わんだーらんど

別れは突然に

   ｢とっちゃん、おはよう｣
 「おはようございます」
と俺達は挨拶をする。どうや死ぬまでと正確はさほど変わらないようだ…と言うか今更だが、俺って死んだのか？死んでいなかったとしてもこの場所は一体………。
「おはようさん。」
ログさんが笑いながらいう。今日のご飯は、スクランブルエッグのウインナーぞえにサラダという至ってシンプルな料理だ。
｢｢いただきます｣!!｣
「おぅ！たんと食え！」
レインは、バクッバクッと食う。でそのうち喉に詰まらせて、ログさんがそれを見てゲラゲラと笑う。俺はそれを見ながら、あっという間に完食する。俺の朝は、宿屋を営むログさんの美味しいご飯から始まる。レインがいつもこうやって詰まらせるので俺はいつも背中をとんとんと叩く。でいつも
 「ゴフッ……ありがとう。ドロップ俺もうダメかと思った。」
という。こいつは何回死ぬんだと思いながら。またこいつが喉に詰まらせてもらっても困るので、俺はレインのご飯を手に持ち、
 「あーん」
と言って口にスクランブルエッグを突っ込む。サラダも同じように口に突っ込む。でウインナーは
 「あーん」
 「あーん」
 「とやると見せかけて」
俺が食う。
 「あー！俺のウインナー！」
と言って悔やむ姿を見ながらニヤニヤと食う。うん。美味だ。
 「うぅ俺のういんなぁ」
 「ガハハハハ！レインお前も学べよ。毎日毎日同じようにやるんじゃなくてな！それにお前ら明日から聖わんだーらんど学園に通うっうのに」
聖わんだーらんど学園………変な名前だな。この世界わんだーらんどの最新の技術が揃う学園らしいのだが、と言うかそもそもわんだーらんどという名前はどうなのだろうか…。とまぁそんなことは置いといて、そう明日から遂にドロップがずっと待ち望んでいた。聖わんだーらんど学園へと通うことができるようだ。ドロップが
 「もう、明日に迫ってるんだ。当然用意は出来てるんだろうな？」
 …あぁ終わってるのか。凄いな。まぁ当然といや当然か。ふとレインの方に目をやると目がすごくキョドって冷や汗たらたらでとっ当然だよなといいながら震えている…終わってないんだな。仕方ない手伝ってやるか。俺は小声でレインに｢手伝ってやるよ｣と言って部屋へ戻ろうとした時。
 「ちょっと待て、ドロップ。えっとな。あぁこれこれ、これ持ってけ」
とログが袋を俺とレインに一つずつ投げ渡す。俺は手で受け取ったがレインは顔面にぶつかった。その時レインがブフッと言ったので笑った。中身は金貨だった。十枚は超えていると考えられる。それは、レインも同じらしくうわぁすげぇと呟いている。
 「1袋15枚の金貨が入ってる。お前らのために今まで貯めてきたんだ。これは貸しだ。立派な冒険者になって、この金貨15枚を倍にして返してくれや」
と言って後ろを振り向くログ。俺達は、バット頭を下げ
 ｢｢ありがとうございます。このお金は倍にして返します！｣｣
と泣きながらログへと返事をした。俺は何故か涙が溢れてきた。きっと、ドロップにとってとても嬉しいことなんだなと思った。俺達は何も言わず、部屋へと走っていった。ずっとずっとログさんは後ろを向いたままだった。