7 / 12
第1章-第7社 異変(熾蓮side)
しおりを挟む
祟魔との戦闘が始まってから数分が経過した。
(祓っても祓っても全然減らへん……!)
熾蓮が依然数を減らしているものの、祟魔はとめどなく湧いてきており、正直言ってキリがない。
秋葉の貼った結界にもヒビが入り始め、彼女がすぐに強化して対処するも、攻撃が止む気配はなさそうだ。
「はぁっ!」
熾蓮が苦無を振りかざして攻撃するが、祟魔は手に持っていたナイフでいなして回避。熾蓮の攻撃をすり抜けた祟魔は、狙いを定めて、秋葉に向かってナイフを投げた。
投げられたナイフは熾蓮が苦無で弾き落とす間もなく、まっすぐ結界へ飛んでいき、ヒビが入った箇所にヒット。
「!?」
ギリギリ維持できていた結界が破られ、秋葉の目が見開かれる。周囲にいた祟魔は機会を逃さんとばかりに、一斉に彼女へ襲い掛かろうと走り出す。
「秋葉っ!」
熾蓮が咄嗟に駆け出すも、この距離では到底間に合わない。
(クソッ……!)
秋葉の元へたどり着いた祟魔たちは彼女目掛けて跳躍。爪が振り下ろされる。
が、次の瞬間、秋葉の周りに無数の桜の花弁が発生。それは渦となって秋葉を覆うと同時に、周りにいた祟魔を蹴散らし、消滅にまで追い込んだ。
と、その直後、秋葉を覆っていた桜の花弁が晴れる。
「……」
そこには、赤メッシュの入った茶髪を後頭部で一纏めにし、紅い着物に紺色の袴、草履を身に纏った秋葉が立っていた。
秋葉は腰に差された刀へ手を掛けると、抜刀と同時に祟魔へ接近。瞬く間に周りの祟魔に無数の斬撃を放ち、撃退した。
「う、嘘やろ……」
熾蓮は唖然とした表情で、秋葉を凝視する。彼女は残りの祟魔を反撃する隙も与えないまま手に持った刀で祓っていく。
(あの剣さばき……あれは秋葉とちゃう。誰やあいつ)
熾蓮は秋葉に注意を向けながら、こちらに向かってくる祟魔へ炎を纏わせた苦無を投げて始末する。と、周囲にいた祟魔が全滅。
秋葉の成りをした少女は刀身についた血を払うと、納刀して熾蓮の方を見てきた。
その目は冷めたような、こちらを見透かすようなもので、やはりいつもの秋葉とは違う。
熾蓮は意を決したように拳を握りしめ、口を開く。
と、その直後、少女が再度抜刀してこちらに向かって走り出してきた。その行動に思わず、「えっ」と声が漏れる。
少女は熾蓮の目の前まで来たかと思うと、その場で跳躍して、熾蓮の肩の上に乗る。
「いっ!?」
突然きた衝撃に熾蓮は顔を歪ませ、体勢を崩す。
刹那、少女は熾蓮の肩を蹴り、宙に飛んだ。そのまま刀を振り降ろした直後、何かと衝突する音が聞こえ、咄嗟に振り向く。
すると、大柄の人型祟魔が手の甲で少女の刀を受け止めているのが視界に入った。
「なっ!?」
(全く気付かへんかった……)
いつの間に出現していたのだろう。そいつを目にした熾蓮は呆気に取られる。
一方、大柄な祟魔と交戦していた少女は刀を弾かれると、後退。熾蓮の隣に降り立った。
大柄な人型の祟魔は、先ほどまで戦っていた祟魔よりも断然強いオーラを纏っている。
ただでさえ先の戦闘でだいぶ消耗しているというのに、あれを自分たち2人で対処できるのか。そう思ってしまうが、やるしかない。
熾蓮は床を蹴って、大柄な祟魔に向けて苦無を放った。すると、祟魔の目の前で爆発。熾蓮は即座に後ろへ回り込んで、背中に苦無を突き刺す。
少女も視界を奪った隙に同じくして刀で祟魔の胴へ斬り込む。
だが、あまり効いていないようで、祟魔は豪腕を2人に目掛けて振り回した。腕が直撃する寸前、熾蓮は身を翻し、その勢いでバク転。後ろに下がって体勢を立て直す。
少女も攻撃を避け、熾蓮の隣に着地すると、刀を構え直した。
(やっぱり俺ら2人やと厳しいか……)
悔しがるように熾蓮は歯を食いしばる。
その時、廊下の窓ガラスが割れた。何事かと思い、そっちへ目を向けると、白の着物に紺の羽織と袴を纏った青髪ポニーテールの青年が窓から侵入し、廊下へ滑り込むようにして着地する。
手には刀が握られており、腰を低くした体勢で眼前の祟魔を捉えていた。
(あれは大神学園の制服……)
熾蓮は目を見開きながら、ポニーテールの青年を見る。
「多田っ!」
「あいよっ!」
ポニーテールの青年がそう叫ぶと、続いて同じく制服姿の茶髪ショートの青年が刀を振り上げた状態で中に入ってくる。
多田と呼ばれた青年とポニーテールの青年は同時に祟魔に向けて斬撃を飛ばす。突如として現れた2人の攻撃を受けた祟魔は成すすべもなく、黒い靄となって消滅した。
「す、凄っ……」
あの強敵が一瞬で祓われたことに驚く熾蓮。
一方、2人の青年は刀を鞘に納めると、割れた窓ガラスに目を向け、やってしまったと言わんばかりに顔を引き攣らせていた。
と、隣からドサッという音が聞こえる。すぐに横を見てみれば、セーラー服姿の秋葉が床に倒れていた。
「秋葉っ!?」
慌てて秋葉の傍に行き、抱き起こす。どこか怪我でもしたのかと焦る。が、すぐに寝息が聞こえ、ただ眠っているようで熾蓮は安堵するのだった。
―――――――
【次回予告】
何とか危機を脱した秋葉と熾蓮。意識を失った秋葉が目を覚ました先にいたのはまさかの人だった――。
(祓っても祓っても全然減らへん……!)
熾蓮が依然数を減らしているものの、祟魔はとめどなく湧いてきており、正直言ってキリがない。
秋葉の貼った結界にもヒビが入り始め、彼女がすぐに強化して対処するも、攻撃が止む気配はなさそうだ。
「はぁっ!」
熾蓮が苦無を振りかざして攻撃するが、祟魔は手に持っていたナイフでいなして回避。熾蓮の攻撃をすり抜けた祟魔は、狙いを定めて、秋葉に向かってナイフを投げた。
投げられたナイフは熾蓮が苦無で弾き落とす間もなく、まっすぐ結界へ飛んでいき、ヒビが入った箇所にヒット。
「!?」
ギリギリ維持できていた結界が破られ、秋葉の目が見開かれる。周囲にいた祟魔は機会を逃さんとばかりに、一斉に彼女へ襲い掛かろうと走り出す。
「秋葉っ!」
熾蓮が咄嗟に駆け出すも、この距離では到底間に合わない。
(クソッ……!)
秋葉の元へたどり着いた祟魔たちは彼女目掛けて跳躍。爪が振り下ろされる。
が、次の瞬間、秋葉の周りに無数の桜の花弁が発生。それは渦となって秋葉を覆うと同時に、周りにいた祟魔を蹴散らし、消滅にまで追い込んだ。
と、その直後、秋葉を覆っていた桜の花弁が晴れる。
「……」
そこには、赤メッシュの入った茶髪を後頭部で一纏めにし、紅い着物に紺色の袴、草履を身に纏った秋葉が立っていた。
秋葉は腰に差された刀へ手を掛けると、抜刀と同時に祟魔へ接近。瞬く間に周りの祟魔に無数の斬撃を放ち、撃退した。
「う、嘘やろ……」
熾蓮は唖然とした表情で、秋葉を凝視する。彼女は残りの祟魔を反撃する隙も与えないまま手に持った刀で祓っていく。
(あの剣さばき……あれは秋葉とちゃう。誰やあいつ)
熾蓮は秋葉に注意を向けながら、こちらに向かってくる祟魔へ炎を纏わせた苦無を投げて始末する。と、周囲にいた祟魔が全滅。
秋葉の成りをした少女は刀身についた血を払うと、納刀して熾蓮の方を見てきた。
その目は冷めたような、こちらを見透かすようなもので、やはりいつもの秋葉とは違う。
熾蓮は意を決したように拳を握りしめ、口を開く。
と、その直後、少女が再度抜刀してこちらに向かって走り出してきた。その行動に思わず、「えっ」と声が漏れる。
少女は熾蓮の目の前まで来たかと思うと、その場で跳躍して、熾蓮の肩の上に乗る。
「いっ!?」
突然きた衝撃に熾蓮は顔を歪ませ、体勢を崩す。
刹那、少女は熾蓮の肩を蹴り、宙に飛んだ。そのまま刀を振り降ろした直後、何かと衝突する音が聞こえ、咄嗟に振り向く。
すると、大柄の人型祟魔が手の甲で少女の刀を受け止めているのが視界に入った。
「なっ!?」
(全く気付かへんかった……)
いつの間に出現していたのだろう。そいつを目にした熾蓮は呆気に取られる。
一方、大柄な祟魔と交戦していた少女は刀を弾かれると、後退。熾蓮の隣に降り立った。
大柄な人型の祟魔は、先ほどまで戦っていた祟魔よりも断然強いオーラを纏っている。
ただでさえ先の戦闘でだいぶ消耗しているというのに、あれを自分たち2人で対処できるのか。そう思ってしまうが、やるしかない。
熾蓮は床を蹴って、大柄な祟魔に向けて苦無を放った。すると、祟魔の目の前で爆発。熾蓮は即座に後ろへ回り込んで、背中に苦無を突き刺す。
少女も視界を奪った隙に同じくして刀で祟魔の胴へ斬り込む。
だが、あまり効いていないようで、祟魔は豪腕を2人に目掛けて振り回した。腕が直撃する寸前、熾蓮は身を翻し、その勢いでバク転。後ろに下がって体勢を立て直す。
少女も攻撃を避け、熾蓮の隣に着地すると、刀を構え直した。
(やっぱり俺ら2人やと厳しいか……)
悔しがるように熾蓮は歯を食いしばる。
その時、廊下の窓ガラスが割れた。何事かと思い、そっちへ目を向けると、白の着物に紺の羽織と袴を纏った青髪ポニーテールの青年が窓から侵入し、廊下へ滑り込むようにして着地する。
手には刀が握られており、腰を低くした体勢で眼前の祟魔を捉えていた。
(あれは大神学園の制服……)
熾蓮は目を見開きながら、ポニーテールの青年を見る。
「多田っ!」
「あいよっ!」
ポニーテールの青年がそう叫ぶと、続いて同じく制服姿の茶髪ショートの青年が刀を振り上げた状態で中に入ってくる。
多田と呼ばれた青年とポニーテールの青年は同時に祟魔に向けて斬撃を飛ばす。突如として現れた2人の攻撃を受けた祟魔は成すすべもなく、黒い靄となって消滅した。
「す、凄っ……」
あの強敵が一瞬で祓われたことに驚く熾蓮。
一方、2人の青年は刀を鞘に納めると、割れた窓ガラスに目を向け、やってしまったと言わんばかりに顔を引き攣らせていた。
と、隣からドサッという音が聞こえる。すぐに横を見てみれば、セーラー服姿の秋葉が床に倒れていた。
「秋葉っ!?」
慌てて秋葉の傍に行き、抱き起こす。どこか怪我でもしたのかと焦る。が、すぐに寝息が聞こえ、ただ眠っているようで熾蓮は安堵するのだった。
―――――――
【次回予告】
何とか危機を脱した秋葉と熾蓮。意識を失った秋葉が目を覚ました先にいたのはまさかの人だった――。
0
あなたにおすすめの小説
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
あまりさんののっぴきならない事情
菱沼あゆ
キャラ文芸
強引に見合い結婚させられそうになって家出し、憧れのカフェでバイトを始めた、あまり。
充実した日々を送っていた彼女の前に、驚くような美形の客、犬塚海里《いぬづか かいり》が現れた。
「何故、こんなところに居る? 南条あまり」
「……嫌な人と結婚させられそうになって、家を出たからです」
「それ、俺だろ」
そーですね……。
カフェ店員となったお嬢様、あまりと常連客となった元見合い相手、海里の日常。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる