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第二章
37話
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「貴様!?どうやって入ってきた!?この屋敷には腕利きの冒険者たちがいたのだぞ!?」
正文兄さんにギザラは聞く。
「そいつらなら今は夢の中だ。」
そう言って正文兄さんは僕に近づく。
「立てるか、正真?」
「・・・ダメみたい口は動くけど手足に力が入らない。」
「そうか。」
そう言って兄さんは懐から瓶を取り出す。
「これを飲め。」
そう言って兄さんは瓶を近づけてくれる。
その中身を嚥下するとたちまち手足から痺れが消える。
「・・・うげぇ。」
しかし、その薬は苦くてつい声が出てしまう。
「動けるか?」
「うん、大丈夫。」
僕は腕の感触を確認した。
ナイフが刺さった右肩は痛むが動けないほどではない。
「ちっ!おい!貴様ら今まで散々いい思いをさせてきてやったのだからこいつらをどうにかしろ!」
「ぐおおお!!」
ギザラの言葉にゴブリンたちは従う。
「正真、やるぞ!」
「でも、武器が・・・。」
「これのことか?」
そう言って渡されたのは僕がいつも使っているナイフだった。
「マリアって子から預かった。」
「ありがとう。」
僕はナイフを構える。
ゴブリンたちを見る。
この部屋には合計10体のゴブリンがいた。
その内の1体は正真兄さんに首を刎ねられて床に転がっている。
「残り9体だな。」
「うん。」
内訳はゴブリンエリート5体とゴブリンマジシャン3体、ゴブリンキングとなっている。
「ぐおおお!!」
ゴブリンエリートが突撃してくる。
「ふん!」
しかし、兄さんの一振りにより両断された。
「ぎぃ!!」
ゴブリンマジシャンは火の玉を兄さんに放つ。
「させるか!」
僕は破魔魔法を発動させてナイフに纏わせる。
そして、そのナイフを投擲して火の玉に当てると火の玉は霧散した。
「もう一撃!」
僕はもう一本のナイフにも同じように魔力を纏わせる。
そして、ゴブリンマジシャンに投擲した。
「ギギ!」
しかし、ナイフはゴブリンマジシャンによって叩き落とされてしまう。
「ギィ?」
だが、ナイフが当たった個所から銀の魔力が移り、銀の魔力はゴブリンマジシャンに纏わりつくのだった。
「よし、成功だ!」
この数ヶ月魔力を放つ特訓をしていたのだが上手くいかず悩んでいた時、思いついたのがこの技だった。
「さて、残りも!」
僕は次々にナイフを投擲する。
そのどれもが叩き落とされるがゴブリンマジシャンの魔力を封じるのには成功した。
「兄さん!ゴブリンマジシャンの魔法を封じたからチャンスだよ!」
「わかった。」
そう言うと兄さんはゴブリンマジシャンたちに走り寄る。
ゴブリンマジシャンも魔法を放とうとするが僕の破魔魔法によって魔法が発動できず一閃の内に沈んだのだった。
「さて、後はコイツだけだな。」
そう言って兄さんはゴブリンキングを見る。
「おおおお!!」
ゴブリンキングは咆哮をあげて武器を構えるのだった。
正文兄さんにギザラは聞く。
「そいつらなら今は夢の中だ。」
そう言って正文兄さんは僕に近づく。
「立てるか、正真?」
「・・・ダメみたい口は動くけど手足に力が入らない。」
「そうか。」
そう言って兄さんは懐から瓶を取り出す。
「これを飲め。」
そう言って兄さんは瓶を近づけてくれる。
その中身を嚥下するとたちまち手足から痺れが消える。
「・・・うげぇ。」
しかし、その薬は苦くてつい声が出てしまう。
「動けるか?」
「うん、大丈夫。」
僕は腕の感触を確認した。
ナイフが刺さった右肩は痛むが動けないほどではない。
「ちっ!おい!貴様ら今まで散々いい思いをさせてきてやったのだからこいつらをどうにかしろ!」
「ぐおおお!!」
ギザラの言葉にゴブリンたちは従う。
「正真、やるぞ!」
「でも、武器が・・・。」
「これのことか?」
そう言って渡されたのは僕がいつも使っているナイフだった。
「マリアって子から預かった。」
「ありがとう。」
僕はナイフを構える。
ゴブリンたちを見る。
この部屋には合計10体のゴブリンがいた。
その内の1体は正真兄さんに首を刎ねられて床に転がっている。
「残り9体だな。」
「うん。」
内訳はゴブリンエリート5体とゴブリンマジシャン3体、ゴブリンキングとなっている。
「ぐおおお!!」
ゴブリンエリートが突撃してくる。
「ふん!」
しかし、兄さんの一振りにより両断された。
「ぎぃ!!」
ゴブリンマジシャンは火の玉を兄さんに放つ。
「させるか!」
僕は破魔魔法を発動させてナイフに纏わせる。
そして、そのナイフを投擲して火の玉に当てると火の玉は霧散した。
「もう一撃!」
僕はもう一本のナイフにも同じように魔力を纏わせる。
そして、ゴブリンマジシャンに投擲した。
「ギギ!」
しかし、ナイフはゴブリンマジシャンによって叩き落とされてしまう。
「ギィ?」
だが、ナイフが当たった個所から銀の魔力が移り、銀の魔力はゴブリンマジシャンに纏わりつくのだった。
「よし、成功だ!」
この数ヶ月魔力を放つ特訓をしていたのだが上手くいかず悩んでいた時、思いついたのがこの技だった。
「さて、残りも!」
僕は次々にナイフを投擲する。
そのどれもが叩き落とされるがゴブリンマジシャンの魔力を封じるのには成功した。
「兄さん!ゴブリンマジシャンの魔法を封じたからチャンスだよ!」
「わかった。」
そう言うと兄さんはゴブリンマジシャンたちに走り寄る。
ゴブリンマジシャンも魔法を放とうとするが僕の破魔魔法によって魔法が発動できず一閃の内に沈んだのだった。
「さて、後はコイツだけだな。」
そう言って兄さんはゴブリンキングを見る。
「おおおお!!」
ゴブリンキングは咆哮をあげて武器を構えるのだった。
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