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第二章
プロローグ2
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私は震えていた。
目の前にはさっきまで楽しく話をしていた仲間たち・・・。
しかし、彼は虚ろな目で私を見つめていた。
その彼の周りにはその幼馴染の冒険者の少女と自信家の少女が緑色の小人に輪姦されていた。
緑色の小人、ゴブリンは彼女たちに夢中で私を見ていない。
(は・・・早く、助けないと・・・。)
私は手に持った杖を握りしめるが恐怖で手に力が入らない。
「・・・げて・・・。」
そんな私に自信家の少女が何かを呟いていた。
「・・・にげ・・・て・・。」
私はそんな彼女の言葉を聞いた瞬間、何もかも捨てて洞窟の出口を目指す。
(逃げないと!皆を助けてもらうために逃げないと!!)
私は無我夢中で走る。
しかし、そんな私の右肩にトスッと何かが刺さる。
「・・・!?」
突然の痛みに私は足を縺れてしまい固い地面に転ぶ。
「げげげ・・・。」
振り向くとそこにはゴブリンたちが武器を持って私に向かってくる。
「ひっ・・・!?」
私は右肩を抑えながら後ずさりする。
しかし、転んだ拍子に足を捻ってしまったようで立つことが出来ない。
そんな私にゴブリンは下卑た笑みを浮かべながら近づいていた。
そして、ゴブリンは私の服を破りその陰部を押し付けてくる。
(もう・・・ダメ・・・。)
その時だった。
「ぎっ!?」
私の秘所に陰部を差し込もうとしたゴブリンは額に短剣を受けて絶命する。
私は急いでゴブリンの亡骸から離れる。
すると、私の後ろから足音が響く。
そこには二人の男女が居た。
一人は盾を持った男性。
もう一人は銀髪の獣人の少女だった。
「シルビア。」
「はい、主様。」
シルビアと呼ばれた銀髪の獣人は銀色の光に包まれる。
その光はゴブリンたちに向かっていきゴブリンたちを切り裂く。
「あれは・・・。」
そこには狼がゴブリンの頭をかみ砕いていた。
「ぎぎ!!」
弓を持ったゴブリンが男性に向かって矢を放つ。
「危ない・・・!?」
しかし、男性はその矢を盾で弾く。
その間に弓を持ったゴブリンは狼にかみ砕かれた。
「・・・。」
男性はリュックから何かを取り出すと私に掛けた。
「あ・・・。」
「この先に僕の仲間が居ます。そこまでお送りします。」
「あの!この先に私の仲間が・・・!」
「・・・そうですか。」
彼は複雑そうな顔になる。
「・・・わかりました。善処します。」
そう言って彼は狼と一緒に奥に進む。
『主様・・・。あの人の仲間は無事かな?』
「・・・無事ではないだろうね。」
僕はシルビアに言う。
『・・・そっか。』
シルビアも本当は分かっていたことなのだろう。
この数か月、ゴブリンたちと戦ってきて経験してきたこと・・・。
「・・・せめて、彼女の仲間の亡骸だけでも持ち帰ることが出来ればいいけど・・・。」
『・・・はい。』
僕は所々に灯っている松明の光を頼りに先に進む。
「ぎぎ!」
そこにゴブリンたちが武器を持って現れる。
「シルビア、行くぞ。」
『はい!』
僕たちはゴブリンに接近する。
ゴブリンたちは短剣を持って僕たちに飛びかかって来る。
それを僕は盾で殴り倒してゴブリンたちを地面に叩きつける。
そして、地面に倒れ伏すゴブリンたちの首をナイフで突き刺す。
「・・・!」
ゴブリンはもがくが構わず止めを刺す。
『主様、こっちは終わりました。』
僕に向かって来たゴブリンの最後の一匹の息の根を止めているとシルビアが声を掛けてきた。
「お疲れ様、シルビア。」
『この臭いは・・・。』
「うん・・・。」
僕は壁に掛かっていた松明を取ると奥を照らす。
そこには腹部を膨らませている裸の女性たちが吊るされていた。
「・・・何度見ても慣れないな。」
その女性たちは孕ませ袋となった女性たちだった。
「・あ・・ぁ・・・。」
彼女たちからゴブリンたちの精の臭いが漂ってきた。
その身体には酷い傷がつけられており中には化膿していたり手足が腐っていたりと酷い状況だった。
「・・・助けるのが遅くなってごめんなさい。」
彼女たちの様子を見て僕はナイフを出す。
『主様・・・。』
「・・・大丈夫。」
僕は彼女たちを一人、また一人とそのナイフで刺し殺す。
『主様・・・。奥に・・・。』
そう言われて僕は奥を見る。
そこには傷だらけの少女が二人裸で転がっていた。
「あ・・・あなた・・・は・・・?」
「助けに来た。もう、ゴブリンたちはいない・・・。」
「そ・・・う・・・。ねぇ・・・。わたし・・・たち・・と・・・おなじ・・・くらい・・の・・・おんな・・の・・・こ・・・。」
「大丈夫。彼女は無事だ・・・。」
「そ・・・か・・・。」
僕は奥を見る。
そこにはゴブリンたちの幼生が僕を憎しみのこもった眼差しで見ていた。
「・・・ゴメン。」
僕はシルビアに二人を見ていてもらうと奥に向かう。
「ぎ・・・!」
僕はゴブリンの幼生を掴むとその首にナイフを突き刺す。
出来るだけ苦しまない様に一撃で息の根を止めて行く。
僕の手に広がるのは血の生温かい感触。
そして、反対に急速に冷えるゴブリンの身体。
「・・・。」
僕は無言で彼らを刺し殺していく。
それらの遺体をその場にあった毛布で包む。
「シルビアは出口に居るソーマさん達を呼んできて・・・。」
『主様は?』
「この人たちの治療を・・・。」
僕は治療薬を取り出す。
『・・・わかった。』
シルビアは走り出す。それを見送って僕は生き残った彼女たちに近づく。
「苦いかもしれないけどこれを飲んで・・・。」
「・・・これ・・・は・・・?」
「解毒薬だ。ゴブリンの催淫の体液を打ち消す・・・。」
そう言って僕は彼女に治療薬を飲ませるのだった。
目の前にはさっきまで楽しく話をしていた仲間たち・・・。
しかし、彼は虚ろな目で私を見つめていた。
その彼の周りにはその幼馴染の冒険者の少女と自信家の少女が緑色の小人に輪姦されていた。
緑色の小人、ゴブリンは彼女たちに夢中で私を見ていない。
(は・・・早く、助けないと・・・。)
私は手に持った杖を握りしめるが恐怖で手に力が入らない。
「・・・げて・・・。」
そんな私に自信家の少女が何かを呟いていた。
「・・・にげ・・・て・・。」
私はそんな彼女の言葉を聞いた瞬間、何もかも捨てて洞窟の出口を目指す。
(逃げないと!皆を助けてもらうために逃げないと!!)
私は無我夢中で走る。
しかし、そんな私の右肩にトスッと何かが刺さる。
「・・・!?」
突然の痛みに私は足を縺れてしまい固い地面に転ぶ。
「げげげ・・・。」
振り向くとそこにはゴブリンたちが武器を持って私に向かってくる。
「ひっ・・・!?」
私は右肩を抑えながら後ずさりする。
しかし、転んだ拍子に足を捻ってしまったようで立つことが出来ない。
そんな私にゴブリンは下卑た笑みを浮かべながら近づいていた。
そして、ゴブリンは私の服を破りその陰部を押し付けてくる。
(もう・・・ダメ・・・。)
その時だった。
「ぎっ!?」
私の秘所に陰部を差し込もうとしたゴブリンは額に短剣を受けて絶命する。
私は急いでゴブリンの亡骸から離れる。
すると、私の後ろから足音が響く。
そこには二人の男女が居た。
一人は盾を持った男性。
もう一人は銀髪の獣人の少女だった。
「シルビア。」
「はい、主様。」
シルビアと呼ばれた銀髪の獣人は銀色の光に包まれる。
その光はゴブリンたちに向かっていきゴブリンたちを切り裂く。
「あれは・・・。」
そこには狼がゴブリンの頭をかみ砕いていた。
「ぎぎ!!」
弓を持ったゴブリンが男性に向かって矢を放つ。
「危ない・・・!?」
しかし、男性はその矢を盾で弾く。
その間に弓を持ったゴブリンは狼にかみ砕かれた。
「・・・。」
男性はリュックから何かを取り出すと私に掛けた。
「あ・・・。」
「この先に僕の仲間が居ます。そこまでお送りします。」
「あの!この先に私の仲間が・・・!」
「・・・そうですか。」
彼は複雑そうな顔になる。
「・・・わかりました。善処します。」
そう言って彼は狼と一緒に奥に進む。
『主様・・・。あの人の仲間は無事かな?』
「・・・無事ではないだろうね。」
僕はシルビアに言う。
『・・・そっか。』
シルビアも本当は分かっていたことなのだろう。
この数か月、ゴブリンたちと戦ってきて経験してきたこと・・・。
「・・・せめて、彼女の仲間の亡骸だけでも持ち帰ることが出来ればいいけど・・・。」
『・・・はい。』
僕は所々に灯っている松明の光を頼りに先に進む。
「ぎぎ!」
そこにゴブリンたちが武器を持って現れる。
「シルビア、行くぞ。」
『はい!』
僕たちはゴブリンに接近する。
ゴブリンたちは短剣を持って僕たちに飛びかかって来る。
それを僕は盾で殴り倒してゴブリンたちを地面に叩きつける。
そして、地面に倒れ伏すゴブリンたちの首をナイフで突き刺す。
「・・・!」
ゴブリンはもがくが構わず止めを刺す。
『主様、こっちは終わりました。』
僕に向かって来たゴブリンの最後の一匹の息の根を止めているとシルビアが声を掛けてきた。
「お疲れ様、シルビア。」
『この臭いは・・・。』
「うん・・・。」
僕は壁に掛かっていた松明を取ると奥を照らす。
そこには腹部を膨らませている裸の女性たちが吊るされていた。
「・・・何度見ても慣れないな。」
その女性たちは孕ませ袋となった女性たちだった。
「・あ・・ぁ・・・。」
彼女たちからゴブリンたちの精の臭いが漂ってきた。
その身体には酷い傷がつけられており中には化膿していたり手足が腐っていたりと酷い状況だった。
「・・・助けるのが遅くなってごめんなさい。」
彼女たちの様子を見て僕はナイフを出す。
『主様・・・。』
「・・・大丈夫。」
僕は彼女たちを一人、また一人とそのナイフで刺し殺す。
『主様・・・。奥に・・・。』
そう言われて僕は奥を見る。
そこには傷だらけの少女が二人裸で転がっていた。
「あ・・・あなた・・・は・・・?」
「助けに来た。もう、ゴブリンたちはいない・・・。」
「そ・・・う・・・。ねぇ・・・。わたし・・・たち・・と・・・おなじ・・・くらい・・の・・・おんな・・の・・・こ・・・。」
「大丈夫。彼女は無事だ・・・。」
「そ・・・か・・・。」
僕は奥を見る。
そこにはゴブリンたちの幼生が僕を憎しみのこもった眼差しで見ていた。
「・・・ゴメン。」
僕はシルビアに二人を見ていてもらうと奥に向かう。
「ぎ・・・!」
僕はゴブリンの幼生を掴むとその首にナイフを突き刺す。
出来るだけ苦しまない様に一撃で息の根を止めて行く。
僕の手に広がるのは血の生温かい感触。
そして、反対に急速に冷えるゴブリンの身体。
「・・・。」
僕は無言で彼らを刺し殺していく。
それらの遺体をその場にあった毛布で包む。
「シルビアは出口に居るソーマさん達を呼んできて・・・。」
『主様は?』
「この人たちの治療を・・・。」
僕は治療薬を取り出す。
『・・・わかった。』
シルビアは走り出す。それを見送って僕は生き残った彼女たちに近づく。
「苦いかもしれないけどこれを飲んで・・・。」
「・・・これ・・・は・・・?」
「解毒薬だ。ゴブリンの催淫の体液を打ち消す・・・。」
そう言って僕は彼女に治療薬を飲ませるのだった。
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