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12話 元パーティーとの邂逅
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冒険者学園ベリアント。ここは僕たちが拠点としているヴィルセイル王国の冒険者を育成する施設だ。
それぞれの国には大抵冒険者学園が設置されており、13歳~18歳までの6年間通うことができる。
基本的によっぽどのことがなければ、誰でも入れる施設だ。王国もなにかあった時には、冒険者に依頼を出すこともあるために、王国の騎士以外にも戦力を育てる為に育成機関として、国から支援もしているそうだ。
寮も設置されてあり、近くには街もないために、基本的に生徒は全員寮で寝泊まりしている。
僕もなりゆきで6年間ここに通い、今のパーティーメンバーと出会うことができた。幼馴染の他のウェンデル、ルゥルー、リタは冒険者学園で出会った人たちだ。
「わ~~ 久々にきました! 卒業してから来てなかったからな~っ」
リタが学園の大きな門まできたところで、懐かしむ。でも1年前だからそこまででもないと思うけど。僕なんて4年ぶりだっていうのに。
「そうだね。僕も久々だ。先生たち元気にしてるかな~」
そう、それぞれの授業では、専門の先生がついており、剣、槍、弓など武器を扱う授業から、魔法の授業。魔導具の研究や一般的な教養を学べる授業まで網羅されている。
自分が学びたい授業を専門科目として選ぶことができるが、一般教養などは基本的に同学年一緒に授業を受けることになっている。なので、同学年はある程度顔見知りだ。
僕たちは学園の門をくぐり、中に進んでいく。
「わ、わたし……っ緊張してきました……」
シオンが呟く。今回は、まず卒業試験のために黒竜の素材を担当教師に見せにいくところから始まる。
学園はとても大きいので、座学をする教師たちがいる建物を中心として、それぞれの専門科目の修練場、模擬戦を行う闘技場、学園の生徒たちが討伐してきた魔物を解体する解体場、寝泊まりする寮などに分かれている。
まず向かうのは教師たちがいる建物だ。そこから解体場へ向かうことになる。
「おいおい、あれ見てみろよ。シオンじゃねーかぁ!!」
なんか横から太い声が聞こえてきた。
「ッッ……!!」
シオンがビクッとした。
横を見てみると、5人組のパーティーと思われる人たちがいた。
見た目の服装から、大柄の戦士っぽい人物を始めとして、魔術師、僧侶、シーフ、タンクだと思われる。
「あ、はは。お久しぶりですね。ランドさん……」
シオンの様子が明らかにおかしい。さっきまで緊張していたとはいえ、凄い動揺している。
「おいおい、よそよそしいじゃねーか! 卒業試験の期限まであと少しだっていうのによぉ。まぁ俺たちはもうとっくに終わってるんだがなぁ! ガ~ッハッハッハ!」
「そ、そうなんですか……。それは良かったですね……おめでとうございます」
なんかシオンが馬鹿にされてるような気がしてきた。
「それでぇ? シオンちゃんは提出できたのかなぁ? あ、今はソロなんだっけぇ~? 無理かぁ」
魔術師っぽい女の子がさらにシオンを煽る。はぁ、こいつらか。シオンの元パーティーというやつは。とりあえず、首突っ込むのはめんどくさいことになりそうだから、様子見しておこう。
「なんだ、お前たちは。シオンの関係者か?」
正義感満載のアリアが先に口を出していた。こういうの見逃せなさそうなタイプだしなぁ。
「あっ? お前らこそ誰だよ。部外者は口を挟んでくるな」
うわ、あのアリア様にこんな口していいのかい。ランドとかいう人。あとが怖いぞ~~。
「私達はれっきとしたシオンの関係者だが。君たちの言動は目に余る」
「そうかいそうかい。俺たちはそのシオンと少し前までパーティー組んでたもんだ。でもシオンが使えないから追い出してやったのさ」
アリアの目つきが変わる。
「ほう、そうなのか……。これはシオンがパーティーを抜けても良かったかもしれないな。強さ以前に人に対する言動を弁えていない人物だからな。抜けてよかったな、シオン」
「・・・・・」
シオンはまだトラウマがあるのか、アリアの言葉に返事できない。
「おい、てめぇ! どこの誰か知らねぇが、舐めた口聞きやがって!!」
「お前らのような低俗な冒険者に名乗る名前なんかない」
とことん口バトルしますねアリアさん。
「ちょっと~聞いてれば、色々言っちゃってぇ! まあシオンと一緒にいるってことは、大したことない連中なんだろうけどさ!」
シーフの女の子が口を出してくる。なんか体型と言い、髪型と言い、メスガキって感じがする女の子だ。
「そうですよ。私達はちゃんと学園で実績を残してきたパーティーですから、シオンと一緒にいるようなあなた達とは違うんです」
僧侶の女の子も優しい顔をしながら厳しいことを言う。タンクの男性だけはずっと無口だ。
「・・・ちょっと~~あんたたちねぇ! 言わせておけ・・・ばばばば」
「はい~ごめんなさいね~。僕たち今急いでるから、言いたいことがあったら、後にしてほしいかな。それじゃあね~~」
リタがさすがに我慢の限界がきたのか、手を出しそうになっていた。リタの口を押さえて、強引に連れて行く。
それを見たアリアがしょうがなく、こっちについてくる。
「シオン、行くぞ! ほら、グレンが待ってる」
アリアがその場に立ち尽くしていたシオンに声をかけて、やっとシオンが走ってやってくる。
「……ッチ。あいつら何なんだ? まぁ、俺たちがもう関わるような相手じゃねーことだけは確かだがな!! ハッハッハ!!」
捨て台詞を吐いて僕たちの背中を見送るランドたち。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
学園の建物の中に入ってから、教師たちがいる部屋に向かう。
その途中で、今一度シオンに話を聞く必要がありそうだ。
「シオン。一応聞くんだけど、さっきの連中って、元パーティーの人たちだよね?」
「はい……」
まだ少し俯いて、どんよりした空気を身に纏っているシオン。言葉数も少なめだ。
「シオン。私達がついてる。堂々としていればいいさ。それにグレンもいるしな。この学園でグレンより凄いさつなんていないさ」
「そうですよ~シオンちゃん! リーダぁがいるんですから、どんと構えてて大丈夫!」
アリアとリタから元気づける言葉が贈られる。でも俺をダシにするのはやめてほしい。
「そ、そうですよね……。私、凄い経験したのに、あんなの学園の人たちだって経験したことないくらいなのに。私、吹っ切れますっ!」
とりあえず、元気になったようだ。
「じゃあ、先生のところに行こうか!」
僕たちは、部屋の前で待つ。シオン一人で、中に卒業試験の担当教師を呼びに行く。
『ガチャ……』
扉が開くと、教師が出てくる。見覚えのある教師だった。
「あ、グランナ先生じゃないですか。久しぶりですね」
僕の学園時代、お世話になった先生の一人だ。
白髪で髪を上にまるっとまとめたお団子のような髪型。初老の女性だ。
「グ、グレン!? なぜここに? 四年ぶりでしょうか? まぁそれはいいとして、あなた方の噂は色々と聞いていますよ。冒険者学園にも伝わってきています」
僕を見て驚く。グランナ先生は久しぶりに見たけどまた老けたよね。シワが増えた。
「そうなんだ。変な噂じゃないよね? ちょっとシオンのお手伝いでね。王都で出会ったんだ」
「さあ、変な噂かといえば、あなた方が変じゃなかったことはないと思いますが……。それにリタもいるじゃありませんか。と、あとは……あなたはもしかしてアリアさんですか?」
「先生久しぶりー!!! 元気してた?」
リタは軽い。年の離れた先生とは打ち解けて仲良くなるタイプなんだよな。
「そうです、アリアです。ご無沙汰しております。少し学園に用事がありましてね」
アリアは丁寧に挨拶する。どのくらい学園に来ていなかったんだろう。学園に用事があるなら、ちょこちょこ来てそうだけど。
「アリアさんも一緒にいるのはちょっと驚きましたけど……」
確かに僕らのことを事細かに知らないと変なメンバーだよね。
「先生、とりあえず解体場に案内頼みます。シオンの代わりに素材の移動を請け負ったんだから」
「ああ、そういうことですか。それなら向かいましょう」
余計なことをあまり言わず行動が早い。さすが先生だ。そうして僕らは解体場へと向かった。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
学園の解体場に到着した僕たち。
王都のギルドほど広くはないが、学園の生徒もかなりの数がいるので、ある程度の広さがある。
「じゃあ、ここらへんでいいかな? 出しますね~」
『ドスンッ』
黒竜の角が出された。あと、一応鱗も何枚か出しておく。
「ん? ……これは、なんですか……?」
「角。あと鱗ですね」
まじまじと見るグランナ先生。鱗を一枚取り上げて、まじまじと見る。
「こっ、これは、、、かなりの硬度ですね……」
「これ、オリハルコン級らしいです」
ちょっとずつ驚いてきた先生。そこでシオンが付け加える。
「えーとですね。黒竜です、先生……7つ星ランクの」
「えっ、、、はぁ!? ど、どういうことですか!? シオン!」
正直信じられないだろう。卒業試験に生徒が出してくるには信じられないはずだ。だからここは僕がちゃんと話をつけないと。
「先生、僕から話しますね。森にサイクロプスの討伐依頼があって、そこにシオンも一緒に参加したんです。ちなみにパーティーじゃなくて、ソロとして(まあパーティーだったけど)」
「まあ、プロと組むパーティーはダメですからね」
「それでサイクロプスは普通に倒したんですけど、その後にでかい黒竜が来ちゃいまして……。それで、シオンがドバっと弓を放ったら黒竜が消えたんですよ。ちなみに証人は僕とリタができます」
リタは直接見てないんだけどね。
「い、いや……さすがにそれは……。私でもそれだけでは、説明がつきません」
「ふっふっふ。先生、信じていませんね? なら修練場行きましょう。シオンの実力を見せてやります」
「え、ええぇぇぇ!?」
驚くシオン。シオンにはこの流れ話していなかった。
多分大丈夫でしょ。あれだけ魔素吸ったし。
「シオンの実力を見たら信じるはずですよ。僕も驚いたんですから。というかシオンがいなければ、僕は黒竜に丸呑みされてましたからね」
「それだけ言うなら、実力を見ましょう。では、修練場に向かいますよ、皆さん」
それぞれの国には大抵冒険者学園が設置されており、13歳~18歳までの6年間通うことができる。
基本的によっぽどのことがなければ、誰でも入れる施設だ。王国もなにかあった時には、冒険者に依頼を出すこともあるために、王国の騎士以外にも戦力を育てる為に育成機関として、国から支援もしているそうだ。
寮も設置されてあり、近くには街もないために、基本的に生徒は全員寮で寝泊まりしている。
僕もなりゆきで6年間ここに通い、今のパーティーメンバーと出会うことができた。幼馴染の他のウェンデル、ルゥルー、リタは冒険者学園で出会った人たちだ。
「わ~~ 久々にきました! 卒業してから来てなかったからな~っ」
リタが学園の大きな門まできたところで、懐かしむ。でも1年前だからそこまででもないと思うけど。僕なんて4年ぶりだっていうのに。
「そうだね。僕も久々だ。先生たち元気にしてるかな~」
そう、それぞれの授業では、専門の先生がついており、剣、槍、弓など武器を扱う授業から、魔法の授業。魔導具の研究や一般的な教養を学べる授業まで網羅されている。
自分が学びたい授業を専門科目として選ぶことができるが、一般教養などは基本的に同学年一緒に授業を受けることになっている。なので、同学年はある程度顔見知りだ。
僕たちは学園の門をくぐり、中に進んでいく。
「わ、わたし……っ緊張してきました……」
シオンが呟く。今回は、まず卒業試験のために黒竜の素材を担当教師に見せにいくところから始まる。
学園はとても大きいので、座学をする教師たちがいる建物を中心として、それぞれの専門科目の修練場、模擬戦を行う闘技場、学園の生徒たちが討伐してきた魔物を解体する解体場、寝泊まりする寮などに分かれている。
まず向かうのは教師たちがいる建物だ。そこから解体場へ向かうことになる。
「おいおい、あれ見てみろよ。シオンじゃねーかぁ!!」
なんか横から太い声が聞こえてきた。
「ッッ……!!」
シオンがビクッとした。
横を見てみると、5人組のパーティーと思われる人たちがいた。
見た目の服装から、大柄の戦士っぽい人物を始めとして、魔術師、僧侶、シーフ、タンクだと思われる。
「あ、はは。お久しぶりですね。ランドさん……」
シオンの様子が明らかにおかしい。さっきまで緊張していたとはいえ、凄い動揺している。
「おいおい、よそよそしいじゃねーか! 卒業試験の期限まであと少しだっていうのによぉ。まぁ俺たちはもうとっくに終わってるんだがなぁ! ガ~ッハッハッハ!」
「そ、そうなんですか……。それは良かったですね……おめでとうございます」
なんかシオンが馬鹿にされてるような気がしてきた。
「それでぇ? シオンちゃんは提出できたのかなぁ? あ、今はソロなんだっけぇ~? 無理かぁ」
魔術師っぽい女の子がさらにシオンを煽る。はぁ、こいつらか。シオンの元パーティーというやつは。とりあえず、首突っ込むのはめんどくさいことになりそうだから、様子見しておこう。
「なんだ、お前たちは。シオンの関係者か?」
正義感満載のアリアが先に口を出していた。こういうの見逃せなさそうなタイプだしなぁ。
「あっ? お前らこそ誰だよ。部外者は口を挟んでくるな」
うわ、あのアリア様にこんな口していいのかい。ランドとかいう人。あとが怖いぞ~~。
「私達はれっきとしたシオンの関係者だが。君たちの言動は目に余る」
「そうかいそうかい。俺たちはそのシオンと少し前までパーティー組んでたもんだ。でもシオンが使えないから追い出してやったのさ」
アリアの目つきが変わる。
「ほう、そうなのか……。これはシオンがパーティーを抜けても良かったかもしれないな。強さ以前に人に対する言動を弁えていない人物だからな。抜けてよかったな、シオン」
「・・・・・」
シオンはまだトラウマがあるのか、アリアの言葉に返事できない。
「おい、てめぇ! どこの誰か知らねぇが、舐めた口聞きやがって!!」
「お前らのような低俗な冒険者に名乗る名前なんかない」
とことん口バトルしますねアリアさん。
「ちょっと~聞いてれば、色々言っちゃってぇ! まあシオンと一緒にいるってことは、大したことない連中なんだろうけどさ!」
シーフの女の子が口を出してくる。なんか体型と言い、髪型と言い、メスガキって感じがする女の子だ。
「そうですよ。私達はちゃんと学園で実績を残してきたパーティーですから、シオンと一緒にいるようなあなた達とは違うんです」
僧侶の女の子も優しい顔をしながら厳しいことを言う。タンクの男性だけはずっと無口だ。
「・・・ちょっと~~あんたたちねぇ! 言わせておけ・・・ばばばば」
「はい~ごめんなさいね~。僕たち今急いでるから、言いたいことがあったら、後にしてほしいかな。それじゃあね~~」
リタがさすがに我慢の限界がきたのか、手を出しそうになっていた。リタの口を押さえて、強引に連れて行く。
それを見たアリアがしょうがなく、こっちについてくる。
「シオン、行くぞ! ほら、グレンが待ってる」
アリアがその場に立ち尽くしていたシオンに声をかけて、やっとシオンが走ってやってくる。
「……ッチ。あいつら何なんだ? まぁ、俺たちがもう関わるような相手じゃねーことだけは確かだがな!! ハッハッハ!!」
捨て台詞を吐いて僕たちの背中を見送るランドたち。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
学園の建物の中に入ってから、教師たちがいる部屋に向かう。
その途中で、今一度シオンに話を聞く必要がありそうだ。
「シオン。一応聞くんだけど、さっきの連中って、元パーティーの人たちだよね?」
「はい……」
まだ少し俯いて、どんよりした空気を身に纏っているシオン。言葉数も少なめだ。
「シオン。私達がついてる。堂々としていればいいさ。それにグレンもいるしな。この学園でグレンより凄いさつなんていないさ」
「そうですよ~シオンちゃん! リーダぁがいるんですから、どんと構えてて大丈夫!」
アリアとリタから元気づける言葉が贈られる。でも俺をダシにするのはやめてほしい。
「そ、そうですよね……。私、凄い経験したのに、あんなの学園の人たちだって経験したことないくらいなのに。私、吹っ切れますっ!」
とりあえず、元気になったようだ。
「じゃあ、先生のところに行こうか!」
僕たちは、部屋の前で待つ。シオン一人で、中に卒業試験の担当教師を呼びに行く。
『ガチャ……』
扉が開くと、教師が出てくる。見覚えのある教師だった。
「あ、グランナ先生じゃないですか。久しぶりですね」
僕の学園時代、お世話になった先生の一人だ。
白髪で髪を上にまるっとまとめたお団子のような髪型。初老の女性だ。
「グ、グレン!? なぜここに? 四年ぶりでしょうか? まぁそれはいいとして、あなた方の噂は色々と聞いていますよ。冒険者学園にも伝わってきています」
僕を見て驚く。グランナ先生は久しぶりに見たけどまた老けたよね。シワが増えた。
「そうなんだ。変な噂じゃないよね? ちょっとシオンのお手伝いでね。王都で出会ったんだ」
「さあ、変な噂かといえば、あなた方が変じゃなかったことはないと思いますが……。それにリタもいるじゃありませんか。と、あとは……あなたはもしかしてアリアさんですか?」
「先生久しぶりー!!! 元気してた?」
リタは軽い。年の離れた先生とは打ち解けて仲良くなるタイプなんだよな。
「そうです、アリアです。ご無沙汰しております。少し学園に用事がありましてね」
アリアは丁寧に挨拶する。どのくらい学園に来ていなかったんだろう。学園に用事があるなら、ちょこちょこ来てそうだけど。
「アリアさんも一緒にいるのはちょっと驚きましたけど……」
確かに僕らのことを事細かに知らないと変なメンバーだよね。
「先生、とりあえず解体場に案内頼みます。シオンの代わりに素材の移動を請け負ったんだから」
「ああ、そういうことですか。それなら向かいましょう」
余計なことをあまり言わず行動が早い。さすが先生だ。そうして僕らは解体場へと向かった。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
学園の解体場に到着した僕たち。
王都のギルドほど広くはないが、学園の生徒もかなりの数がいるので、ある程度の広さがある。
「じゃあ、ここらへんでいいかな? 出しますね~」
『ドスンッ』
黒竜の角が出された。あと、一応鱗も何枚か出しておく。
「ん? ……これは、なんですか……?」
「角。あと鱗ですね」
まじまじと見るグランナ先生。鱗を一枚取り上げて、まじまじと見る。
「こっ、これは、、、かなりの硬度ですね……」
「これ、オリハルコン級らしいです」
ちょっとずつ驚いてきた先生。そこでシオンが付け加える。
「えーとですね。黒竜です、先生……7つ星ランクの」
「えっ、、、はぁ!? ど、どういうことですか!? シオン!」
正直信じられないだろう。卒業試験に生徒が出してくるには信じられないはずだ。だからここは僕がちゃんと話をつけないと。
「先生、僕から話しますね。森にサイクロプスの討伐依頼があって、そこにシオンも一緒に参加したんです。ちなみにパーティーじゃなくて、ソロとして(まあパーティーだったけど)」
「まあ、プロと組むパーティーはダメですからね」
「それでサイクロプスは普通に倒したんですけど、その後にでかい黒竜が来ちゃいまして……。それで、シオンがドバっと弓を放ったら黒竜が消えたんですよ。ちなみに証人は僕とリタができます」
リタは直接見てないんだけどね。
「い、いや……さすがにそれは……。私でもそれだけでは、説明がつきません」
「ふっふっふ。先生、信じていませんね? なら修練場行きましょう。シオンの実力を見せてやります」
「え、ええぇぇぇ!?」
驚くシオン。シオンにはこの流れ話していなかった。
多分大丈夫でしょ。あれだけ魔素吸ったし。
「シオンの実力を見たら信じるはずですよ。僕も驚いたんですから。というかシオンがいなければ、僕は黒竜に丸呑みされてましたからね」
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