君に捧ぐ

wawawad

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 君に手紙を送ろうと思ったのは、遅延によるラッシュから開放された帰り道のことだ。一息ついたとき、ふと昔のことが浮かんだ。

 あの時、この手紙があれば君は何思っただろうか。嘘にしてはスケールが小さいし、真実にしては後味が悪過ぎる、そんな手紙を君は読んでくれるだろうか。

 過去を変えるとかそういう話がしたいのではなく、ただ、知っておいてほしかった後悔の念から、気がつけば念を文字に変換してしまっている。

 帰宅途中の電車から送る手紙だ。思うままに綴った文章にまで気を使うほど体力は余っていないんだ。だからほんの気が向いたときでいい、たくさん手紙を送るからどの手紙でもいい、それが何歳の君だっていい。

 ただ、ただ、読んでくれたときに何か思うことがあったら嬉しい。返事なんかくれた日には平日でもビールを開けて喜ぶんだろうな。
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