ひこうき雲

みどり

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円天①

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6月のある日


平次の家の居間に平次の子どもたちが集まっていた。


平次は仕事でいなかった。


食卓には、平次の妻・トミ、

トミの長男・カイとその妻・カエデ

トミの次男、カイの双子の弟・レンとその妻・あい


カイとカエデの子どもで

平次の孫・杏(きょう)と拓兄弟、杏の幼なじみで親友のユウキも

居間のテレビの前でゲームをしていた。

ユウキは平次一家にとっては家族も同然の存在であった。


杏の妻・みちよも食卓に同席していた。


食卓ではそれぞれが持ち寄ったお菓子などが並べられ

各々お茶やジュースを飲んでいた。


話題はレンとあいのひとり娘

ゆいが学生時代から付き合っていた

ミチヒロと結婚を目前に別れた、

ことだった。


ゆいは大学卒業後中国で働いていたが

5年くらい経ち、仕事も一区切りついたので

帰国する予定だと年始に話していた。


家族はそのタイミングで結婚すると思っていた。


平次の会社で働いているみちよは

保育士の資格を持つゆいに手伝ってもらうことで

従業員の託児所の充実をはかりたいと思っていた。

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