17 / 24
17
しおりを挟む
俺は溝の中を、南大路製紙に向かって再び移動し始めた。
やがて、単に水の情報からだけではなく、俺の体としても、問題の場所に近づいているという感じが強くなった。
何か、特殊な臭いのするもの、それまでの町中に流れていたものとは全く違うものが、この溝を流されたことがある。今は流れていないが、溝の壁についたわずかな水滴が、俺の体に情報を伝えてくれた。
南大路製紙は間違いなく不正な行為を繰り返している。
そして、秋野さんはその証拠をしっかりと握ってしまった。
南大路製紙が、彼女を無事に返すとはとても思えない。今度こそ、本当に秋野さんを失ってしまうかもしれない。
ひやっとした感覚が体の隅々にまで衝撃になって走った。
(そんなことには絶対させない)
できるかぎり速度をあげ、特殊な臭いのする液体の感覚を頼りに流れていく。
気がつくと、もう、すぐ近くに南大路製紙工場の排水口の一つがあった。
(つっ)
そのあたりはひどい状態だった。
これまでとは比較にならない、ちりちりと体を蝕み傷めつけてくるものが含まれた水が排水口の周囲と溝に向かって流れた水の跡に残っている。その場にじっと止まって、この先に秋野さんのいる場所があるのかどうか探っていると数秒おきに体の位置を変えなくてはならないほど、痛みを伴った感覚だった。
それでなくても、障害物が多く水の少ない溝を急いで移動してきたせいで、俺の体はずいぶんと減ってつながりを失い、おまけに脆く弱くなってしまっている。
かといって、この周囲の水を体に取り込めば、それこそ水に含まれた毒素に内側から侵され、じわじわ体の細胞一つ一つが壊されていくだろう。
時計は見られないけど、タイムリミットまでそう時間が残されていないはずだ。
覚悟を決めて伸び上がり、特殊な液体に濡れた壁面を這い上り、排水口から逆に工場内へ侵入していく。
とがった刺の上を移動するような痛みが全身に広がった。液体が流れた壁面に触れているだけで、これほど苦痛を感じるなら、夜中で例の液体が流されているときにここへ飛び込んでいたら、きっと無事にはすまなかったはずだ。
少し先の方で、水路は細いパイプと太くて大きな管に分かれていた。
周囲の情報からでは、どちらも南大路製紙工場に続いているはずだが、同じ場所につながっているかはわからない。少しでも秋野さんに近い場所の水路へ向かおうとして、俺は体を細く延ばし、まず細いパイプの方から探りにかかった。
(っ!)
次の瞬間、体が無理やり引きちぎられた気がして意識が弾け飛び、目の前が白銀から暗転した。体中の細胞が内側に引き縮まって身動きできなくなる。
(何、だ?)
よく焼けた鉄板にむりやり指先を押しつけられたような感じ、といった方がいいかもしれない。じゅう、という音さえ聞こえたような気がする。しかもそこから動けない。
そのまま数秒、感覚が戻って来ると、激痛も触手の端から走り上がってきて、無意識に体が震えた。
そろそろと、延ばした触手を引っ込めようとしたが、先端がこわばって曲がってもくれない。痛み以外の感覚は鈍く干からびていて、自分の体だという感じさえない。引きずるように手繰り寄せるのも一苦労だった。
細胞がかなり死んでしまったのだろう。体を擦りつけていった壁に、表皮がかさかさした青色の筋になって剥がれて張りついているのを、俺は凍りつくような思いで見つめた。
きっと、この細いパイプから特殊な廃液が流され、太い管からは普通の水が出されて、液の濃度を下げているのだ。そうして薄められた液体だけが排水口から出されて溝を伝い、川に流されていくから、目立った被害を起こさないというわけだろう。
けれども、その薄められているはずの排水でさえ、あらゆる命を奪うものだということは、ほかならぬ俺自身の体でわかる。濃度の高い廃液の方を探った体は完全に感覚を失っているし、じっとしていると、その侵されて死んでしまっているはずの触手の部分から、じわじわとどす黒い澱みのような汚染が広がってくるのが感じられる。
俺は急いで大きな管の方へ入り込んだ。
まさか、さすがに昼日中から危険な廃液を流すほど馬鹿じゃないとは思うが、万が一、それを全身に浴びるようなことになったら、確実に死ぬ。
管にはわずかに水が流れている。その水を伝ってとりあえず工場内へ入り込んでいく。
管は廃液を流しているパイプと平行して工場の奥へ奥へと走っていた。どうやら、表からは見えない、正規の建物とは別に建てられている独立した棟が一つあるようだ。そこでは、認可されていない特殊な溶剤か触媒を使っているようで、出入りしている人間の数も種類も限られている。
奥へ入るに従って、太い管は分岐し始めた。どの管からもいろいろな気配の水が少しずつ流れてきている。
俺は分岐のたびに止まって、水の流れに含まれている情報を読み取った。ほんのわずかなものでも見逃すまいと意識を散らせて触手を延ばすが、まだ秋野さんの居る場所の情報は入ってこない。
さっきの衝撃で体がまだ竦んでいたし、あまり遠くまで体を延ばすと、水に流され散ってしまう可能性もあった。
(本当に、この方法で秋野さんを見つけられるんだろうか)
秋野さんが追いかけてたのは、たぶん、この別棟からの廃液だろうから、それを頼りに行けばいいと思いながら焦りがつのってくる。
(もし、秋野さんに会えたとしても、人間形態に戻れるほど体が残ってるか?)
分岐を越えるたびに、俺の体は確実に減っていった。意識を広げきれない部分が管のあちこちにわずかずつだが削り落とされていきつつあるのだ。
ずき、ずき、とその度ごとに喪失を知らせる痛みの信号が駆け上がってくるのだが、その痛みにもだんだん慣れていきつつあって、それが一層体を失うのに拍車をかけていた。
スライムだからわからないけど、もし、人間形態なら、満身創痍というところだ。
(今の俺のままでも、秋野さんはキス、してくれるだろうけど)
スライムの俺は秋野さんを助けられるんだろうか。
あちこちの溝や管を通ってどろどろに汚れた俺を、秋野さんは本当に拒まないだろうか。
俺は想像上の頭を振った。
(そんなこと、今考えても仕方ない)
助けるって決めたんだ、と自分に言い聞かせて、気力を奮い起こす。
時間がない。
俺にとってはもちろんだけど、たぶん、ここまで巧みに執拗に世間から隠してやっていることだから、工場側は秋野さんも明日まで生かしておいてはくれないだろう。夜になれば、秋野さんも処理をされて、あの排水口から流されてしまうかもしれない。
考え込んでいた俺は、突然流れてきた水に驚いた。
かなりの水量がいきなり管の中にあふれ、とっさに周囲の壁に張りついて何とか流されることを避けたものの、引き寄せ損なった体の一部をちぎられてもっていかれ、意識も引き裂かれたようにくらくらした。
(廃液を薄める以外にも、この管を水が流れることがあるんだ)
無意識にその水の情報を探って、体が軽く跳ね上がった。
(秋野さん!)
秋野さんの気配がある。ひどく遠いけど、まぎれもなく秋野さんの柔らかなエネルギーの波が感じられる。
俺は、その管に体を滑り込ませた。
管はこれまでのよりも細くなっている。うねうねとしたその水路を追いかけていくと、ふいにシャンプーや石鹸のにおいが強く漂う場所に出た。周囲を探って、そこが従業員用の風呂場だと知る。奥にある施設で働いた後、ここで体を洗って表に出て行くことになっているのだろう。今使われたばかりらしく、水色と白のタイルは濡れて、生温かな水が広がっている。
(なるほど)
おそらく、こうした生活排水で有害な廃液を薄めて流しているのだ。いくら工場施設を隠しても、廃液を薄めるためには相当量の水を必要とするはず、それをどうしてごまかしているのだろうと思っていたが、このやり方ならば、分岐している管の先々にある施設の生活排水から集めた水を二次利用できる。
(ここからどうしよう)
不安になった瞬間、体に触れていた水が触媒のように働いて、『秋野さん』の存在をキーワードに、さっきまで入浴していた男の情報を教えてくれた。
その男こそ、秋野さんを掴まえて工場内へ連れ込んだ男の一人、作業服の男だった。
やがて、単に水の情報からだけではなく、俺の体としても、問題の場所に近づいているという感じが強くなった。
何か、特殊な臭いのするもの、それまでの町中に流れていたものとは全く違うものが、この溝を流されたことがある。今は流れていないが、溝の壁についたわずかな水滴が、俺の体に情報を伝えてくれた。
南大路製紙は間違いなく不正な行為を繰り返している。
そして、秋野さんはその証拠をしっかりと握ってしまった。
南大路製紙が、彼女を無事に返すとはとても思えない。今度こそ、本当に秋野さんを失ってしまうかもしれない。
ひやっとした感覚が体の隅々にまで衝撃になって走った。
(そんなことには絶対させない)
できるかぎり速度をあげ、特殊な臭いのする液体の感覚を頼りに流れていく。
気がつくと、もう、すぐ近くに南大路製紙工場の排水口の一つがあった。
(つっ)
そのあたりはひどい状態だった。
これまでとは比較にならない、ちりちりと体を蝕み傷めつけてくるものが含まれた水が排水口の周囲と溝に向かって流れた水の跡に残っている。その場にじっと止まって、この先に秋野さんのいる場所があるのかどうか探っていると数秒おきに体の位置を変えなくてはならないほど、痛みを伴った感覚だった。
それでなくても、障害物が多く水の少ない溝を急いで移動してきたせいで、俺の体はずいぶんと減ってつながりを失い、おまけに脆く弱くなってしまっている。
かといって、この周囲の水を体に取り込めば、それこそ水に含まれた毒素に内側から侵され、じわじわ体の細胞一つ一つが壊されていくだろう。
時計は見られないけど、タイムリミットまでそう時間が残されていないはずだ。
覚悟を決めて伸び上がり、特殊な液体に濡れた壁面を這い上り、排水口から逆に工場内へ侵入していく。
とがった刺の上を移動するような痛みが全身に広がった。液体が流れた壁面に触れているだけで、これほど苦痛を感じるなら、夜中で例の液体が流されているときにここへ飛び込んでいたら、きっと無事にはすまなかったはずだ。
少し先の方で、水路は細いパイプと太くて大きな管に分かれていた。
周囲の情報からでは、どちらも南大路製紙工場に続いているはずだが、同じ場所につながっているかはわからない。少しでも秋野さんに近い場所の水路へ向かおうとして、俺は体を細く延ばし、まず細いパイプの方から探りにかかった。
(っ!)
次の瞬間、体が無理やり引きちぎられた気がして意識が弾け飛び、目の前が白銀から暗転した。体中の細胞が内側に引き縮まって身動きできなくなる。
(何、だ?)
よく焼けた鉄板にむりやり指先を押しつけられたような感じ、といった方がいいかもしれない。じゅう、という音さえ聞こえたような気がする。しかもそこから動けない。
そのまま数秒、感覚が戻って来ると、激痛も触手の端から走り上がってきて、無意識に体が震えた。
そろそろと、延ばした触手を引っ込めようとしたが、先端がこわばって曲がってもくれない。痛み以外の感覚は鈍く干からびていて、自分の体だという感じさえない。引きずるように手繰り寄せるのも一苦労だった。
細胞がかなり死んでしまったのだろう。体を擦りつけていった壁に、表皮がかさかさした青色の筋になって剥がれて張りついているのを、俺は凍りつくような思いで見つめた。
きっと、この細いパイプから特殊な廃液が流され、太い管からは普通の水が出されて、液の濃度を下げているのだ。そうして薄められた液体だけが排水口から出されて溝を伝い、川に流されていくから、目立った被害を起こさないというわけだろう。
けれども、その薄められているはずの排水でさえ、あらゆる命を奪うものだということは、ほかならぬ俺自身の体でわかる。濃度の高い廃液の方を探った体は完全に感覚を失っているし、じっとしていると、その侵されて死んでしまっているはずの触手の部分から、じわじわとどす黒い澱みのような汚染が広がってくるのが感じられる。
俺は急いで大きな管の方へ入り込んだ。
まさか、さすがに昼日中から危険な廃液を流すほど馬鹿じゃないとは思うが、万が一、それを全身に浴びるようなことになったら、確実に死ぬ。
管にはわずかに水が流れている。その水を伝ってとりあえず工場内へ入り込んでいく。
管は廃液を流しているパイプと平行して工場の奥へ奥へと走っていた。どうやら、表からは見えない、正規の建物とは別に建てられている独立した棟が一つあるようだ。そこでは、認可されていない特殊な溶剤か触媒を使っているようで、出入りしている人間の数も種類も限られている。
奥へ入るに従って、太い管は分岐し始めた。どの管からもいろいろな気配の水が少しずつ流れてきている。
俺は分岐のたびに止まって、水の流れに含まれている情報を読み取った。ほんのわずかなものでも見逃すまいと意識を散らせて触手を延ばすが、まだ秋野さんの居る場所の情報は入ってこない。
さっきの衝撃で体がまだ竦んでいたし、あまり遠くまで体を延ばすと、水に流され散ってしまう可能性もあった。
(本当に、この方法で秋野さんを見つけられるんだろうか)
秋野さんが追いかけてたのは、たぶん、この別棟からの廃液だろうから、それを頼りに行けばいいと思いながら焦りがつのってくる。
(もし、秋野さんに会えたとしても、人間形態に戻れるほど体が残ってるか?)
分岐を越えるたびに、俺の体は確実に減っていった。意識を広げきれない部分が管のあちこちにわずかずつだが削り落とされていきつつあるのだ。
ずき、ずき、とその度ごとに喪失を知らせる痛みの信号が駆け上がってくるのだが、その痛みにもだんだん慣れていきつつあって、それが一層体を失うのに拍車をかけていた。
スライムだからわからないけど、もし、人間形態なら、満身創痍というところだ。
(今の俺のままでも、秋野さんはキス、してくれるだろうけど)
スライムの俺は秋野さんを助けられるんだろうか。
あちこちの溝や管を通ってどろどろに汚れた俺を、秋野さんは本当に拒まないだろうか。
俺は想像上の頭を振った。
(そんなこと、今考えても仕方ない)
助けるって決めたんだ、と自分に言い聞かせて、気力を奮い起こす。
時間がない。
俺にとってはもちろんだけど、たぶん、ここまで巧みに執拗に世間から隠してやっていることだから、工場側は秋野さんも明日まで生かしておいてはくれないだろう。夜になれば、秋野さんも処理をされて、あの排水口から流されてしまうかもしれない。
考え込んでいた俺は、突然流れてきた水に驚いた。
かなりの水量がいきなり管の中にあふれ、とっさに周囲の壁に張りついて何とか流されることを避けたものの、引き寄せ損なった体の一部をちぎられてもっていかれ、意識も引き裂かれたようにくらくらした。
(廃液を薄める以外にも、この管を水が流れることがあるんだ)
無意識にその水の情報を探って、体が軽く跳ね上がった。
(秋野さん!)
秋野さんの気配がある。ひどく遠いけど、まぎれもなく秋野さんの柔らかなエネルギーの波が感じられる。
俺は、その管に体を滑り込ませた。
管はこれまでのよりも細くなっている。うねうねとしたその水路を追いかけていくと、ふいにシャンプーや石鹸のにおいが強く漂う場所に出た。周囲を探って、そこが従業員用の風呂場だと知る。奥にある施設で働いた後、ここで体を洗って表に出て行くことになっているのだろう。今使われたばかりらしく、水色と白のタイルは濡れて、生温かな水が広がっている。
(なるほど)
おそらく、こうした生活排水で有害な廃液を薄めて流しているのだ。いくら工場施設を隠しても、廃液を薄めるためには相当量の水を必要とするはず、それをどうしてごまかしているのだろうと思っていたが、このやり方ならば、分岐している管の先々にある施設の生活排水から集めた水を二次利用できる。
(ここからどうしよう)
不安になった瞬間、体に触れていた水が触媒のように働いて、『秋野さん』の存在をキーワードに、さっきまで入浴していた男の情報を教えてくれた。
その男こそ、秋野さんを掴まえて工場内へ連れ込んだ男の一人、作業服の男だった。
0
あなたにおすすめの小説
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
愛人を選んだ夫を捨てたら、元婚約者の公爵に捕まりました
由香
恋愛
伯爵夫人リュシエンヌは、夫が公然と愛人を囲う結婚生活を送っていた。
尽くしても感謝されず、妻としての役割だけを求められる日々。
けれど彼女は、泣きわめくことも縋ることもなく、静かに離婚を選ぶ。
そうして“捨てられた妻”になったはずの彼女の前に現れたのは、かつて婚約していた元婚約者――冷静沈着で有能な公爵セドリックだった。
再会とともに始まるのは、彼女の価値を正しく理解し、決して手放さない男による溺愛の日々。
一方、彼女を失った元夫は、妻が担っていたすべてを失い、社会的にも転落していく。
“尽くすだけの妻”から、“選ばれ、守られる女性”へ。
静かに離婚しただけなのに、
なぜか元婚約者の公爵に捕まりました。
白苑後宮の薬膳女官
絹乃
キャラ文芸
白苑(はくえん)後宮には、先代の薬膳女官が侍女に毒を盛ったという疑惑が今も残っていた。先代は瑞雪(ルイシュエ)の叔母である。叔母の濡れ衣を晴らすため、瑞雪は偽名を使い新たな薬膳女官として働いていた。
ある日、幼帝は瑞雪に勅命を下した。「病弱な皇后候補の少女を薬膳で救え」と。瑞雪の相棒となるのは、幼帝の護衛である寡黙な武官、星宇(シンユィ)。だが、元気を取り戻しはじめた少女が毒に倒れる。再び薬膳女官への疑いが向けられる中、瑞雪は星宇の揺るぎない信頼を支えに、後宮に渦巻く陰謀へ踏み込んでいく。
薬膳と毒が導く真相、叔母にかけられた冤罪の影。
静かに心を近づける薬膳女官と武官が紡ぐ、後宮ミステリー。
後宮薬師は名を持たない
由香
キャラ文芸
後宮で怪異を診る薬師・玉玲は、母が禁薬により処刑された過去を持つ。
帝と皇子に迫る“鬼”の気配、母の遺した禁薬、鬼神の青年・玄曜との出会い。
救いと犠牲の狭間で、玉玲は母が選ばなかった選択を重ねていく。
後宮が燃え、名を失ってもなお――
彼女は薬師として、人として、生きる道を選ぶ。
後宮なりきり夫婦録
石田空
キャラ文芸
「月鈴、ちょっと嫁に来るか?」
「はあ……?」
雲仙国では、皇帝が三代続いて謎の昏睡状態に陥る事態が続いていた。
あまりにも不可解なために、新しい皇帝を立てる訳にもいかない国は、急遽皇帝の「影武者」として跡継ぎ騒動を防ぐために寺院に入れられていた皇子の空燕を呼び戻すことに決める。
空燕の国の声に応える条件は、同じく寺院で方士修行をしていた方士の月鈴を妃として後宮に入れること。
かくしてふたりは片や皇帝の影武者として、片や皇帝の偽りの愛妃として、後宮と言う名の魔窟に潜入捜査をすることとなった。
影武者夫婦は、後宮内で起こる事件の謎を解けるのか。そしてふたりの想いの行方はいったい。
サイトより転載になります。
炎華繚乱 ~偽妃は後宮に咲く~
悠井すみれ
キャラ文芸
昊耀国は、天より賜った《力》を持つ者たちが統べる国。後宮である天遊林では名家から選りすぐった姫たちが競い合い、皇子に選ばれるのを待っている。
強い《遠見》の力を持つ朱華は、とある家の姫の身代わりとして天遊林に入る。そしてめでたく第四皇子・炎俊の妃に選ばれるが、皇子は彼女が偽物だと見抜いていた。しかし炎俊は咎めることなく、自身の秘密を打ち明けてきた。「皇子」を名乗って帝位を狙う「彼」は、実は「女」なのだと。
お互いに秘密を握り合う仮初の「夫婦」は、次第に信頼を深めながら陰謀渦巻く後宮を生き抜いていく。
表紙は同人誌表紙メーカーで作成しました。
第6回キャラ文芸大賞応募作品です。
火輪の花嫁 ~男装姫は孤高の王の夢をみる~
秦朱音|はたあかね
キャラ文芸
王を中心に五家が支配する、綺羅ノ国。
五家に覡(かんなぎ)として仕える十六夜家の娘、久遠(くおん)は、幼い頃から男として育てられてきた。
都では陽を司る日紫喜家の王が崩御し、素行の悪さで有名な新王・燦(さん)が即位する。燦の后選びに戦々恐々とする五家だったが、燦は十六夜家の才である「夢見」を聞いて后を選ぶと言い始めた。そして、その夢見を行う覡に、燦は男装した久遠を指名する。
見習いの僕がこの国の后を選ぶなんて、荷が重すぎる――!
久遠の苦悩を知ってか知らずか、燦は強引に久遠を寝室に呼んで夢見を命じる。しかし、初めて出会ったはずの久遠と燦の夢には、とある共通点があって――?
謎に包まれた過去を持ち身分を隠す男装姫と、孤独な王の恋と因縁を描く、和風王宮ファンタジー。
※カクヨムにも先行で投稿しています
異国妃の宮廷漂流記
花雨宮琵
キャラ文芸
唯一の身内である祖母を失った公爵令嬢・ヘレナに持ち上がったのは、元敵国の皇太子・アルフォンスとの縁談。
夫となる人には、愛する女性と皇子がいるという。
いずれ離縁される“お飾りの皇太子妃”――そう冷笑されながら、ヘレナは宮廷という伏魔殿に足を踏み入れる。 冷徹と噂される皇太子とのすれ違い、宮中に渦巻く陰謀、そして胸の奥に残る初恋の記憶。
これは、居場所を持たないお転婆な花嫁が、自ら絆を紡ぎ、愛と仲間を得て”自分の居場所”を創りあげるまでの物語。ときに騒がしく、とびきり愛おしい――笑って泣ける、異国妃のサバイバル宮廷譚。最後はハッピーエンドです。
※本作は2年前にカクヨム、エブリスタに掲載していた物語『元敵国に嫁いだ皇太子妃は、初恋の彼に想いを馳せる』を大幅に改稿し、別作品として仕上げたものです。
© 花雨宮琵 2025 All Rights Reserved. 無断転載・無断翻訳を固く禁じます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる