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片付け・2
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「そうやって休んだら、ゆっくり休めません! ちゃんとベッドで寝てください!」
手に持っていた空の酒瓶を、今にも振り回しそうな勢いで、アリーシャは訴えてくる。
「私は部屋を片付けていますから、その間、仮眠室でお休み下さい!」
「だが……」
「触ったらいけない物や、見たらいけない物には触れません。
ずっと寝てばかりで、身体が鈍っているんです。軽い運動も兼ねて、片付けをさせて下さい!」
いつもなら、どうしても片付けたいというアリーシャを止めていただろう。
だが、一刻も早く休みたいオルキデアは、大きく息をついただけだった。
「わかった。それなら、机の上以外を頼めるか。監視も兼ねて部下を二人つけるから、必要な物があれば、そいつらに頼んでくれ」
「ありがとうございます!」
「くれぐれも、無理はするな。怪我が悪化したら元も子もないからな」
オルキデアは部下を呼んでアリーシャを頼むと、早々に仮眠室に入った。
倒れるようにベッドに入ると、すぐに眠りについたのだった。
新兵の頃は平気だった徹夜で、何故、ここまで疲れているのか。
アリーシャか、アリーシャを害した兵か、歳が原因なのか。
それはオルキデア自身にも分からなかった。
前線で戦っていた時は、数日眠らなくても平気だったのだが……。
目を覚ましたオルキデアは、天井を見上げて溜め息をついた。
時計を確認すると、まだ三時間程しか経っていなかった。
道理で、疲れが全く取れていない訳だ。
(これも、歳が原因なのか……)
身支度を整えて、仮眠室から執務室に通じる扉を開けると、目の前には見知らぬ部屋が広がっていたのだった。
「あっ! おはようございます。ゆっくり休めましたか?」
見知らぬ部屋ーー正しくは、アリーシャによって、片付けられた執務室は、本来の綺麗に整った執務室へと戻っていたのだった。
「ああ……。そうだな……」
言いつけ通り、机の上はそのままだったが、出したままになっていた本は、本来の場所に戻り、空になった酒瓶は部屋の隅にまとめられていた。その隣には、紐で束ねられた書類もあった。
何より一番変わったのは、床が見えているところだった。ーー足の踏み場が無かった三時間前とは、打って変わって。
「どうですか? 書類の仕分けや本の場所は、ラナンキュラス様の部下さんたちに教えて頂きました!」
見張りの部下たちに視線を向けると、二人は困ったように頭を掻いていた。
きっと、アリーシャに頼まれて、断れなかったのだろう。
「そうだな……」
「勿論、言いつけを守って机周りには手を出していませんし、怪我が悪化しないように、適度に休憩は取っています!」
胸を張るアリーシャが可笑しくて、ついオルキデアは吹き出してしまう。
「そのようだな。まさか、本当に言いつけを守るとは思わなかったが……」
肩を震わせるオルキデアの姿に、部下二人は驚愕していた。
仕事に関わらず、こんなに笑うことは今までなかった。
特に部下の前で笑ったことなど、ほとんど無かったような気がした。
「もう、笑わないで下さい! こっちは真面目にやったんです!」
頬を膨らませて、口を尖らせるアリーシャが可愛らしく思えた。
やはり、アリーシャは興味深い。
敵国の要人であることを除いても、アリーシャという一人の女性が。
手に持っていた空の酒瓶を、今にも振り回しそうな勢いで、アリーシャは訴えてくる。
「私は部屋を片付けていますから、その間、仮眠室でお休み下さい!」
「だが……」
「触ったらいけない物や、見たらいけない物には触れません。
ずっと寝てばかりで、身体が鈍っているんです。軽い運動も兼ねて、片付けをさせて下さい!」
いつもなら、どうしても片付けたいというアリーシャを止めていただろう。
だが、一刻も早く休みたいオルキデアは、大きく息をついただけだった。
「わかった。それなら、机の上以外を頼めるか。監視も兼ねて部下を二人つけるから、必要な物があれば、そいつらに頼んでくれ」
「ありがとうございます!」
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オルキデアは部下を呼んでアリーシャを頼むと、早々に仮眠室に入った。
倒れるようにベッドに入ると、すぐに眠りについたのだった。
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それはオルキデア自身にも分からなかった。
前線で戦っていた時は、数日眠らなくても平気だったのだが……。
目を覚ましたオルキデアは、天井を見上げて溜め息をついた。
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道理で、疲れが全く取れていない訳だ。
(これも、歳が原因なのか……)
身支度を整えて、仮眠室から執務室に通じる扉を開けると、目の前には見知らぬ部屋が広がっていたのだった。
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見知らぬ部屋ーー正しくは、アリーシャによって、片付けられた執務室は、本来の綺麗に整った執務室へと戻っていたのだった。
「ああ……。そうだな……」
言いつけ通り、机の上はそのままだったが、出したままになっていた本は、本来の場所に戻り、空になった酒瓶は部屋の隅にまとめられていた。その隣には、紐で束ねられた書類もあった。
何より一番変わったのは、床が見えているところだった。ーー足の踏み場が無かった三時間前とは、打って変わって。
「どうですか? 書類の仕分けや本の場所は、ラナンキュラス様の部下さんたちに教えて頂きました!」
見張りの部下たちに視線を向けると、二人は困ったように頭を掻いていた。
きっと、アリーシャに頼まれて、断れなかったのだろう。
「そうだな……」
「勿論、言いつけを守って机周りには手を出していませんし、怪我が悪化しないように、適度に休憩は取っています!」
胸を張るアリーシャが可笑しくて、ついオルキデアは吹き出してしまう。
「そのようだな。まさか、本当に言いつけを守るとは思わなかったが……」
肩を震わせるオルキデアの姿に、部下二人は驚愕していた。
仕事に関わらず、こんなに笑うことは今までなかった。
特に部下の前で笑ったことなど、ほとんど無かったような気がした。
「もう、笑わないで下さい! こっちは真面目にやったんです!」
頬を膨らませて、口を尖らせるアリーシャが可愛らしく思えた。
やはり、アリーシャは興味深い。
敵国の要人であることを除いても、アリーシャという一人の女性が。
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