ひこうき雲

みどり

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もう一度大好きのハグをして①ゆいとユウキ/ユウキ目線の回です

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ユウキは小学生になると同じクラスの杏(きょう)と仲良くなった。

家は少し離れていたが、いつも一緒だった。


ユウキは母子家庭で、母は仕事で留守にすることが多かった。

弟のマサキと留守番をすることが多かった。


杏の祖父・平次は運送会社を経営していた。

会社のスタッフが平次の家で食事をしていることもあった。


そのうち

ユウキとマサキも平次の家で杏と一緒に食事をするようになった。

「みんなで食べた方が美味しいでしょ。」

平次の妻・トミはいつも子どもたちにお腹いっぱい食べさせてくれた。


平次の家には夏休みなどまとまった休みがある時に

孫娘がよく遊びに来た。

ゆいという名の孫娘を平次はとても可愛がっていた。


ユウキが小学校1年生の時初めてゆいと会った。


4つ下のゆいは少々ヤンチャだが笑顔のかわいい女の子だった。

ユウキ兄ちゃんと上手く言えなくて、ユウちゃんと呼んでいた。



ゆいが家に帰る時、ゆいの母・あいが

「ゆい、帰るからみんなにご挨拶して。」と言うと


ゆいはユウキに

「ユウちゃん大好き。ぎゅー。」

と大好きのハグをした。


ユウキは大好きのハグをされたのがとても嬉しかった。


その後も

平次の家でふたりは家族のように仲が良かった。


ある日

ユウキはゆいに言った。


「大きくなったらボクたちは結婚しよう。」


「結婚?パパとママみたいなラブラブな?」


「そうだよ。」


「うん。わかった。ゆいは大きくなったらユウちゃんと結婚する!」


「でも、このことはふたりだけの秘密だよ。」


「うん。」



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