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17話 検証
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今僕は、お父さん、シリルさんと一緒に王宮の地下にあるただただ広い訓練場にいる。
僕がバグ認定される基準を見極めるためだ。
この世界にない魔法を使った場合、
・使用しただけでバグ認定されるのか
・使用した規模によって異なるのか
・魔物が襲ってくる範囲
などを調査することになった。
魔物はシリルさんが用意してくれた。
特に害のないスライムだ。スライムなら例え攻撃されても大したことはない。
確認する手順は以下の通り。
1、スライムを比較的近くに置き、小さい花火を上げる。
ここでスライムが襲ってくれば魔法の規模は関係なく魔法を使ったことでバグ認定されたことになる。
2、スライムを離れたところに置き、小さい花火を上げる。
僕を起点にスライムまでの距離を動かすことで襲ってくる範囲を探る。
ざっとこんな感じ。
僕は所定の位置に立ち、合図を待つまでの間、スライムをツンツンして遊んでいる。
スライムはぶるんぶるんと動き、思ったより癖になる。ずっと触っていられそうだ。
いや、このまま触っていたら愛着がわいてしまう。
「じゃ始めようか。」
お父さんからの合図だ。僕は宿でやった小さい花火を上げる。
すると、さっきまですんっとしていたスライムがこちらの方に向かってきて、僕の足にまとわりつくように密着してくる。
これは襲われてるっていう判定でいいんだよね?
スライムは徐々に上の方に登ってきている。僕を窒息させようとしているのかな?
「倒していいよ。」
お父さんも事象を確認し、メモをとっている。
倒す方法は、水色のスライムの真ん中にある紺色の核を何らかの方法で壊せばいい。
僕は風魔法でスライムを身体から離し、そのまま核に圧力をかけ壊した。
するとスライムは水のようにピシャッとなった。
「じゃ次いこうか。」
今度は僕から遠いところにシリルさんがスライムを置きにいく。
距離としてはざっと30mくらいはありそうだ。
シリルさんが手をあげてこちらに合図を送っている。
お父さんの方をみると、うなずいたので僕はまた花火を上げる。
僕が魔法を使ったことを確認すると、お父さんは手をあげシリルさんに合図を送る。
スライムがどうなっているのかはよくわからない。
「変化ありません!」
シリルさんが頭の上で腕をクロスさせバツマークをつくり、スライムの様子を答える。シリルさんが大きな声出してるの初めて聞いたかも。
すると、シリルさんはスライムを僕の方に近づけ、また手をあげ合図する。
僕はまた魔法で花火を上げる。
これを繰り返し、スライムが襲ってくる距離を計る。
結論としては僕を起点に半径15mくらいで襲ってくることがわかった。
そして僕を襲おうとしているスライムから、15m以上の距離を取っても襲う姿勢は変わらなかった。
つまり、襲おうとしている魔物を倒すか、僕が倒れるかまで戦いは終わらないということだ。
また、魔法の規模で距離が変化するか調べる為に、スライムを16mほど離した状態で少し大きめの花火を打ち上げたが変化はなかったので、魔法の規模で距離が変わることもなさそうという結論に至った。
「なんとなく解ってきたね。」
「そうですね。強いて言えば、後は魔物によって変化する可能性をみておいた方がいいということくらいでしょうか。」
確かにシリルさんの言う通りで、今はスライムだけど他の魔物になると、襲ってくる距離が変わるってことも考えられる。
「そうだね。せっかくだし確かめておいた方がいいね。すぐ使えそうな魔物はいるかな?」
「少し探してきます。」
そう言うとシリルさんは部屋から出ていった。
「お父さん。スライム触っててもいい?」
「うん。良いよ。」
僕は検証で使わなかったスライムの方に駆け寄りツンツンしたり、抱きしめてみたりと、スライムと戯れる。
それにしても、枕にして寝たいくらい気持ちいいな。
はぁー癒やされる……。
「――お父さん。ありがとね。」
僕はスライムを実際に枕にして、仰向けに寝転んだ状態でお父さんに話しかける。
地下という日の光も音も入ってこないしんっとした空間がそうさせているのか、なぜか今言っておいた方がいい気がした。
「ん?急にどうした?」
「いや、何て言うか僕はさ、お父さんの息子だけど、お父さんの息子じゃない記憶もある訳で、その僕とは他人なのに、何一つ変えず接してくれて……すごく嬉しかった。あと、今まで記憶のこと黙っててごめんなさい。」
お父さんは少し不意打ちを受けた顔をしてすぐに微笑むと、僕の横に座り頭を撫でる。
「フランツはフランツだよ。お父さんが知らない人の記憶があろうが無かろうが、全部ひっくるめて今のフランツがいるんだよ。」
「お父さん……。」
「フランツも辛かったよな。自分だけ秘密を抱えて。ずいぶん葛藤したんじゃないか?」
「そんなっ。……うん。僕本当のことを話すとき、不安だったんだ。本当のこと話したら家族じゃいられなくなるんじゃないかって。今の幸せな関係が壊れてしまうんじゃないかって。でも、お父さんがお父さんで本当によかった。」
「お父さんもフランツがフランツで良かったよ。お父さんのもとに産まれてきてくれてありがとう。」
その後しばらくして、シリルさんがシルバーウルフを連れてきた。
シルバーウルフでもスライムと同じように検証をした結果、魔物によって差がないことが解った。
よって検証結果としては、この世界にない魔法を使うとバグ認定され、バグ認定された場合、術者を起点に半径15m以内にいる魔物が襲ってくる。
またバグ認定され、襲われている最中に魔物から15m以上離れても継続して襲ってくるということが判明した。
僕がバグ認定される基準を見極めるためだ。
この世界にない魔法を使った場合、
・使用しただけでバグ認定されるのか
・使用した規模によって異なるのか
・魔物が襲ってくる範囲
などを調査することになった。
魔物はシリルさんが用意してくれた。
特に害のないスライムだ。スライムなら例え攻撃されても大したことはない。
確認する手順は以下の通り。
1、スライムを比較的近くに置き、小さい花火を上げる。
ここでスライムが襲ってくれば魔法の規模は関係なく魔法を使ったことでバグ認定されたことになる。
2、スライムを離れたところに置き、小さい花火を上げる。
僕を起点にスライムまでの距離を動かすことで襲ってくる範囲を探る。
ざっとこんな感じ。
僕は所定の位置に立ち、合図を待つまでの間、スライムをツンツンして遊んでいる。
スライムはぶるんぶるんと動き、思ったより癖になる。ずっと触っていられそうだ。
いや、このまま触っていたら愛着がわいてしまう。
「じゃ始めようか。」
お父さんからの合図だ。僕は宿でやった小さい花火を上げる。
すると、さっきまですんっとしていたスライムがこちらの方に向かってきて、僕の足にまとわりつくように密着してくる。
これは襲われてるっていう判定でいいんだよね?
スライムは徐々に上の方に登ってきている。僕を窒息させようとしているのかな?
「倒していいよ。」
お父さんも事象を確認し、メモをとっている。
倒す方法は、水色のスライムの真ん中にある紺色の核を何らかの方法で壊せばいい。
僕は風魔法でスライムを身体から離し、そのまま核に圧力をかけ壊した。
するとスライムは水のようにピシャッとなった。
「じゃ次いこうか。」
今度は僕から遠いところにシリルさんがスライムを置きにいく。
距離としてはざっと30mくらいはありそうだ。
シリルさんが手をあげてこちらに合図を送っている。
お父さんの方をみると、うなずいたので僕はまた花火を上げる。
僕が魔法を使ったことを確認すると、お父さんは手をあげシリルさんに合図を送る。
スライムがどうなっているのかはよくわからない。
「変化ありません!」
シリルさんが頭の上で腕をクロスさせバツマークをつくり、スライムの様子を答える。シリルさんが大きな声出してるの初めて聞いたかも。
すると、シリルさんはスライムを僕の方に近づけ、また手をあげ合図する。
僕はまた魔法で花火を上げる。
これを繰り返し、スライムが襲ってくる距離を計る。
結論としては僕を起点に半径15mくらいで襲ってくることがわかった。
そして僕を襲おうとしているスライムから、15m以上の距離を取っても襲う姿勢は変わらなかった。
つまり、襲おうとしている魔物を倒すか、僕が倒れるかまで戦いは終わらないということだ。
また、魔法の規模で距離が変化するか調べる為に、スライムを16mほど離した状態で少し大きめの花火を打ち上げたが変化はなかったので、魔法の規模で距離が変わることもなさそうという結論に至った。
「なんとなく解ってきたね。」
「そうですね。強いて言えば、後は魔物によって変化する可能性をみておいた方がいいということくらいでしょうか。」
確かにシリルさんの言う通りで、今はスライムだけど他の魔物になると、襲ってくる距離が変わるってことも考えられる。
「そうだね。せっかくだし確かめておいた方がいいね。すぐ使えそうな魔物はいるかな?」
「少し探してきます。」
そう言うとシリルさんは部屋から出ていった。
「お父さん。スライム触っててもいい?」
「うん。良いよ。」
僕は検証で使わなかったスライムの方に駆け寄りツンツンしたり、抱きしめてみたりと、スライムと戯れる。
それにしても、枕にして寝たいくらい気持ちいいな。
はぁー癒やされる……。
「――お父さん。ありがとね。」
僕はスライムを実際に枕にして、仰向けに寝転んだ状態でお父さんに話しかける。
地下という日の光も音も入ってこないしんっとした空間がそうさせているのか、なぜか今言っておいた方がいい気がした。
「ん?急にどうした?」
「いや、何て言うか僕はさ、お父さんの息子だけど、お父さんの息子じゃない記憶もある訳で、その僕とは他人なのに、何一つ変えず接してくれて……すごく嬉しかった。あと、今まで記憶のこと黙っててごめんなさい。」
お父さんは少し不意打ちを受けた顔をしてすぐに微笑むと、僕の横に座り頭を撫でる。
「フランツはフランツだよ。お父さんが知らない人の記憶があろうが無かろうが、全部ひっくるめて今のフランツがいるんだよ。」
「お父さん……。」
「フランツも辛かったよな。自分だけ秘密を抱えて。ずいぶん葛藤したんじゃないか?」
「そんなっ。……うん。僕本当のことを話すとき、不安だったんだ。本当のこと話したら家族じゃいられなくなるんじゃないかって。今の幸せな関係が壊れてしまうんじゃないかって。でも、お父さんがお父さんで本当によかった。」
「お父さんもフランツがフランツで良かったよ。お父さんのもとに産まれてきてくれてありがとう。」
その後しばらくして、シリルさんがシルバーウルフを連れてきた。
シルバーウルフでもスライムと同じように検証をした結果、魔物によって差がないことが解った。
よって検証結果としては、この世界にない魔法を使うとバグ認定され、バグ認定された場合、術者を起点に半径15m以内にいる魔物が襲ってくる。
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