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22話 勇者と無能の力の差
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「シルビア!ジラルド!」
『ショウマ・・・。それに獣人たちもどうしてここに?』
「話はあとだ!それよりもすぐに逃げるよ!」
そう言って僕はシルビアたちを繋ぐ鎖を見る。
「ダグラスさん!この鎖どうにかできますか?」
「ああ・・・。このくらいの強度のモノなら壊せる。ただ、この鎖には強度を強化する魔法が付与されているみたいだな・・・。」
「わかりました。魔法の無効化は僕がやります。」
そう言って僕は鎖を掴み魔力を流す。すると、鎖からガラスの割れるような音が響く。
「ふん!」
ダグラスさんは鎖を引きちぎるとシルビアたちを解放する。
『助かったわ。』
「当然のことだよ。それよりも早くここから出よう。」
そう言って走り出そうとした時だった。
「見つけたぞ!脱獄囚だ!!」
見回りの兵士が声を上げる。その瞬間、隣でアルスの姿が揺らいだと思ったら兵士の横に立っており次の瞬間地面に倒れていた。
「・・・殺したの?」
アルスの右手には剣が握られていたため恐る恐る訊くとアルスは首を振る。
「峰内だ。それよりも急ごう。」
「うん!」
僕達は城を脱出するために走り出した。
「見えてきた!この先の塀を超えれば城の裏の森に出る!そこから、脱出しよう!」
僕がそう言った時だった。
「ショウマ!危ない!」
そう言ってアルスは僕の首根っこを掴んで後ろに引っ張る。
次の瞬間、まばゆい光と破裂音が近くで聞こえてきた。
その先をよく見るとそこには焼け焦げた穴が穿たれていた。
「・・・正真。」
そこに立っていたのは正悟兄さんと正文兄さん。あと、美沙姉さんだった。
「正真、自分が何をやっているのか分かっているのか?」
「うん、わかっている。兄さん達に迷惑をかけることもわかっている。」
「そんな・・・。分かっていて何で!?」
美沙姉さんが僕に問いかける。
「確かにミーシャ女王様たちを差し出せばケルタイネンとの戦争は回避できると思う。でも、それによってミーシャ女王様たちが救われない。」
「・・・正真、いい加減にしろ!お前一人でどうにかなる問題じゃないんだ!お前の選択で多くの血が流れるんだぞ!?」
「・・・わかってる。それでも、ミーシャ女王たちを・・・仲間を見捨てることなんてできない!!」
僕は正悟兄さんの目を見て答える。正悟兄さんも僕を真剣な目で見つめる。
「・・・正悟兄さん、もう話し合いは無理だろう?」
そう言って正文兄さんは刀を抜く。
「もう正真は俺達とは違う道を選んだ。もう、正真は俺たちの敵だ。」
「正文・・・。」
「正悟兄さんと美沙姉さんは獣人の女王様の確保を・・・。正真は俺が・・・。」
そう言って正文兄さんは刀を構える。
その姿は一寸のスキもなく少しでも動いたら切られる。
(くそ・・・。こうなることは分かっていた。それでも、もしかしたら、兄さん達ならわかってくれると心のどこかで思っていたんだろうな・・・。)
僕は盾を割り両腕に付ける。
「・・・ここを退いてくれ、正文兄さん。」
「いや、退かないね・・・。もし、退かしたいなら俺を倒していけ!!」
瞬間、兄さんは駆け出し僕に肉薄した。
「くっ!?」
僕は両手で体を守るように盾を構える。その瞬間、刀が盾にぶつかり火花を散らした。
「「紫電」」
刀の刃がぶつかった場所から電流が走り僕に迫る。
「くっ!」
僕は感電して膝をつく。
「・・・これが俺とお前の実力の差だ。結局はお前の我侭なんだよ・・・。」
正文兄さんは悲しげな顔で僕を見る。
「お前はあのまま、無能を演じていればよかったんだ。そうすれば、こんなことには・・・。」
そう言って正文兄さんは刀を振りあげる。
「・・・すまんな。せめて、俺の手で・・・。」
「ショウマ様!!!」
マリアの声が遠くから聞こえる。
僕は自分の無力さを抱えて目を閉じるのだった。
『ショウマ・・・。それに獣人たちもどうしてここに?』
「話はあとだ!それよりもすぐに逃げるよ!」
そう言って僕はシルビアたちを繋ぐ鎖を見る。
「ダグラスさん!この鎖どうにかできますか?」
「ああ・・・。このくらいの強度のモノなら壊せる。ただ、この鎖には強度を強化する魔法が付与されているみたいだな・・・。」
「わかりました。魔法の無効化は僕がやります。」
そう言って僕は鎖を掴み魔力を流す。すると、鎖からガラスの割れるような音が響く。
「ふん!」
ダグラスさんは鎖を引きちぎるとシルビアたちを解放する。
『助かったわ。』
「当然のことだよ。それよりも早くここから出よう。」
そう言って走り出そうとした時だった。
「見つけたぞ!脱獄囚だ!!」
見回りの兵士が声を上げる。その瞬間、隣でアルスの姿が揺らいだと思ったら兵士の横に立っており次の瞬間地面に倒れていた。
「・・・殺したの?」
アルスの右手には剣が握られていたため恐る恐る訊くとアルスは首を振る。
「峰内だ。それよりも急ごう。」
「うん!」
僕達は城を脱出するために走り出した。
「見えてきた!この先の塀を超えれば城の裏の森に出る!そこから、脱出しよう!」
僕がそう言った時だった。
「ショウマ!危ない!」
そう言ってアルスは僕の首根っこを掴んで後ろに引っ張る。
次の瞬間、まばゆい光と破裂音が近くで聞こえてきた。
その先をよく見るとそこには焼け焦げた穴が穿たれていた。
「・・・正真。」
そこに立っていたのは正悟兄さんと正文兄さん。あと、美沙姉さんだった。
「正真、自分が何をやっているのか分かっているのか?」
「うん、わかっている。兄さん達に迷惑をかけることもわかっている。」
「そんな・・・。分かっていて何で!?」
美沙姉さんが僕に問いかける。
「確かにミーシャ女王様たちを差し出せばケルタイネンとの戦争は回避できると思う。でも、それによってミーシャ女王様たちが救われない。」
「・・・正真、いい加減にしろ!お前一人でどうにかなる問題じゃないんだ!お前の選択で多くの血が流れるんだぞ!?」
「・・・わかってる。それでも、ミーシャ女王たちを・・・仲間を見捨てることなんてできない!!」
僕は正悟兄さんの目を見て答える。正悟兄さんも僕を真剣な目で見つめる。
「・・・正悟兄さん、もう話し合いは無理だろう?」
そう言って正文兄さんは刀を抜く。
「もう正真は俺達とは違う道を選んだ。もう、正真は俺たちの敵だ。」
「正文・・・。」
「正悟兄さんと美沙姉さんは獣人の女王様の確保を・・・。正真は俺が・・・。」
そう言って正文兄さんは刀を構える。
その姿は一寸のスキもなく少しでも動いたら切られる。
(くそ・・・。こうなることは分かっていた。それでも、もしかしたら、兄さん達ならわかってくれると心のどこかで思っていたんだろうな・・・。)
僕は盾を割り両腕に付ける。
「・・・ここを退いてくれ、正文兄さん。」
「いや、退かないね・・・。もし、退かしたいなら俺を倒していけ!!」
瞬間、兄さんは駆け出し僕に肉薄した。
「くっ!?」
僕は両手で体を守るように盾を構える。その瞬間、刀が盾にぶつかり火花を散らした。
「「紫電」」
刀の刃がぶつかった場所から電流が走り僕に迫る。
「くっ!」
僕は感電して膝をつく。
「・・・これが俺とお前の実力の差だ。結局はお前の我侭なんだよ・・・。」
正文兄さんは悲しげな顔で僕を見る。
「お前はあのまま、無能を演じていればよかったんだ。そうすれば、こんなことには・・・。」
そう言って正文兄さんは刀を振りあげる。
「・・・すまんな。せめて、俺の手で・・・。」
「ショウマ様!!!」
マリアの声が遠くから聞こえる。
僕は自分の無力さを抱えて目を閉じるのだった。
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