僕はどうやら神様の手違いにより飛ばされたみたいです。 旧バージョン

わっしー

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49話 それぞれの魔法 アルス・ミーシャ編

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ギルドハウスから出て僕たちは武具屋に向かった。
「クエストをたくさん受けたおかげでお金も大分たまったからな、ここらで装備を一新するのもいいかと思ったんだ。」
そう言いながらアルスは剣を取り出す。
アルスの剣は丁寧に手入れされている。
「俺たち獣人は魔法を放出出来ない。そのため、魔法を使う時は武器等に魔法を纏わせて使う訳なんだが普通の武具だと魔法の伝達能力が悪い。だから、魔法を通しやすい武具が必要という訳だ。」
そう話していると武具店に到着した。
「いらっしゃい!」
店主の明るい声が店に響く。
「店主!ミスリル製の武具を見せて欲しいんだが?」
「へい!わかりました!」
そう言って店主は店の奥に引っ込む。
「ミスリル?」
僕の知っているミスリルというとなんか鉄よりも強い的な認識しかないんだけど・・・。
「ミスリルは鉄に比べると強度は高くない。だが、魔法の伝達能力が非常に高くて主に中堅や上級の戦士や騎士が愛用している。」
アルスの説明によると・・・。
ミスリルとは別命「魔法鉱石」と呼ばれており、それ自体の強度はそれほど高くない。
しかし、魔法の伝達能力は高く銀行の金庫の扉や宝物庫の扉に使われることが多いということだ。
ただ、ミスリル製の武具は魔法を発動させることで強度や威力を増すという性質があるため魔法の扱いに疎い戦士などには扱うことが難しいとのことだ。
「その上位互換と呼ばれるのがオリハルコンなのだが、オリハルコンは非常に採掘率の低い鉱物でその鉱物を使った武器は屋敷一軒分の価値がある品物だ。」
「へぇ・・・。オリハルコンってそんなに凄い鉱物なの?」
「ああ。強度も魔法伝達能力も鉄やミスリルとはケタ違いだからな・・・。伝説の武具の素材には大抵オリハルコンが使われている。」
「そうなんだ・・・。」
話を聞いた限りだと、僕には縁がなさそうなものだということが分かった。
「お待たせしやした!」
店主が店の奥から出てくる。
押し車に多くの武器を乗せていた。
「さて、武器を選ぼうじゃないか。」
そう言ってみんな、押し車に集まる。
「これなんか、オススメですぜ!」
そう言って店主が取り出したのは青い刀身をしたロングソードだった。
「刀身はミスリルを5割使い、鉄で強度を補強しているため身持ちがいいですぜ!」
「そうか・・・。店主、試しても良いか?」
「ええ!ぜひ、試してくだせい!」
アルスが店主に確認を取ってから魔法を発動する。
アルスの全身から赤い魔力が沸き上がり剣に移る。
すると。剣の刀身が青から赤に変色して炎を吹き出す。
「わぁ!すごい!」
僕はアルスの魔法を見て素直に驚く。
「ふむ・・・。確かに良い感じだな。魔力伝達度も強度も申し分なさそうだ・・・。」
アルスは一振りして剣の具合を確かめる。
「うん、気に入った。俺はこれにしようと思う。」
「ありがとうございやす!」
アルスの答えに店主は嬉しそうに返事をした。
「私も試してみてもよろしいかしら?」
ミーシャさんが手に持ったのは柄までが青色に染まった槍だった。
「お客さん。その槍は柄までミスリル製のモノですぜ?主に魔法使いが接近戦に持ち込まれたときの護身用みたいなモノですから・・・。」
店主は渋い顔をする。
「問題ありません。」
しかし、ミーシャさんは顔色を変えずに答える。
そして、ミーシャさんは黄色の魔力を全身から纏わせた。
次の瞬間、槍の表面はミスリルから大理石に変化した。
「こりゃ、驚いた!アンタ、物質変化が出来るのかい!?」
「ええ。」
そう言ってミーシャさんは店内を見る。
「店主。あの、木偶を使っても?」
そこには木で出来た木偶人形が置かれていた。
「かまわねぇが・・・?」
「ありがとう。」
そう言ってミーシャさんは槍を木偶に突き立てた。
次の瞬間、木偶は突き刺された部分から大理石に変化していく。
その代わりに、槍は大理石から青色に戻って行った。
「すごい!こんな使い方も出来るんですね!」
「これも試してみようかしら・・・。」
そう言うと、ミーシャさんはまた、自身の魔力を槍に流し始めた。
すると、今度は青から茶色に変色する。
見た目も何だかボロボロで心許無い。
そして、ミーシャさんはまた槍で大理石製になった木偶を刺す。
すると、刺さった場所から今度は土くれになってボロボロに崩れ始める。
「こんなモノかしら?」
「うわぁ・・・。」
その光景を見て僕は恐怖した。
どうやら、ミーシャさんは物質変換が得意のようだ。
槍に魔法を通すことでその槍が刺さった個所の物質の材質を変えてしまうようだ。
大理石ならその重さで相手の動きを封じることが出来るし、土くれにすれば相手の武具を破壊できる。
これはかなり恐ろしい攻撃だ。
「気に入りました。私はこの槍にいたします。」
「毎度あり!」
店主は嬉しそうに答えた。
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