ひこうき雲

みどり

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もう一度大好きのハグをして②お父さん助けて

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ゆいは中学3年生の時交通事故に遭う。


救急車で運ばれたと平次の家にも連絡が入った。


平次は仕事の都合で行けなかったので

杏の母・カエデの運転する車で杏と拓兄弟が病院に向かうことになった。

ユウキも同乗した。


病院に到着するとゆいの母・あいと祖母たちがいた。


ゆいは右肘を骨折しただけで奇跡的に助かった。


命に別状はないと言われ家族はホッとし

カエデと杏と拓はひとまず帰宅したが

ユウキは帰らなかった。


病院に運ばれて来た時意識があったゆいは


病室に移ってからずっと眠っていた。


ユウキは時間の許す限り側についていた。


「お父さん、どうか、ゆいを助けて欲しい。

 ゆいがそっちに行っていたら、こっちに帰して欲しい。

 お願いだ。ふたりとも逝ってしまうなんて嫌だ!」


ユウキは祈った。



ユウキの父親はユウキが小さい頃

通勤途中に交通事故に巻き込まれて亡くなっていた。

朝「行ってきます。」と家を出て行ったきり

いつもの日常に戻ることはなかった。


ユウキには少し父との思い出があるものの

弟のマサキには父の面影は無いかも知れない。



ユウキがゆいの側で小さい頃よく歌っていた歌を歌っていると

数日後、ゆいは目を覚ました。

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