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93.『未来を縛するなかれ』(1)
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青みがかった緑の巨大な瞳は、じっとカザルを見上げている。
ごくりと唾を呑んだカザルの足先から、冷たい汗が伝い落ちて滴った。
ぽとん。
瞳の中央、瞳孔の真上に落ちて広がり薄まっていく。
おいで。
もう一度呼ぶ声に震えた。
「どう…やって…?」
いつもの通りに。
「いつもの通り」
恐怖と寒さに萎えて項垂れたものにそっと触れる。
そうだよ、私を知ってるだろう?
「オウライカさんの半身に居た」
ああ。
「『塔京』の地下に居た」
そうとも。
「……俺をずっと見ていた…?」
全て。
ざわざわとした感触が脚の指先から包み込み、そのまま腰から上半身へと広がりかけ上がっていく。
「…っく」
触れそうで触れない柔らかな愛撫は胸も包み脇も撫で上げ首筋を舐めて顎へと辿り着く。
思わず舌を出した。
絡みつく温い風。
吐息を思わせて口を開けば、そのまま喉へと入り込まれる。
「…んぅ…」
口を犯されながら耳を触られ目元にキスされ頭の先まで包み込まれる。
「…」
力が抜けた。指先が解け脚が緩む。蔦から手足をもぎ離されて、一瞬にして瞳の中で落ち込んだ。
とぷり。
人肌の温みに全身包まれる。指先を含まれ、足の裏も舐められる。
「…ん…っん……っ……んっ」
口の中のものは緩やかに次第に深く入り込んできた。繰り返し前後する動きは柔らかく、目を開けても何も見えないのに、口を閉じられないほど大きくて強い。
あ。
掠れた意識が火花を放つ。
犯される。
「……っぁあ」
思わず大きく口を開いてカザルは声を上げる。四つん這いになった体の背後から、巨大な質量が押し開いてくる。
「…う…は……っ」
口の中のものがなくなった。膨らみが包まれ撫で摩られながら勃ち始めた先端へとしごかれる。だが期待して開いた後ろに少し入ったまま、周囲を何度もなぞられた。
「…あ……あ………あ…や……」
意識が霞み始めた。
「いや………いや……いや……だ…」
腰を押しても退かれる。いっそ抜いて改めて入ってきてほしいと思っても抜かせてくれない。嬲られる。指先が先端を触れる。くすぐる。滴り落ちる雫で濡らした指が胸を摘み、喘ぐ唇を触れ、突き出す舌に踊って、それでもそこから数ミリも進めてきてくれない。
「やめ……やめて……やめて……」
必死に体を動かすのに、愛撫は感覚の閾値ぎりぎりを掠め続ける。
「誰か……誰か……だれか……あう……あう………あ……ぅ……っ」
体が震える。がくがくと不格好に腰を突き出しながら、どうしても駆け上がれなくて、いっそ自分で慰めてと伸ばした指先をつぷりと含まれ身動き取れなくなる。
「や……や……ひ……切れる……いや……焼き……切れる……切れちゃう…」
体が崩れた。うつ伏せに落ちた、けれど通常の環境ならば相手が押しつぶされて動きが止まるはずの姿勢は意味がない。止まらない刺激に目を見開く。
「ひ…ぃ……あ……は……あ……あ……ああ……あは……」
意志がなくなっていく。思考が消えていく。
感覚が。
カザル自身が。
「あは…は………は……」
何を笑っているんだろう。
遠くそんなことを考えたのが最後の記憶だった。
ごくりと唾を呑んだカザルの足先から、冷たい汗が伝い落ちて滴った。
ぽとん。
瞳の中央、瞳孔の真上に落ちて広がり薄まっていく。
おいで。
もう一度呼ぶ声に震えた。
「どう…やって…?」
いつもの通りに。
「いつもの通り」
恐怖と寒さに萎えて項垂れたものにそっと触れる。
そうだよ、私を知ってるだろう?
「オウライカさんの半身に居た」
ああ。
「『塔京』の地下に居た」
そうとも。
「……俺をずっと見ていた…?」
全て。
ざわざわとした感触が脚の指先から包み込み、そのまま腰から上半身へと広がりかけ上がっていく。
「…っく」
触れそうで触れない柔らかな愛撫は胸も包み脇も撫で上げ首筋を舐めて顎へと辿り着く。
思わず舌を出した。
絡みつく温い風。
吐息を思わせて口を開けば、そのまま喉へと入り込まれる。
「…んぅ…」
口を犯されながら耳を触られ目元にキスされ頭の先まで包み込まれる。
「…」
力が抜けた。指先が解け脚が緩む。蔦から手足をもぎ離されて、一瞬にして瞳の中で落ち込んだ。
とぷり。
人肌の温みに全身包まれる。指先を含まれ、足の裏も舐められる。
「…ん…っん……っ……んっ」
口の中のものは緩やかに次第に深く入り込んできた。繰り返し前後する動きは柔らかく、目を開けても何も見えないのに、口を閉じられないほど大きくて強い。
あ。
掠れた意識が火花を放つ。
犯される。
「……っぁあ」
思わず大きく口を開いてカザルは声を上げる。四つん這いになった体の背後から、巨大な質量が押し開いてくる。
「…う…は……っ」
口の中のものがなくなった。膨らみが包まれ撫で摩られながら勃ち始めた先端へとしごかれる。だが期待して開いた後ろに少し入ったまま、周囲を何度もなぞられた。
「…あ……あ………あ…や……」
意識が霞み始めた。
「いや………いや……いや……だ…」
腰を押しても退かれる。いっそ抜いて改めて入ってきてほしいと思っても抜かせてくれない。嬲られる。指先が先端を触れる。くすぐる。滴り落ちる雫で濡らした指が胸を摘み、喘ぐ唇を触れ、突き出す舌に踊って、それでもそこから数ミリも進めてきてくれない。
「やめ……やめて……やめて……」
必死に体を動かすのに、愛撫は感覚の閾値ぎりぎりを掠め続ける。
「誰か……誰か……だれか……あう……あう………あ……ぅ……っ」
体が震える。がくがくと不格好に腰を突き出しながら、どうしても駆け上がれなくて、いっそ自分で慰めてと伸ばした指先をつぷりと含まれ身動き取れなくなる。
「や……や……ひ……切れる……いや……焼き……切れる……切れちゃう…」
体が崩れた。うつ伏せに落ちた、けれど通常の環境ならば相手が押しつぶされて動きが止まるはずの姿勢は意味がない。止まらない刺激に目を見開く。
「ひ…ぃ……あ……は……あ……あ……ああ……あは……」
意志がなくなっていく。思考が消えていく。
感覚が。
カザル自身が。
「あは…は………は……」
何を笑っているんだろう。
遠くそんなことを考えたのが最後の記憶だった。
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