僕はどうやら神様の手違いにより飛ばされたみたいです・・・。

わっしー

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第二章

36話

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目を覚ますと僕は暗い部屋に居た。
「目を覚ましたか・・・。」
僕に話しかけてきたのは一人の男だった。
その男は上質な生地で織られた服を身にまとい、体格は中年太りだった。
部屋には仄かに灯り火がある程度だった。
「今までよくも儂の邪魔をしてくれたな。」
「・・・アンタは?」
「儂の名前はベルダイネン家の当主、ギサラ・ベルダイネンだ。」
「ベルダイネン・・・。」
僕は休んでいる間に読んだ報告書のことを思い出す。
「・・・ゴブリンの繁殖と媚薬の生成・販売の?」
「そこまで調べ上げていたか・・・。」
ギサラは感心したように頷く。
「その通り!すべては儂がやったことだ!」
「なぜ、そんなことを?」
僕はギサラを睨み付ける。
「理由か?・・・まあ、大した理由ではないがな・・・。」
そう言ってギサラは語りだす。
「最初は興味だった。ゴブリンたちに孕ませ袋にされた女どもを引き取ってそいつらを犯した。そしたらもう本当に気持ち良くてな・・・。儂はその後もその女どもを買い取っては犯し続けた。」
ギサラはそう言って下品な笑みを浮かべる。
「しかし、それにも飽きたある日ゴブリンを一匹捕らえることに成功した。そこで、余興で屋敷のメイドをゴブリンに輪姦させてみたのだ。するとどうだ!そのメイドは清純で可憐な少女でな・・・。しかし、その少女もゴブリンと交わった瞬間ケダモノに変わった。あの時の興奮は忘れられない!」
ギサラはその時のことを思い出したのかクツクツと笑い出す。
「その時、ゴブリンの精液に催淫効果があることが分かった。これを使わない手はないだろ?儂はその後も研究を重ねて製品化した。これが他の貴族共にも売れたさ!」
ギサラは笑いながら説明する。
ゴブリンの精液を使った媚薬をお抱えの商人に販売して貴族に売る。
それにより材料が足りなくなりそれを補うためにギルドを経営している貴族に頼み材料を調達した。
そして、ゴブリンたちを繁殖させるため村を襲わせ孕ませ袋を生成したとのことだ。
「お前・・・!」
「何を怒ることがある?民とは我々の道具だ。道具をどう使おうが勝手だろ?」
「ふざけるな!人の命だぞ!」
「奴らなど、ほっといたら増えている。なら、そいつらを間引くのも上の者の責務だ。」
「狂っている・・・。」
ギザラを睨み付ける。
「さて、お前には散々邪魔されたからな・・・。しかし、ただ殺すのは楽しくない。」
そう言ってギザラは笑う。
「お前の館には女がいっぱいいたな・・・。そいつらをコイツ等に襲わせたらどうなるかな?」
そう言ってギザラが呼び出したのはゴブリンだった。
しかも、ただのゴブリンではなくゴブリンエリートやゴブリンマジシャンがいた。
「そんな・・・。」
さらにその後ろにはゴブリンキングまでいた。
ゴブリンキングはその名の通りゴブリンの王だ。
討伐ランクはA。
「こいつ等を街に放てばどうなるかな?」
「貴様・・・!」
「さて・・・。最初の被害者はお前だ。奴をゆっくり痛みを与えて殺せ。」
「ぐぅおお!!」
ゴブリンエリートたちが僕に近づく。
「くそ・・・・。」
このまま僕は終わるのか?
「「紫電」!」
その時、僕の近くで雷光が走りゴブリンエリートの頭が落ちる。
「待たせたな。」
「正文兄さん!?」
そこには刀を抜いた正文兄さんがいた。
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