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第一部
加工屋【6】
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扉を開けるなり、店内にいた男性が怒声を浴びてきた。
「戻ってきやがったか!? 誰がジジイだ!! ガキ共!!」
モニカが首を竦めると、マキウスが庇うように前に出てくれた。
「お取り込みのところ失礼。依頼していた魔法石を受け取りにきました」
マキウスに続いてモニカも店内に入ると、そこには大柄な中年の男性がカウンター内側に立っていた。
その男性を見たモニカは、言葉を失ったのだった。
「なんだ。客か。これは失礼」
人間の男性は、バツが悪い様に刈り上げた黒色の短髪を掻いたのだった。
この世界に来て、自分とニコラ以外の人間ーーユマン族に会ったのは始めてであった。
モニカと共にガランツスから来た花嫁はいるはずだが、これまで屋敷から出なかったこともあり、
自分とニコラ以外のユマン族には会ったことは無かった。
ここに来るまでに通った広場や市場に居たのもカーネ族であり、実は自分とニコラ以外のユマン族は存在しないのではないかと疑ったくらいであった。
そんな浅黒い肌と鍛え上げられた身体が印象的な黒色の無精髭の生えた人間の男性も、何故かモニカが驚いているのと同じくらい、マキウスを見ると黒い目を丸く見開いていたのだった。
「あんた、誰かと思えば、先日の騎士サマじゃねぇか?」
「その節は、騎士団にご協力頂きありがとうございました」
マキウスは胸に片手を当てると、小さく一礼した。
「それで、今日はブーゲンビリア侯爵家が預けていた魔法石を引き取りに来ました」
「ああ! あれね。代理の者が取りに行くと連絡が来た時は、てっきり下働きの者が取りに来るかと思っていたんだが……。待ってな。持ってくっから」
そうして、男性は「まさか騎士サマがな……」と、ブツブツ呟きながら、カウンターの奥に引っ込んだのだった。
「マキウス様。今の方とお知り合いなんですか?」
モニカが小声で訊ねると、マキウスも小声で返してきた。
「先日、馬車の事故が遭った際に、事故を目撃されたこの方に事情を聞きに来たのです」
モニカがこの世界に来たばかりの頃、数台の馬車同士の追突による大きな事故が遭った。
その事故が起こったのが、この近くであり、たまたまその近くを通り掛かって、事故を目撃した男がいた。それが先程の男性らしい。
ヴィオーラがこの男性の事情聴取を担当し、副官のマキウスも事情聴取に同行したのだった。
「姉上は、この店の店主であり、加工職人でもある、先程の男を知っているようでした」
男性と顔を合わせた際に、何故かヴィオーラは驚いていたらしい。
マキウスは男性と面識が無かったので、恐らくブーゲンビリア侯爵家かヴィオーラの母親絡みだろうと思ったとのことだった。
「姉上によると、値段は高額ですが、店主の腕は確かだそうです。信頼も置けるとか。
それで、魔法石の加工を、この店に依頼したとのことでした」
魔法石の加工を扱う者には、ある程度の魔法に対する耐性や知識を持っている必要があった。
その為、扱える職人が限られているということで、加工代は魔法石を購入する金額より高いらしい。
「魔法石の加工って高額だったんですね、それなのにお姉様は全額出してくださって……」
自宅に戻ったら、ヴィオーラに御礼の手紙を書こうとモニカが考えていると、店の奥から先程の店主の男性が戻ってきたのだった。
「戻ってきやがったか!? 誰がジジイだ!! ガキ共!!」
モニカが首を竦めると、マキウスが庇うように前に出てくれた。
「お取り込みのところ失礼。依頼していた魔法石を受け取りにきました」
マキウスに続いてモニカも店内に入ると、そこには大柄な中年の男性がカウンター内側に立っていた。
その男性を見たモニカは、言葉を失ったのだった。
「なんだ。客か。これは失礼」
人間の男性は、バツが悪い様に刈り上げた黒色の短髪を掻いたのだった。
この世界に来て、自分とニコラ以外の人間ーーユマン族に会ったのは始めてであった。
モニカと共にガランツスから来た花嫁はいるはずだが、これまで屋敷から出なかったこともあり、
自分とニコラ以外のユマン族には会ったことは無かった。
ここに来るまでに通った広場や市場に居たのもカーネ族であり、実は自分とニコラ以外のユマン族は存在しないのではないかと疑ったくらいであった。
そんな浅黒い肌と鍛え上げられた身体が印象的な黒色の無精髭の生えた人間の男性も、何故かモニカが驚いているのと同じくらい、マキウスを見ると黒い目を丸く見開いていたのだった。
「あんた、誰かと思えば、先日の騎士サマじゃねぇか?」
「その節は、騎士団にご協力頂きありがとうございました」
マキウスは胸に片手を当てると、小さく一礼した。
「それで、今日はブーゲンビリア侯爵家が預けていた魔法石を引き取りに来ました」
「ああ! あれね。代理の者が取りに行くと連絡が来た時は、てっきり下働きの者が取りに来るかと思っていたんだが……。待ってな。持ってくっから」
そうして、男性は「まさか騎士サマがな……」と、ブツブツ呟きながら、カウンターの奥に引っ込んだのだった。
「マキウス様。今の方とお知り合いなんですか?」
モニカが小声で訊ねると、マキウスも小声で返してきた。
「先日、馬車の事故が遭った際に、事故を目撃されたこの方に事情を聞きに来たのです」
モニカがこの世界に来たばかりの頃、数台の馬車同士の追突による大きな事故が遭った。
その事故が起こったのが、この近くであり、たまたまその近くを通り掛かって、事故を目撃した男がいた。それが先程の男性らしい。
ヴィオーラがこの男性の事情聴取を担当し、副官のマキウスも事情聴取に同行したのだった。
「姉上は、この店の店主であり、加工職人でもある、先程の男を知っているようでした」
男性と顔を合わせた際に、何故かヴィオーラは驚いていたらしい。
マキウスは男性と面識が無かったので、恐らくブーゲンビリア侯爵家かヴィオーラの母親絡みだろうと思ったとのことだった。
「姉上によると、値段は高額ですが、店主の腕は確かだそうです。信頼も置けるとか。
それで、魔法石の加工を、この店に依頼したとのことでした」
魔法石の加工を扱う者には、ある程度の魔法に対する耐性や知識を持っている必要があった。
その為、扱える職人が限られているということで、加工代は魔法石を購入する金額より高いらしい。
「魔法石の加工って高額だったんですね、それなのにお姉様は全額出してくださって……」
自宅に戻ったら、ヴィオーラに御礼の手紙を書こうとモニカが考えていると、店の奥から先程の店主の男性が戻ってきたのだった。
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