ひこうき雲

みどり

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平次の親分②

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ある日の夕方

平次の妻トミはいつものように夕飯の支度をしていた。

居間で子どもたちのケンカが始まった。


ケンカはよくあることで

台所から居間はよく見えた。


揉み合いになった男児たちを

ゆいが止めに入ったその時だった。

「オマエ邪魔なんだよ。」

と誰かがゆいを突き飛ばした。


ゆいは勢いでテレビ台の角に頭をぶつけた。


それを見たトミは瞬間移動かと思う程の速さで居間に来ると

ゆいを起こしてケガがないかを確認し

男児たちに控えめに言うとビンタした。

(何があったかはご想像にお任せします。)


この時、その場にいた全員が察知したのである。

この家で1番怖いのは祖母であると。


「女の子に手をあげるなんて私は許さないからね。

 アンタたち今日は晩ご飯抜きだよ。反省しな!」


「ボクがやったんじゃないよ。」

 ユウキの弟マサキが言った。


「いいかい。もう1回言うよ。女の子には暴力をふるってはいけない。

 それから、アンタたちも今日でケンカは終わりにするんだ。いいね?」


「はい!」

杏・拓兄弟、ユウキ・マサキ兄弟、

杏の友達で近所に住むソウタとトモヤは元気よく返事した。


「じゃあ、宿題の続きをするんだ。」


トミはゆいを食卓に連れて行くと、椅子に座らせた。

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