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4.カザドへの挑発
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付いて行こう。
アシャはそう思い定めた。
(とにかく、付き人である以上、主に許可はもらわねばな)
皇宮が寝静まる前に。
足を速めてユーノの居室に向かう。
イシュタが来てから数日、碌にユーノと話せなかった。姿を見かけて話し掛けようとするたびにするりと躱されてしまうか、レアナやセアラ、時に不安がったミアナ皇妃などに遮られてしまう。
アシャはアシャなりに旅の装備をあれこれ考えているが、はたと気づけばそれこそユーノに同行する旨さえきちんと話していない。我ながら思わぬところで浮き足立っている。
呆れながら歩いていると、背後から軽い足音が追い掛けてきた。
「アシャ」
「……レアナ様」
夜闇に響いた声に緊張を緩めて振り返る。急いで追ってきたのか、栗色の髪を肩に乱したレアナはほっとした顔でいそいそと近寄ってきた。
「ユーノのところへ行くのでしょう?」
「同行の許可をまだ頂いておりませんので」
苦笑いしながら応じると、レアナは困ったように眉を潜めた。
「きっと本心ではないのです」
弁解するように煌めく瞳をアシャに向ける。
「1人で行きたいなんて。あなたが一緒に行って下さったら、きっと心強いはずですわ」
「さて、私がどれほどお役に立ちますか」
微笑んで応じながら、アシャは美しく澄んだ瞳を見つめ返した。
幸福な環境で育てられた生まれついての姫君。
人を信じて行動することに一瞬のためらいもなく、これほど優しく麗しい女性はそうそういるものではない。その声から姿から瞳から、無限の信頼が溢れ落ちてきて、自分が考えていた以上にたいした一廉の人物であるかのように思えてくる。
男なら誰でもきっと、当然のように、この女性のために我が身を捧げようと思うだろう。
「全力を尽くします、レアナ様の御恩に報いるためにも。しかし、ユーノ様は立派な剣の腕もお持ちだし、聡明でいらっしゃる。私の方が足手纏いになるやもしれません」
「では、どうか、これを」
レアナはじっとアシャのことばを聞いていたが、透き通るような華奢な白い腕を上げ、首にかけていたペンダントを外した。
「あなた方を守ってくれますように」
セレドの紋章を象った古めかしいが立派な造りの銀細工、一目見て由緒あるものと気づいた。訝しく眉をしかめると、ペンダントを包んだ手をこちらの胸に押し付けるようにしてレアナが囁いた。
「確かに大切なものです。けれども、ユーノなくしてセレドは国を保てない、何があっても戻って来なくてはならないのですよ、とユーノに伝えて欲しいのです………あなたからならきっと受け取ってくれるでしょう」
「しかし」
「ユーノは」
小さく寂しそうにレアナが微笑む。
「私からでは受け取ってくれません。それは姉さまのものだと拒みました」
ラズーン支配下(ロダ)には掟がある。
『国の相続は第1子をもって為す。第2子がある場合は、第2子は第1子の相続に異義を唱えることができる。その決定はラズーンの代行者である視察官(オペ)によって判定される』
大抵は国を継ぐ証となるものを第2子が持ち、それに由って第1子の世継ぎと対等とするもの、国が継承される時は、その証を第1子に渡して異論なきことを示すものだ。第1子であるのに証となるものを持たなければ、第2子に不満があるとして、後に継承権を巡る争いが起きると予測され、視察官(オペ)が配備される。
だが、ユーノはその証であるはずの紋章を受け取らなかったらしい。
それは、ことばと裏腹に、ユーノが二度と帰れないかもしれないという覚悟を決めていることを思わせる。
「もし万が一のことがあれば、セアラに託してほしいとまで言うのです……でも」
レアナは微かに涙ぐんだ。
「私にあの子の命はないものと思えなどとはあんまりです」
母よりもユーノの身を案じているらしいレアナの悲しみは、アシャの胸を強く打った。
「わかりました」
そっとレアナの手を包み込み、胸に抱く。涙に潤んだ瞳を上げるレアナに優しく囁き返す。
「私が必ずユーノ様をお守りし、無事にセレドまで戻って参ります。もし万が一ユーノ様が受け取って下さらなくても、私がこのペンダントにかけて必ず御無事を誓います」
「よろしく頼みます、アシャ」
「確かに」
頷くレアナの手を離し、深く頭を下げたそのとたん、抑えた調子だが鋭い口笛が響いた。
「レーノッ!」
ユーノの声が闇を駆ける。庭園の一画から飛び出した馬は小柄な人影を乗せ、アシャ達の前を過ぎ、あっという間に皇宮の外へ走り出していく。
「あれは……ユーノ……?」
不安げなレアナの横顔にした舌打ちした。
(今頃、またどこへ行く気だ)
「失礼いたしますっ!」
挨拶もそこそこにペンダントを首に掛け、アシャも慌ただしく馬を引き出し追い掛ける。
一体どこへ行く。
不審がりながら、アシャは郊外へひたすら駆けるユーノを追う。
やがて、前方の白い馬にひたひたと寄せてきた5.6騎に気がついた。どれも黒づくめで姿形を隠した装束、しかもそれぞれに剣を帯び、中には鞭を手にしているものもある。気配を尖らせ、ユーノを押し包むように迫っていく。
「ちいっ」
鞭をくれてアシャは速度を上げた。
(いつかの奴らか?)
ユーノは襲ってきた刺客を隣国カザディノ王の手の者だと言っていた。レアナを、やがてはセレドを手に入れようと狙っている、だが私が居る限り、そんなことは不可能だけどね、と冷ややかに笑った黒い瞳を思い出す。
なぜそれを明らかにしない、なぜ1人で戦って、誰の助けも拒んでいる。
尋ねたことばには口を噤んで、ついに応えなかったのだが。
1騎、ことさら素早くユーノに追いついたのは鞭を手にしていた男だった。ユーノを攻撃範囲に捉えたと見るや、手にしていた鞭を撓らせ、横に並びながら叩きつける。
パシイッ!
鋭い音をたてて鞭はユーノの左腕に絡んだ。そのまま男の馬に引き寄せられるのかと思いきや、ユーノは一瞬の早業、左手で手綱を握ったまま右手で剣を抜き放ち、ついで左腕を胸に引き寄せながらレノを相手の馬に寄せ、鞭を当てた男がうろたえたように姿勢を崩すのを見計らったように剣を一閃、鞭を断ち切る。
「うおっ」
男はそのままもんどりうって落馬した。
後から走っていた者が慌てて落ちた男を避け、ある者は馬を制御し損ね、ある者は自ら落馬し、どやどやとその場に足踏みならして溜まってしまうのを、少し先に立ったユーノがレノごとくるりと身を翻して立ち止まる。
「どうした? かかってこないのか?」
薄笑みを浮かべたまま、ユーノはひんやりとした嘲笑を響かせた。
「相変わらず間抜けなことだ。永久に私1人に手こずっている気か」
なにを、くそ、と忌々しげな舌打ちが響く。
どうやらこれは全くユーノの敵ではなさそうだと見て、アシャは馬を緩めて背後の闇に身を潜めた。ユーノがアシャに話そうとしないことが何か聞けるかもしれない。危なくなれば飛び出せばいい、そう考えて目を据える。
隠れていた月がそれでもまだ雲に覆われながら、ほのかに光を落としてきた。
白いレノの上で冷めた微笑を浮かべながら、左手の鞭の残骸を振り落とし、右手の剣をいかにも無防備に、そのくせどんな攻撃にもすぐに対応できるように垂らし、ユーノが嘲笑に唇を歪めて顎を上げる。
皇宮でさえ見せたことのない、傲慢な仕草だった。
「ラズーンの使者がセレドに来たぞ。私は紋章を持ってラズーンに出向く。カザドの非道も知れることになるだろう」
(何?)
ユーノがさりげなく自分の胸元に触れてみせ、アシャは顔をしかめた。
ユーノは紋章を受け取っていない。それを知らないカザド兵に、いかにも自分が身につけているように振舞うのはあまりにも露骨な誘いだ。ただでさえ危険の多い旅に、なお刺客を引き寄せてどうしようと言う気なのか。
「阻止したいなら追ってこい………私がいない間にセレドを狙ったのなら、ラズーン全土に散らばっているという視察官(オペ)を見つけて、カザドにラズーンへの反逆の意志ありと訴えてやる。紋章だってどこかの深い谷底に投げ捨ててやる。もちろん、紋章がなければ、いくら姉さまに無理に国を継がせようとしても無駄だよ……わかってるだろうけど」
男達が悔しそうに唸るのに、ユーノはくつくつと笑った。人の悪い、不愉快な笑みだった。
「追いかけっこを楽しもう……ラズーンに着くまでに私を殺して紋章を奪えば、全てはカザディノ陛下の望むままだろうな」
「なら、今ここで」
吐き捨てるように唸った男が剣を引き抜く。
「そうだ、今ここで」
「くっ」
ユーノは低く嗤った。
「やってみろ……セレドのユーノをたかが5、6人でやれると思うなよ」
(おいおい)
冗談じゃない、とさすがにアシャは身を起こした。
確かに今夜の連中はユーノの遊び相手にもならないだろうが、何も旅立つ前にそんな騒ぎを起こす必要はないだろう。
(一体何を考えてる)
「ただの鞭と思うてか」
「何」
「ふふふ」
男達が妙な笑いをするのに、アシャははっとした。先ほどの鞭の攻撃、どうにも半端だと思ったら、と相手の意図に気づく。
ぐいと馬を引いてけたたたましい声を上げさせ、大声で呼ばわった。
「ユーノ様! そこにおいでですか!」
「ち…っ」
「皆がお探ししておりまずぞ! どこにおられる!」
「まずい……引けっ」
男達が慌てたように急いで向きを変えた。ユーノを放ってさっさと闇の彼方に消えていく。
「……どういうつもりなのさ」
アシャが近づいていくと、ユーノは渋面でこちらを睨みつけた。
「どういうつもりも何も」
馬を寄せていきながら、しらっとした顔でアシャは応じた。
「実際に探していた、それだけだが」
「……余計なことして」
「余計なことをしたのはそっちだろう」
思わず溜め息をついた。
「ラズーンへの旅はそれほど気軽なものじゃない。刺客まで引き寄せて、どういうつもりだ」
「……それ……」
月光に光ったアシャの胸元のペンダントに気づいたのだろう、ユーノが驚いた顔で呟く。
「なんであなたが紋章を持って………姉さま……?」
「ラズーンへの旅に同行すると言ったら、渡された」
「え…っ」
はっとしたようにユーノが振り仰ぐ、その瞳に一瞬切ないほど強い願いが閃いたのを読み取り、アシャはことばを失った。
(俺を……望んで、いる?)
どきり、と胸が不規則に打つ。
「そ、そんなことっ」
すぐにユーノはきつい顔で目を逸らせた。馬の向きを変えて皇宮へ戻り出しながら、不愉快そうに唸る。
「そんなこと、勝手に決められちゃ困る。私は1人で旅をしたいんだ」
お前なんか要らない、そう言われた気がして、アシャは思わずむっとした。
「1人じゃ困る時もあるだろう」
「そんなものないっ」
「………いろいろあると思うぞ?」
(さっきの鞭がそう、なら)
人が悪いな、そう思いつつ、ユーノの様子を見守る。
「ないっ、たとえあったとしても、1人で大丈夫だ、ずっとひと…っ」
気丈に伸ばしていた背中がびくりと震えた。
「あ…ぅ…」
(効いてきたか)
「な…に……っ」
「ほら、な」
揺らめいて今にもレノから落ちそうになったユーノを、とっさに馬を寄せて支えた。かたかたと小刻みに体を震わせながら、ユーノが白い顔で見上げてくる。抱えた左腕がだらりと落ち、剣を片付けていたからよかったものの、体を抱き締めるように抱えた右手も、いや、今はもう全身震えている。
「鞭に刺がなかったか? たぶん痺れ薬が塗ってあったんだ」
苦笑しながら説明してやり、アシャはふと気づいた。
「あいつらは…………そうか、お前を拉致するつもりだったのか」
「くっ……」
悔しそうにユーノが唇を噛んだ。何度か話そうと試みて震える口に難渋し、ようやく掠れた声を絞り出す。
「わた…しを……使って……姉さまを……落とそう…って……こと…だろ……生きて……さえいれ……ば……いいから…っ」
「おいおい」
生きてさえいればとは穏やかじゃないぞ、そう突っ込もうとして、それが冗談や考え過ぎでないことに思い当たった。
(生きてさえいれば、だと?)
ユーノが意に添わないことを、素直に了承するわけはない、それこそ意志を失うほど痛めつけるか傷つけるかしない限り。
(この上、なおこいつを傷つける?)
今腕で支えている、震えるこの体を?
その思いが引き起こしたひやりとするような怒りに、アシャはぞっとした。
(俺はなぜ、こんなに怒ってる……?)
制御は充分できているはずなのに、なぜこんなことで乱されてしまう?
不安につい強く引き寄せたせいか、ユーノが呻いて顔を歪める。
「きつ…い」
「あ、ああ」
自分でも戸惑いながら、ことばを継ぐ。
「だが、それじゃレノでは帰れないだろう。こちらへ来い」
「いい……放って……おいて……くれれば……少しずつ……回復する……」
「馬鹿を言うな」
自分の声が尖ったのがわかった。
「どこの世界に動けなくなった主人を置いて戻る付き人がいる」
「あなたは……も……付き人…じゃない…」
掠れた声でユーノがつぶやいて胸が凍った。
「何を……言う」
反論する自分の声が弱々しくてまた驚く。何が起こっているのかわからないまま、ユーノを思いきり抱きしめたくなるのを、アシャは必死に自制する。
「……付き人は……もう……いらない……姉さまに……ついてて……」
「…レアナ様には許可を頂いた」
「私は……許可…してない…」
首を振って拒むユーノに苛立ちが募った。がたがた体を震わせながら強がるユーノを、ぐい、と力まかせに引き上げた。
「う、あっ」
思っていたよりうんと華奢で軽い体がやすやすと腕の中におさまる。しっかり抱き込み、手綱を握りしめて囲い込み、吐息する。
「……レアナ様に約束した、必ずお前を連れ帰ると」
こう言うしかないだろうと思って唸ると、びくりとユーノが震えた。
「姉……さまに……」
「だから、俺はお前に同行するし、お前と一緒に旅をする。そして、旅が済めば、お前を無事にセレドに連れ帰る」
「姉さまの……ために……」
「そうだ、レアナ様のために」
「………そ、う……か」
くす、と奇妙な笑い声が響いて、アシャは腕の中を覗き込んだ。
「何だ?」
「……いや……わかった……同行を……許可する…」
これで何とか一緒に居られる。
安堵したアシャの耳に違和感のある微かな笑い声が続く。
「ユーノ……?」
痺れ薬だけではなくて、別の薬も入っていたのか、と訝っていると、ふわりとこちらを見上げた黒い瞳が月光を跳ねた。
(深い泉)
胸を抉られたような衝撃に思わず見愡れた。細められた瞳が潤んでいる。それでも顔は白いまま微笑み、やがてゆっくりユーノは目を閉じた。
「……あ…しゃ」
「うん?」
柔らかな幼い声で呼ばれて胸が詰まる。唇が欲しいとふいに思う。
「………わがまま……を言っても……いいか」
「…何だ」
「……少し……眠りたい……皇宮についたら……起こして……くれ」
「……ああ」
ユーノがそっと胸に顔を寄せてくる。吐息が当たるのに、心臓が不安定に波打っていくのがわかる。鼓動で起こしてしまわないか、そんなことを心配して息を詰める。
(俺は一体……何を)
見下ろすと、そのまま一気に抱き締めてしまいそうになる。やがてユーノがくぅ、と静かな寝息を紡ぎ出してから、アシャはようやく相手を覗き込んだ。
さっきまでの緊張がかけらもない寝顔にほっとする。
(俺の腕の中で、眠ってる)
あれほど周囲にぴりぴりしていたユーノが。安らいで、全てを委ねて、何も拒まずに。
(よかった)
吐息をついた後は止まらなかった。アシャは強くユーノを抱き締め目を伏せた。
アシャはそう思い定めた。
(とにかく、付き人である以上、主に許可はもらわねばな)
皇宮が寝静まる前に。
足を速めてユーノの居室に向かう。
イシュタが来てから数日、碌にユーノと話せなかった。姿を見かけて話し掛けようとするたびにするりと躱されてしまうか、レアナやセアラ、時に不安がったミアナ皇妃などに遮られてしまう。
アシャはアシャなりに旅の装備をあれこれ考えているが、はたと気づけばそれこそユーノに同行する旨さえきちんと話していない。我ながら思わぬところで浮き足立っている。
呆れながら歩いていると、背後から軽い足音が追い掛けてきた。
「アシャ」
「……レアナ様」
夜闇に響いた声に緊張を緩めて振り返る。急いで追ってきたのか、栗色の髪を肩に乱したレアナはほっとした顔でいそいそと近寄ってきた。
「ユーノのところへ行くのでしょう?」
「同行の許可をまだ頂いておりませんので」
苦笑いしながら応じると、レアナは困ったように眉を潜めた。
「きっと本心ではないのです」
弁解するように煌めく瞳をアシャに向ける。
「1人で行きたいなんて。あなたが一緒に行って下さったら、きっと心強いはずですわ」
「さて、私がどれほどお役に立ちますか」
微笑んで応じながら、アシャは美しく澄んだ瞳を見つめ返した。
幸福な環境で育てられた生まれついての姫君。
人を信じて行動することに一瞬のためらいもなく、これほど優しく麗しい女性はそうそういるものではない。その声から姿から瞳から、無限の信頼が溢れ落ちてきて、自分が考えていた以上にたいした一廉の人物であるかのように思えてくる。
男なら誰でもきっと、当然のように、この女性のために我が身を捧げようと思うだろう。
「全力を尽くします、レアナ様の御恩に報いるためにも。しかし、ユーノ様は立派な剣の腕もお持ちだし、聡明でいらっしゃる。私の方が足手纏いになるやもしれません」
「では、どうか、これを」
レアナはじっとアシャのことばを聞いていたが、透き通るような華奢な白い腕を上げ、首にかけていたペンダントを外した。
「あなた方を守ってくれますように」
セレドの紋章を象った古めかしいが立派な造りの銀細工、一目見て由緒あるものと気づいた。訝しく眉をしかめると、ペンダントを包んだ手をこちらの胸に押し付けるようにしてレアナが囁いた。
「確かに大切なものです。けれども、ユーノなくしてセレドは国を保てない、何があっても戻って来なくてはならないのですよ、とユーノに伝えて欲しいのです………あなたからならきっと受け取ってくれるでしょう」
「しかし」
「ユーノは」
小さく寂しそうにレアナが微笑む。
「私からでは受け取ってくれません。それは姉さまのものだと拒みました」
ラズーン支配下(ロダ)には掟がある。
『国の相続は第1子をもって為す。第2子がある場合は、第2子は第1子の相続に異義を唱えることができる。その決定はラズーンの代行者である視察官(オペ)によって判定される』
大抵は国を継ぐ証となるものを第2子が持ち、それに由って第1子の世継ぎと対等とするもの、国が継承される時は、その証を第1子に渡して異論なきことを示すものだ。第1子であるのに証となるものを持たなければ、第2子に不満があるとして、後に継承権を巡る争いが起きると予測され、視察官(オペ)が配備される。
だが、ユーノはその証であるはずの紋章を受け取らなかったらしい。
それは、ことばと裏腹に、ユーノが二度と帰れないかもしれないという覚悟を決めていることを思わせる。
「もし万が一のことがあれば、セアラに託してほしいとまで言うのです……でも」
レアナは微かに涙ぐんだ。
「私にあの子の命はないものと思えなどとはあんまりです」
母よりもユーノの身を案じているらしいレアナの悲しみは、アシャの胸を強く打った。
「わかりました」
そっとレアナの手を包み込み、胸に抱く。涙に潤んだ瞳を上げるレアナに優しく囁き返す。
「私が必ずユーノ様をお守りし、無事にセレドまで戻って参ります。もし万が一ユーノ様が受け取って下さらなくても、私がこのペンダントにかけて必ず御無事を誓います」
「よろしく頼みます、アシャ」
「確かに」
頷くレアナの手を離し、深く頭を下げたそのとたん、抑えた調子だが鋭い口笛が響いた。
「レーノッ!」
ユーノの声が闇を駆ける。庭園の一画から飛び出した馬は小柄な人影を乗せ、アシャ達の前を過ぎ、あっという間に皇宮の外へ走り出していく。
「あれは……ユーノ……?」
不安げなレアナの横顔にした舌打ちした。
(今頃、またどこへ行く気だ)
「失礼いたしますっ!」
挨拶もそこそこにペンダントを首に掛け、アシャも慌ただしく馬を引き出し追い掛ける。
一体どこへ行く。
不審がりながら、アシャは郊外へひたすら駆けるユーノを追う。
やがて、前方の白い馬にひたひたと寄せてきた5.6騎に気がついた。どれも黒づくめで姿形を隠した装束、しかもそれぞれに剣を帯び、中には鞭を手にしているものもある。気配を尖らせ、ユーノを押し包むように迫っていく。
「ちいっ」
鞭をくれてアシャは速度を上げた。
(いつかの奴らか?)
ユーノは襲ってきた刺客を隣国カザディノ王の手の者だと言っていた。レアナを、やがてはセレドを手に入れようと狙っている、だが私が居る限り、そんなことは不可能だけどね、と冷ややかに笑った黒い瞳を思い出す。
なぜそれを明らかにしない、なぜ1人で戦って、誰の助けも拒んでいる。
尋ねたことばには口を噤んで、ついに応えなかったのだが。
1騎、ことさら素早くユーノに追いついたのは鞭を手にしていた男だった。ユーノを攻撃範囲に捉えたと見るや、手にしていた鞭を撓らせ、横に並びながら叩きつける。
パシイッ!
鋭い音をたてて鞭はユーノの左腕に絡んだ。そのまま男の馬に引き寄せられるのかと思いきや、ユーノは一瞬の早業、左手で手綱を握ったまま右手で剣を抜き放ち、ついで左腕を胸に引き寄せながらレノを相手の馬に寄せ、鞭を当てた男がうろたえたように姿勢を崩すのを見計らったように剣を一閃、鞭を断ち切る。
「うおっ」
男はそのままもんどりうって落馬した。
後から走っていた者が慌てて落ちた男を避け、ある者は馬を制御し損ね、ある者は自ら落馬し、どやどやとその場に足踏みならして溜まってしまうのを、少し先に立ったユーノがレノごとくるりと身を翻して立ち止まる。
「どうした? かかってこないのか?」
薄笑みを浮かべたまま、ユーノはひんやりとした嘲笑を響かせた。
「相変わらず間抜けなことだ。永久に私1人に手こずっている気か」
なにを、くそ、と忌々しげな舌打ちが響く。
どうやらこれは全くユーノの敵ではなさそうだと見て、アシャは馬を緩めて背後の闇に身を潜めた。ユーノがアシャに話そうとしないことが何か聞けるかもしれない。危なくなれば飛び出せばいい、そう考えて目を据える。
隠れていた月がそれでもまだ雲に覆われながら、ほのかに光を落としてきた。
白いレノの上で冷めた微笑を浮かべながら、左手の鞭の残骸を振り落とし、右手の剣をいかにも無防備に、そのくせどんな攻撃にもすぐに対応できるように垂らし、ユーノが嘲笑に唇を歪めて顎を上げる。
皇宮でさえ見せたことのない、傲慢な仕草だった。
「ラズーンの使者がセレドに来たぞ。私は紋章を持ってラズーンに出向く。カザドの非道も知れることになるだろう」
(何?)
ユーノがさりげなく自分の胸元に触れてみせ、アシャは顔をしかめた。
ユーノは紋章を受け取っていない。それを知らないカザド兵に、いかにも自分が身につけているように振舞うのはあまりにも露骨な誘いだ。ただでさえ危険の多い旅に、なお刺客を引き寄せてどうしようと言う気なのか。
「阻止したいなら追ってこい………私がいない間にセレドを狙ったのなら、ラズーン全土に散らばっているという視察官(オペ)を見つけて、カザドにラズーンへの反逆の意志ありと訴えてやる。紋章だってどこかの深い谷底に投げ捨ててやる。もちろん、紋章がなければ、いくら姉さまに無理に国を継がせようとしても無駄だよ……わかってるだろうけど」
男達が悔しそうに唸るのに、ユーノはくつくつと笑った。人の悪い、不愉快な笑みだった。
「追いかけっこを楽しもう……ラズーンに着くまでに私を殺して紋章を奪えば、全てはカザディノ陛下の望むままだろうな」
「なら、今ここで」
吐き捨てるように唸った男が剣を引き抜く。
「そうだ、今ここで」
「くっ」
ユーノは低く嗤った。
「やってみろ……セレドのユーノをたかが5、6人でやれると思うなよ」
(おいおい)
冗談じゃない、とさすがにアシャは身を起こした。
確かに今夜の連中はユーノの遊び相手にもならないだろうが、何も旅立つ前にそんな騒ぎを起こす必要はないだろう。
(一体何を考えてる)
「ただの鞭と思うてか」
「何」
「ふふふ」
男達が妙な笑いをするのに、アシャははっとした。先ほどの鞭の攻撃、どうにも半端だと思ったら、と相手の意図に気づく。
ぐいと馬を引いてけたたたましい声を上げさせ、大声で呼ばわった。
「ユーノ様! そこにおいでですか!」
「ち…っ」
「皆がお探ししておりまずぞ! どこにおられる!」
「まずい……引けっ」
男達が慌てたように急いで向きを変えた。ユーノを放ってさっさと闇の彼方に消えていく。
「……どういうつもりなのさ」
アシャが近づいていくと、ユーノは渋面でこちらを睨みつけた。
「どういうつもりも何も」
馬を寄せていきながら、しらっとした顔でアシャは応じた。
「実際に探していた、それだけだが」
「……余計なことして」
「余計なことをしたのはそっちだろう」
思わず溜め息をついた。
「ラズーンへの旅はそれほど気軽なものじゃない。刺客まで引き寄せて、どういうつもりだ」
「……それ……」
月光に光ったアシャの胸元のペンダントに気づいたのだろう、ユーノが驚いた顔で呟く。
「なんであなたが紋章を持って………姉さま……?」
「ラズーンへの旅に同行すると言ったら、渡された」
「え…っ」
はっとしたようにユーノが振り仰ぐ、その瞳に一瞬切ないほど強い願いが閃いたのを読み取り、アシャはことばを失った。
(俺を……望んで、いる?)
どきり、と胸が不規則に打つ。
「そ、そんなことっ」
すぐにユーノはきつい顔で目を逸らせた。馬の向きを変えて皇宮へ戻り出しながら、不愉快そうに唸る。
「そんなこと、勝手に決められちゃ困る。私は1人で旅をしたいんだ」
お前なんか要らない、そう言われた気がして、アシャは思わずむっとした。
「1人じゃ困る時もあるだろう」
「そんなものないっ」
「………いろいろあると思うぞ?」
(さっきの鞭がそう、なら)
人が悪いな、そう思いつつ、ユーノの様子を見守る。
「ないっ、たとえあったとしても、1人で大丈夫だ、ずっとひと…っ」
気丈に伸ばしていた背中がびくりと震えた。
「あ…ぅ…」
(効いてきたか)
「な…に……っ」
「ほら、な」
揺らめいて今にもレノから落ちそうになったユーノを、とっさに馬を寄せて支えた。かたかたと小刻みに体を震わせながら、ユーノが白い顔で見上げてくる。抱えた左腕がだらりと落ち、剣を片付けていたからよかったものの、体を抱き締めるように抱えた右手も、いや、今はもう全身震えている。
「鞭に刺がなかったか? たぶん痺れ薬が塗ってあったんだ」
苦笑しながら説明してやり、アシャはふと気づいた。
「あいつらは…………そうか、お前を拉致するつもりだったのか」
「くっ……」
悔しそうにユーノが唇を噛んだ。何度か話そうと試みて震える口に難渋し、ようやく掠れた声を絞り出す。
「わた…しを……使って……姉さまを……落とそう…って……こと…だろ……生きて……さえいれ……ば……いいから…っ」
「おいおい」
生きてさえいればとは穏やかじゃないぞ、そう突っ込もうとして、それが冗談や考え過ぎでないことに思い当たった。
(生きてさえいれば、だと?)
ユーノが意に添わないことを、素直に了承するわけはない、それこそ意志を失うほど痛めつけるか傷つけるかしない限り。
(この上、なおこいつを傷つける?)
今腕で支えている、震えるこの体を?
その思いが引き起こしたひやりとするような怒りに、アシャはぞっとした。
(俺はなぜ、こんなに怒ってる……?)
制御は充分できているはずなのに、なぜこんなことで乱されてしまう?
不安につい強く引き寄せたせいか、ユーノが呻いて顔を歪める。
「きつ…い」
「あ、ああ」
自分でも戸惑いながら、ことばを継ぐ。
「だが、それじゃレノでは帰れないだろう。こちらへ来い」
「いい……放って……おいて……くれれば……少しずつ……回復する……」
「馬鹿を言うな」
自分の声が尖ったのがわかった。
「どこの世界に動けなくなった主人を置いて戻る付き人がいる」
「あなたは……も……付き人…じゃない…」
掠れた声でユーノがつぶやいて胸が凍った。
「何を……言う」
反論する自分の声が弱々しくてまた驚く。何が起こっているのかわからないまま、ユーノを思いきり抱きしめたくなるのを、アシャは必死に自制する。
「……付き人は……もう……いらない……姉さまに……ついてて……」
「…レアナ様には許可を頂いた」
「私は……許可…してない…」
首を振って拒むユーノに苛立ちが募った。がたがた体を震わせながら強がるユーノを、ぐい、と力まかせに引き上げた。
「う、あっ」
思っていたよりうんと華奢で軽い体がやすやすと腕の中におさまる。しっかり抱き込み、手綱を握りしめて囲い込み、吐息する。
「……レアナ様に約束した、必ずお前を連れ帰ると」
こう言うしかないだろうと思って唸ると、びくりとユーノが震えた。
「姉……さまに……」
「だから、俺はお前に同行するし、お前と一緒に旅をする。そして、旅が済めば、お前を無事にセレドに連れ帰る」
「姉さまの……ために……」
「そうだ、レアナ様のために」
「………そ、う……か」
くす、と奇妙な笑い声が響いて、アシャは腕の中を覗き込んだ。
「何だ?」
「……いや……わかった……同行を……許可する…」
これで何とか一緒に居られる。
安堵したアシャの耳に違和感のある微かな笑い声が続く。
「ユーノ……?」
痺れ薬だけではなくて、別の薬も入っていたのか、と訝っていると、ふわりとこちらを見上げた黒い瞳が月光を跳ねた。
(深い泉)
胸を抉られたような衝撃に思わず見愡れた。細められた瞳が潤んでいる。それでも顔は白いまま微笑み、やがてゆっくりユーノは目を閉じた。
「……あ…しゃ」
「うん?」
柔らかな幼い声で呼ばれて胸が詰まる。唇が欲しいとふいに思う。
「………わがまま……を言っても……いいか」
「…何だ」
「……少し……眠りたい……皇宮についたら……起こして……くれ」
「……ああ」
ユーノがそっと胸に顔を寄せてくる。吐息が当たるのに、心臓が不安定に波打っていくのがわかる。鼓動で起こしてしまわないか、そんなことを心配して息を詰める。
(俺は一体……何を)
見下ろすと、そのまま一気に抱き締めてしまいそうになる。やがてユーノがくぅ、と静かな寝息を紡ぎ出してから、アシャはようやく相手を覗き込んだ。
さっきまでの緊張がかけらもない寝顔にほっとする。
(俺の腕の中で、眠ってる)
あれほど周囲にぴりぴりしていたユーノが。安らいで、全てを委ねて、何も拒まずに。
(よかった)
吐息をついた後は止まらなかった。アシャは強くユーノを抱き締め目を伏せた。
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