「脇役人生」の生活日記

わっしー

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3.カーディナル騎士養成学校

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馬車の旅をして1週間ついに到着した。カーディナル共和国の学園都市マルクーリ。マルクーリは人口の約8割が学生という都市だ。この都市では如何なる国も干渉できない。つまり、この都市の学生に何かすることはたとえ王族であったとしても非難されるということだ。その中心にそびえ立つのはこの都市の中心にして学生が通う学校カーディナル騎士養成学校。僕たちは自分の荷物と共にその学校に向かうのだった。
「えっと・・・。ミルト村のアルスさんにイーグルさん。ハリスさんですね・・・。ようこそ、カーディナル騎士養成学校へ。」
そう言って何かの資料を読んだ事務員の人が僕たちに声を掛ける。
「私はこの学校の事務員兼寮母のアンミラ・カールと申します。今日からあなた達の家はここアランドール寮となります。部屋はそれぞれ別ですので鍵をお渡ししますね。」
そうして僕たちは鍵を渡された。
ちなみに僕の部屋は102号室だ。手続きが終わると僕たちは自分の部屋に向かう。アルスは115号室、ハリスは136号室だ。男子と女子は階によって分けられていて男子が1階から3階。女子が4階から6階となっている。なお、男子と女子では使う入口が違うそうで東は男子、西は女子となっている。部屋の数は全部で600部屋となっている。なお、一階は1年生。2階は2年生、3階は3年生となっている。女子も同様で4階が1年生。5階が2年生。6階が3年生だ。上級生になると別の寮に入ることになる。兄さんは今4年生だからソルダール寮に入っているみたいだ。そして、こういう寮はこの学園都市には全部で100近くあるようだ。つまり学園には少なくとも6万人の生徒が在籍しているということ。そして、これからは僕たちもこの学園都市の一員となる。
僕は自分の部屋に入るとさっそく荷解きを始める。お気に入りの本を部屋に備え付けの本棚に収納していく。次にポチの寝床を設置。そして、明日持っていく必要なもの、教材に学生書、筆記用具の羽ペンとインク、藁半紙。そして、真新しい制服。
「まさか、僕が騎士学校に入学することになるなんてね・・・。」
(よかったのではないですか?これでイーグルの夢への一歩を踏み出すことが出来たんですから。)
「そうだね・・・。さて、明日は入学式だ!荷解きが済んだらお風呂に入って寝よう。」
(私もお手伝いします。)
「うん、お願い。ポチ。」
そうして、ポチと一緒に荷解きをする。ポチは口を器用に使って日用品なんかを洗面台にセットしてくれる。
この学校には学食があるので贅沢をしなければお金には困らない。
「ポチのエサも買ったし・・・。1ヶ月は持つよね?」
(フローラさんのご飯が恋しいです。干し肉ばっかだと飽きますし・・・。)
「わかったよ。じゃあ、もし、お金が入ったら干し肉だけじゃなくて上質な肉も買ってあげるから。」
(約束ですよ。)
ポチは尻尾をブンブン振る。相当嬉しいようだ。そうしているうちに時間はもう深夜になっていた。
「よし、明日も早いから、今日はもう寝るか・・・。」
(はい。では、イーグルお休みなさい。)
「うん。お休み、ポチ・・・。」
そうして寮での一日は終わりを告げた。
翌日。
(イーグル。朝ですよ起きてください。)
「う~ん・・・。あと5分・・・。」
(もう、イーグルは・・・。今日は入学式なのですから遅刻してはいけないでしょ。)
「はっ!?そうだった!すぐ支度するね!!」
そう言って僕は急いで寝間着を脱ぐ。そして、騎士学校の制服に着替えた。
(まったく、私の主なのですからもう少し自覚を持って行動してください。)
「ごめん、ごめん。じゃあ、行こうか!」
そうして、僕は寮の食堂に向かった。そこにはすでに大勢の寮生が朝食を食べている。そんな中に見知った顔を見つける。
「アルス。おはよう!」
「ああ、イーグルか。今日は早いな。お前だったら時間ギリギリでここに来ると思ったんだが・・・。」
「入学初日から遅刻なんてしないよ・・・・。ハリスもおはよう。」
「ああ、おはよう、イーグル。それよりもここは人が多いな・・・。俺たちの村の人口の2倍は居ないか?」
「そうだね。この寮はアーガス王国出身の各村の子達が集まっているみたい。貴族はもっといい部屋に住んでいるって話だよ。」
「はあ、学校でも貴族様は特別待遇なんだな。」
「それで、今年は男子200人女子200人がアーガスを代表して入学ということになったみたい。」
「へえ、その内の200人は平民で残りは貴族様ってことか・・・。」
「まあ、学校に通うようになれば貴族の人とも交流があると思うよ。」
「そうか・・・。なら、気を付けたほうがいいな。」
「え、どうしてなの、アルス?」
僕がそう問いかけるとアルスは呆れたようにため息を吐く。
「お前は馬鹿か。貴族なんて連中は俺達へ平民をただの家畜としか思っていないんだ。そんな奴らと関わったら、ろくなことにならない。」
「確かにな・・・。気を付けたほうがいいな。」
そう言ってハリスも頷く。
「でも、貴族の中にも優しい人がいるかも・・・。」
「本当に馬鹿だな、イーグルは・・・。例え優しい人がいたとしてもそいつに関わることで無用な争いに巻き込まれるかもしれないだろ?」
「そうかな?」
「そんな事より、早く朝食食べてしまおうぜ!入学式に遅れる。」
「あ、うん・・・。」
そうして、僕たちは朝食を食べた。
そして、遂にやってきました。カーディナル騎士養成学校。そこには多くの学生がいた。アーガス王国の人、アンクート帝国の人、そしてカーディナル共和国の人。僕たちは一クラス60人、クラスの数は10組まである。それぞれの内訳はアーガス王国の平民10人、貴族10人。アンクート帝国平民10人、貴族10人。カーディナル共和国の平民10人、貴族10人となっている。
「ねえ、アルスは何組なの?」
「俺は5組だ。」
「僕は10組だ。ハリスは?」
「俺は3組だな。」
「みんなバラバラだね・・・。」
「まあ、こればかりはしょうがない。クラスは違っても俺たちはいつでも一緒だってことを忘れるなよ。」
「うん。」
「ああ。」
正直、僕は不安だったがいつまでもアルスに頼っている訳にはいかない。でも・・・。
「友達出来るかな?」
(大丈夫です、イーグル。あなたは優しいのですから・・・。)
「そうかな?」
(はい!私が保証します。)
「うん!」
そうして僕は入学式で割り当てられた席に向かう。道行く人から視線を感じる。どうやらポチが注目を浴びているようだ。
「えっと・・・。席はここかな?」
そこはちょうど席の一番奥だった。ポチをその席の反対側に座らせる。そうして待っているとクラスメイト達が続々と集まってきた。そのほとんどの人がポチを見てびっくりしている。
「そう言えば、シルバーウルフって扱いが難しいモンスターだっけ?それで注目されているのかな?」
(そうだと思います。でも、今は入学式に集中してください。)
「うん。」
そうして入学式が始まる。
「私はこのカーディナル騎士養成学校の学長である、アンズール・ガーリーと言う。今日は天気も晴れて良い入学式日和になった。さて、諸君は各国から集められた未来の騎士だ。現在、アーガス王国とアンクート帝国は戦争状態にある。私としてはとても嘆かわしいことだ。そして、そのために私は諸君に言いたい。諸君はこの9年間をこのカーディナル騎士養成学校で生活することになる。その間に様々な人間と接してほしい。貴族・平民。アーガス王国、アンクート帝国。それぞれがお互いを理解すればもしかしたら戦争は終わるやもしれない。私はそれを期待しておる。では、諸君らにとって良き9年になることを祈る。」
そうして、学長挨拶が終わる。それからは各、組に分かれて教室に向かった。
「今日から、君たちの担当教員となるグスタフ・ガースだ。この一年しっかりとしごいていく。覚悟しろよ。さて、自己紹介を始めるとしよう、出席番号順でアリス。」
「は、はい。アリス・メルーダです。出身はアーガス王国の貴族で得意なのは補助魔法です。よろしくお願いします。」
「次は、イーグル。」
そして、僕の番だ。
「はい。イーグルです。そして、このシルバーウルフはポチと言います。出身はアーガス王国の西の村ミルト村です。得意魔法は特にありませんが一通りの魔法は使えます。」
「よし、次。」
そうして、自己紹介は進んでいく。
「次はナターシア。」
「はい。私はナターシア・アンクートです。皇位継承権第4位の王族です。特技は剣技です。」
その子はとてもきれいな金髪をしていた。そして、とても凛とした顔をしている。どこにも隙が無い。
その瞬間、教室がざわつく。
「アンクート?」
「おいおい、王族じゃないか!」
「でも、なんか感じ悪いね・・・。」
そういう声が聞こえてくるがナターシアさんは気にする様子もなく涼しい顔をしていた。
「静かに!まだ、自己紹介が終わっていない!次の奴早く自己紹介しろ!」
「は、はい!俺は・・・。」
そうして自己紹介が終わる。
「では、自己紹介も済んだことだし、休憩を挟んでから簡単な学校説明を行う。」
そう言ってグスタフ先生は教室を後にした。
その瞬間、僕の方に2人クラスメイトが来た。僕は何事かと思った。そして最初に話しかけたのは女の子の方だった。
「この魔物って、シルバーウルフだよね!モンスターの中でも賢くて扱いが難しいっていう。」
女の子は感心したようにそういう。続けて男の子の方も質問してくる。
「イーグルはどうやってシルバーウルフを使役しているんだ?」
どうやら、ポチが注目を集めていたようだ。僕は少しホッとしながら答えた。
「ポチは僕が6歳の時に僕の村の森でゴブリンに襲われているところを助けたんだ。この子はお母さんがゴブリンに殺されたみたいで僕がポチを家に連れ帰って育てたんだ。」
「それにしても、随分おとなしいね。ねぇ、触ってもいい?」
女の子はそう尋ねる。女の子はとても期待の目で僕を見る。
「どうする、ポチ?」
僕は、ポチに訊いてみる。
(私は別に構いません。)
ポチは少し、嫌そうだったがそう答える。僕は言葉通りに受け取ることにする。
「良いって。」
「やったー!ふわぁ~!毛皮がふわふわ!」
「本当だ!それにあたたかい!」
そう言って男の子と女の子がポチを撫でていた。ポチは少し困っている様子だった。
「あ、私、アリス・メルーダと言います。貴族の家と言っても貧乏貴族なのでそんなに気を使わなくてもいいですよ。」
「俺はソーマ・スライ。アリスとは幼馴染なんだ。よろしくな。」
「僕はイーグルと言います。アーガス王国のミルト村から来ました。」
「そうなんだ。あ、さっきも言ったけど貴族だからって遠慮はしなくていいからね。」
「そうそう。この学校にいる間は貴族も平民もないからな。」
そういうアリスとソーマはとても気さくだった。
「ありがとう・・・。実をいうと、少し不安だったんだ。友達が出来るか・・・。」
「そうなの?まあ、でもその気持ちはわからなくもないかな?だってこのクラスだけでもいろんな国の人がいるし・・・。」
「そうだな・・・。例えば、あの子とか・・・。」
そう言ってソーマが目を向けたのはナターシアさんだった。
「まさか、敵国の皇族が同じクラスなんて・・・。」
「でも、この学校にいる間は様々な国の人と交流するようにって学長も言っていたよ。」
そう言うとアリスとソーマは少し気まずそうに顔を背ける。
「まあ、学長は変わり者で有名だからね・・・。実際、国や身分で差別を受けることが多いみたい。ほら、皇女様の周りを見てみなよ。皆、アンクート帝国の貴族だよ。」
そう言われて見てみる。確かに先ほどの自己紹介でアンクート帝国の貴族と言っていた人たちがナターシアさんの元に集まっている。でも、僕は、なんとなく、ナターシアさんが寂しそうに見えた。
「まあ、俺やアリスはそういうのあまり気にしないから気軽に話しかけてくれよ。」
「うん。ありがとう。ソーマ、アリス。」
そうしていると休憩の終わりを告げる鐘の音が響く。ソーマとアリスは自分の席に戻る。それと同時にグスタフ先生が入ってくる。
「さて、次は、この学校について説明する。この学校カーディナル騎士養成学校は様々な身分、国の人間がいる。しかし、この学校に来たからにはそういうのは捨てろ。同じクラスになったからには様々な行事ではクラスで協力することが多い。特に月1回行われる定期試験ではクラス単位で受けることになる。」
クラス単位?なんだろうそれ?
「定期試験には2つある。まずは、個人の試験の筆記試験。もう一つはクラス単位で行う模擬戦争だ。」
「あの・・・。模擬戦争というのはどういうものなのでしょうか?」
そう聞いたのはクラスの男子だった。確か、アンクート帝国の平民でマルクだった。
「模擬戦争というのはクラス対抗試合のことだ。グラス全員参加の試合で、クラスの人間の特性を見極めて活用しなくてはならない。クラス対抗試合の順位は成績に大きく影響する。」
「つまり、クラス対抗試合で最下位のクラスは落第もあると?」
「いや、確かに成績には大きく影響するが筆記試験でそれなりの点数を取っていれば進級は可能だ。まあ、筆記が7割。模擬戦争が3割だ。しかし、将来のことを考えるなら模擬戦争での成績も無視できない。文官になるというのなら筆記試験を頑張ればいいが騎士を目指すのなら模擬戦争の成績がかなり関わってくる。つまり、国や身分を気にしてクラスメイトと距離を置くのは得策ではない。」
つまりは、クラスメイトとは仲良くなって定期的に連携の練習をしなければ模擬戦争では勝てないということだ。
「まあ、定期試験は月末だ。それまでにクラスの絆を強めておけよ。」
そうして、説明が終わる。
そして昼食になった。僕はさっそく仲良くなったアリスとソーマと共に食堂に行った。
「う~ん・・・。そうは言ってもなぁ・・・。」
「そうだね。私たちの国アーガス王国とアンクート帝国は戦争状態ですものね。そう簡単に切り替えることが出来ないよね。」
「そうなの?」
僕がそういうと、アリスとソーマが頷く。
「まあ、イーグルみたいな平民は特に気にしないだろうけど、俺たち貴族としては小さいころからアンクート帝国は敵だと教えられてきたからな。」
「はい。頭ではわかっていても心が付いていきません。」
「そんなもんなんだ・・・。」
そう言って僕はパスタを食べる。ポチは骨付き肉だ。この学校にはモンスター用のメニューもあるのにはびっくりした。
(人間って大変なんですね。)
「人によると思うけど・・・。」
そう言って僕はポチの言葉に頷くのだった。アリスはそれに対して不思議そうな顔をする。
「ねえ、気になっていたけどイーグルってポチの言っていることが分かるの?」
「うん。6歳の時に気が付いたんだけどね。それがどうしたの?」
「そうなんだ。イーグルって「精霊の耳」の持ち主だったんだ。」
「「精霊の耳」?」
「うん。モンスターや妖精の言葉がわかる人たちのことだよ。魔物使いを目指している人は喉から手が出るほど欲しい能力みたい。」
「魔物使いってみんなモンスターの言葉がわかると思っていた。」
「そんな人はほんの一握りだよ。イーグルって実はすごいのかも・・・。」
「そうなんだ・・・。」
その時だった。
「おーい!イーグル。一緒に食べようぜ!」
「アルス!それにハリスも・・・。」
「よう!お、さっそく友達が出来たみたいだな。」
「あ、うん。アルスたちはどう?」
「俺達も気が合う奴がクラスにいるんだ。紹介するぜ!」
そう言ってアルスは隣に立っていた少年を見る。
「俺はクリス。アーガス王国の東の村メルト村出身だ。」
「僕はイーグル。アルスと同じミルト村出身だよ。それと・・・。」
「アリス・メルーダです。アーガス王国の貴族出身だけどそういうのは気にしないで気軽に声を掛けてね。」
「俺はソーマ・スライだ。アリスとは幼馴染だ。よろしくな。」
「俺はアルス。イーグルと同じ村出身だ。そしてその横の図体が大きいのがハリス。こいつも俺達と同じ村出身なんだ。それから・・・。」
「あたしはメリアよ。アーガス王国の北のコロン村出身。よろしくね。」
そうして、このメンバーで昼食を食べることになった。
「そういえば、アルスとハリスのクラスはどう?」
「俺のクラスはアーガス王国の王子が居るな。結構有名だぜ。確か名前はクライン・バン・アーガスだったかな?」
「お前の所にも大物がいるのか?俺のクラスだとカーディナル共和国の代表の息子でジョン・ギルバートってやつが同じクラスだ。」
「そうなんだ・・・。僕のクラスではアンクート帝国の皇女様が一緒のクラスなんだ。名前はナターシア・アンクートだって・・・。」
「へぇ・・・。今年の生徒には各国の代表の息子と娘がいるってことなんだ・・・。」
「うん・・・。すごい偶然だよね・・・。」
「そうだな・・・。それより、イーグルは二人とはどうやって知り合ったんだ?」
そうアルスが訊いてくる。
「二人はポチに興味が合ったみたいでそれで仲良くなったんだ。」
「ええ。シルバーウルフをまじかで見るのは初めてだったから、びっくりしちゃった・・・。」
「そうなのか?」
「そう言えば、アルスはクリスとはどうやって知り合ったの?」
「俺たちは席が隣同士で同じ剣を使う者同士気が合ってな・・・。つい話し込んでしまった。」
「ああ、アルスは試験官を倒したってことで驚いたぜ。俺なんて負けてしまったしな。」
「そうなんだ・・・。ハリスは?」
「俺もアルスと同じ感じかな?こいつの家も鍛冶屋で俺の剣をほめてな・・・。」
「だって、ハリスの剣は本当に良く出来てるもん。ハリスのお父さんは相当腕がいいね!」
「そう言ってもらえると親父も喜ぶだろう。」
そんな会話をしていると話題は定期試験のことになる。
「しかし、定期試験の模擬戦争・・・。相当難しいよな。」
「そうだね・・・。特にアーガスとアンクートの貴族連中は見た感じ既に険悪だしな・・・。」
「アルスのクラスもか?俺のクラスでもやっぱりあんまりいい空気じゃないな。平民同士はそういうのは気にしてないみたいだが・・・。」
「そうだね・・・。」
その話題になると少し、重い空気が流れる。
「なあ、アリス、ソーマ。アーガスとアンクートの貴族はなんであんなに仲が悪いんだ?」
そうアルスが訊くとソーマが答える。
「まあ、昔からアンクートは敵だって教育されてきたからな・・・。俺だってアンクートの人間とは出来るだけ関わりたいと思わないし・・・。」
「そうか・・・。そうだ。そう言えば課外授業ではクラス関係なしでパーティーが組めるらしいんだが、俺達でパーティー組まないか?」
そうアルスが提案する。
「いいね。課外授業っていうと確か、モンスター退治や護衛任務とかがあったよね。」
「俺とイーグル、ハリスとメリア、クリス、ソーマとアリス。全部で7人か・・・。ちょうどいいな。」
「それぞれ、何が得意か言ってくれ。ちなみに俺は剣術と魔法が少し使える。」
「俺も剣術だな。魔法の方は使えないがその分大剣を活かして戦う。」
「私は補助魔法が得意です。攻撃魔法は初級魔法が使える程度ですね。」
「俺は攻撃魔法が得意だ。」
「あたしはアルスとハリスと同じ剣術ね。あたしの場合、力で押すというより速さで敵を翻弄する戦いが得意かな。」
「俺も同じだ。」
「僕は攻撃と補助の魔法は一通り使える。後はポチも前衛に加えれば結構いいパーティーになると思う。」
一通り、僕たちは得意分野を説明する。するとアルスはその様子を頭の中でシュミレーションしたようだ。
「よし、前衛は俺とクリス、ハリス、メリア。後衛はアリス、とソーマ、それにイーグルで決定だな。ポチは臨機応変に動いてもらえばいいからそこはイーグルに任せる。」
「分かった。」
「じゃあ、話は早い方がいい。早速、魔物退治のクエストを俺が見繕ってくるから放課後またここに集合な。」
その時丁度、昼休みの終わりの鐘がなる。
そして、放課後。
僕たちはアルスに言われた通りの場所に集合した。
「よし、クエストの内容についてだが・・・。ゴブリンの小隊が近くの村を襲撃しているようだ。なので、週末の朝出発する。そして、その小隊のキャンプを壊滅させる。場所は馬車で2時間といったところだ。」
「さすが、アルス。もう依頼を見つけてきたんだね。」
「まあな。それでだ。俺たちのパーティーの名前を考えようと思うんだが何がいいのあるか?」
そう聞いたアルスにみんな一様に黙り込む。
「ねぇ、とりあえず、パーティーの名前はあとで考えるとして当日の動きを考えようよ。」
「ああ、そうだな。とりあえずは、その襲われた村での聞き取り調査。その後にキャンプの情報収集。それでもし、行けそうなら殲滅というのはどうだ?」
「うん。いいと思う。」
「私も異存ありません。」
他の皆も頷く。
「じゃあ、週末の朝校門前に集合な。馬車の手配は俺がしておくから。」
そうして、今日は解散となった。
週末は、初めてのクエストだ。
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