力に耐えて階段を上り切ることさえできないような気がして、向きを変えてそろそろと段を降り始める。そのとたん、
「近江!」
声をかけられ、不安定だった足元が支えを失った。転げ落ちそうになって、かろうじて階段の手すりにしがみつく。
「げ!」
真後ろでうろたえた声が上がって、力強い手が肩をつかむ。何とか落ちずに済んだものの、とても立っていられなくて、俺はへたへたと階段に座り込んだ。おい、何だよ、危ないだろ、とぼやきながら降りて行く学生に見下ろされながら、荒くなった呼吸を整えようとする。
「何だよ、いきなり落ちんなよ」
がらがら声をかけた村西は、あきれたように、へたり込んだ俺をのぞき込んだ。
「どうした、真っ青だぞ」
「そう、だろうな」
応えて笑うのが精一杯、くらっと頭の中心が揺れた気がして手すりをしっかり掴み直す。
最後のキスから十時間はとうに過ぎた。命を削り取るような残り時間が、実際どれぐらいあるのか、俺にもわからない。
「風邪か? それとも」
村西がにやりと笑った。
「女遊びのし過ぎか? 秋野と同居してんだってな」
からかい口調にも苦笑するしかなかった。
階段から落ちかけたのが引き金になったのか、足の感覚はみるみる鈍くなってきた。さっきまでは、多少ぶつけてもわからない、ぐらいだったのが、今はきちんと地面を踏んでいるのかどうかがあやふやになってきている。
それは、初めてのキス、『密約』をされたときの感覚にそっくりだった。秋野さんのお父さんが運転するタクシーの中で、あっさりと溶け崩れてしまった足。ごとん、という無機質的な音を思い出す。
とても嫌な感覚だ。視界が揺れて吐き気がする。パニックを起こしそうなのをかろうじて抑えている。
「何があったんだ? ひょっとして、秋野に振られた、とか……おいおいおいおい」
ずるずると、今度は階段を数段滑り落ちてしまった。村西は心底あきれ返ったといいたげな声を上げた。
「派手なリアクションする奴だなあ、そんなに秋野に惚れてんのか?」
とんとん、と段を降りてきて、身を屈めて俺の腕を掴み上げ、くすくす笑った。
「わかったよ、十分わかったからもう立てって。おまえが、こんなに冗談のわかる奴だとは思わなかった」
ふざけてなんかいなかった。体中からエネルギーが抜け落ちていく。『密約』者が側にいないということがこれほど恐怖に拍車をかけるとは思わなかった。ささいな気持ちの揺れが直接体に響いてしまうのがわかる。
秋野さんが俺を振った、ということばだけで、十分俺にはきつい一撃だったのだ。
「それじゃあ、秋野が夜中の三時に、男と一緒にいるのを許しちゃならねえな」
村西が笑いながら続けて、我に返る。
(秋野さんが、男と一緒にいたって?)
じゃあ、やっぱり、そうだったんだ、秋野さんはもう俺から離れる気なんだ。
つぶやく胸とは反対に、俺は思わず村西を見返して問い詰めていた。
「秋野さんを見たのか?」
「ああ、何だ、少し元気がでたな」
村西は、俺を引っ張り上げて立たせてくれた。
「誰と居たって?」
「南大路製紙って会社、知ってるだろ?」
「南大路?」
「あいかわらず、世情に疎い奴だな、頭のいい割りには。先月だか、環境破壊企業だって、マスコミのやり玉に上げられてたろ? ほら、よく妙な情報もって来る宮内が、たいした証拠がないから突っ込みようがねえってぼやいてたじゃないか」
宮内。その名前には覚えがあった。一度、秋野さんに分厚い封筒を送ってきたはずだ。
「で、その、南大路製紙の工場近くで、昨日だか一昨日だか、秋野が男と一緒に居たって聞いたぞ。宮内に聞けば、もう少しわかるかもな」
「そうか」
手掛かりが何もないまま焦っていたこの数時間に比べれば、あやふやな情報でもありがたかった。たとえ、その宮内とやらが、秋野さんの『恋人』だとわかるとしても。
「助かったよ、宮内って、どこにいたっけ」
「経済、けど」
村西は腕時計にちらっと目をやった。
「もう昼だからな、今の時間なら食堂だろ」
「サンキュ」
うなずいて歩き始めた俺が、それでも危うく見えたのだろう、村西は追いかけるように後ろから叫んできた。
「たまには冷たくしとかねえと、振り回されるだけだぜ、女ってのは」
(そうだな、きっと、人間なら)
俺は手を振り返してうなずいて見せ、食堂へと急いだ。
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