僕はどうやら神様の手違いにより飛ばされたみたいです・・・。

わっしー

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冒険者 外伝

外伝 1話

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私の名前はソーニャ。
冒険者をしている。
職業は僧侶だが、ソロで活動している。
今回も新人冒険者のパーティーに入れてもらってゴブリン退治に勤しんでいた。
「ふう・・・こんな所だろ。」
そういうのはこのパーティーのリーダーである剣士の青年だった。
年は私とあまり変わらない。
「油断しないで。どこに潜んでいるかわからないわ。」
「ゴブリンなんてどこからかかってこようとこの俺様がズバッと退治してやるよ!」
「調子に乗るんじゃないよ。」
そう言って彼の頭に拳骨を落とすのは武闘家の少女だった。
「痛っ!?何しやがる、この怪力女!?」
「こっちのセリフよ!先輩が気を付けるように言っているんだからちゃんと警戒しなさいよ!」
「でもよお・・・ゴブリンなんて雑魚だろ?俺達だって村に居た頃は何匹も倒してきただろ?」
「そうね・・・。ゴブリンなんて敵じゃないわね。なんでこんなに報酬が良いのかしら?」
そう答えたのは魔法使いの少女だった。
その時、風切り音がした。
「「シールド」!」
私は急いで延唱をして光の壁を展開する。
すると、カン!という音が洞窟内に響き渡る。
「来る!」
私は杖を握る手に力が入る。
その数秒後にゴブリンたちが狭い洞窟内を素早く走って来る。
「さっきの奴らは囮だったのかよ!?」
剣士の少年は慌てたように剣を構える。
「ギギ!」
ゴブリンは剣士の少年に飛びかかりナイフを振り下ろす。
「この!」
少年は剣を高く振りかぶった。
すると、ガキンという音が洞窟内に響き渡る。
「えっ!?」
少年は剣先を見る。
剣は洞窟の天井に弾かれて少年の手から落ちてしまう。
「あっ・・・。」
「ギギギ!!」
ゴブリンはそんな少年にナイフを振り降ろす。ナイフは少年の首に突き刺さろうとしたその時・・・。
「「シールド」!」
間一髪で私の魔法が間に合いナイフは弾かれた。
「この!!」
私はこん棒を取り出し振りかぶった。
ゴキッという音を響かせてゴブリンは地面に倒れる。
「ギィ!?」
仲間をやられたゴブリンの動きを止める。
そして、そのまま洞窟の奥に逃げようとするが・・・。
「逃がさないわ!「シールド」!」
私は魔法で光の壁を展開する。
ゴブリンは光の壁に激突して倒れた。
「はあ!」
私はゴブリンに瓶を投げつける。
「松明!」
「は・・・はい!」
魔法使いが持っていた松明を掻っ攫いゴブリンに投げつける。
「ギギャア!!!」
ゴブリンは大きく燃え上がる。
「もう一度、「シールド」!」
もう一枚、光の壁を展開して残りのゴブリンを閉じ込める。
ゴブリンたちは光の壁の間に燃えているゴブリンと一緒に閉じ込められた。
壁を壊そうと殴りつける音がしばらく聞こえたが煙が充満するにしたがってその音も小さくなり最後には聞こえなくなった。
それを見届け、私は壁を解除した。
「・・・うっ!?」
魔法使いが口を押える。
他の二人も嫌悪感が顔に出ていた。
私は少年の剣を拾うと渡す。
「こんな狭い洞窟で長い剣を使うなんて駄目よ。もっと、周りに合わせた武器を使わないと。」
「あ・・・ああ・・・。」
「・・・ィ。」
その時、足元にうめき声が聞こえた。
さっき、こん棒で殴ったゴブリンだ。
「まだ、生きていたのね。」
私はこん棒を手にゴブリンに近づく。
一振り、また一振りとゴブリンにこん棒を振り下ろしていった。
骨が砕けたら次は肉を。肉が磨り潰されたことを確認するとさらに磨り潰す。
「・・・。」
最後に残ったのは肉片のみだった。

「今回もお疲れ様、ソーニャ。」
そういうのはかつてパーティーを組んでいた幼馴染のシャーリーだった。
「ええ・・・。」
「今回も派手にやったわね・・・。報告に来た新人君たち、青い顔をしていたわよ?」
「そう・・・。」
私は特に気にすることなくクエスト終了の紙に記入する。
「あんた、最近なんて言われているか知っている?」
「さあね・・・。」
「「ブラッド・プリースト」。ゴブリンの血で体を濡らす残虐な僧侶がいるってもっぱらの噂よ?」
そして、シャーリーは私の目を覗き込む。
「まさか、あんな目に遭ったのにまだ冒険者を続けているなんてね・・・。本当に尊敬するわ。」
彼女ともう一人はゴブリンに輪姦された。
私は運よく、ゴブリン殺しと言われる冒険者に助けてもらった。
その後、彼の持っていた薬によって彼女たちは気をやることなくこうして居られているのだが・・・。
「もしかしてだけど、私たちの復讐のために冒険者を続けてる?」
探るようにシャーリーが聞いて来る。
「なら、もう気にしなくていいわよ。あの事を忘れることは出来ないけどでもソーニャがそんな風になってまでやることじゃないわ。」
「そんな理由じゃないわよ。」
私はクエスト書類をシャーリーに突き出す。
「確かにそんな感情があるのは否定しないわ。でも、それ以上にゴブリンをこのまま野放しにすることは出来ない。」
幸い、現在は前に比べてゴブリン退治には十分な報酬が支払われるようになった。
そのため、ベテランから新人まで多くの冒険者がゴブリンの討伐に参加してゴブリンは減少傾向にある。
「そう・・・。なら、私から言うことはないわ。」
そう言ってシャーリーは書類を受け取る。
「お疲れ様、ソーニャ。」
「ありがとう、シャーリー。」
私は報酬を受け取るとギルドを後にするのだった。
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