僕はどうやら神様の手違いにより飛ばされたみたいです・・・。

わっしー

文字の大きさ
55 / 62
第三章

51話

しおりを挟む
「・・・終わったのか?」
僕は黒焦げたゴブリンキングを見つめる。
「・・・ああ、終わったな。」
アルスはゴブリンキングの首に大剣を振り下ろし、首を落とす。
「他のゴブリンは逃げたみたいですね・・・。」
ソーニャが森の奥を見つめる。
「・・・どうするんだ、ショウマ?」
「この奥は魔王の領土だ。下手に追いかけて魔族を刺激したらそれこそ大きな被害になる。」
「そうだな・・・。」
僕はナイフを鞘に納めると皆を見渡す。
「本陣に戻ろう。被害状況を確認したい。」
「わかった。お前たちも動けるか?」
アルスが受験者に声をかける。
「・・・大丈夫だ。」
受験者の代表が答える。
僕達は本陣に向けて歩き出す。

「今回のゴブリン襲撃による被害は最低限にとどまりました。」
本陣に戻るとソーマさんが説明してくれる。
ゴブリンの襲撃による被害は受験者と監督を務めていた冒険者共に出てはいないということだ。
ただ、負傷者は多数出ているとのことだ。
「さらに、今回のゴブリンの襲撃を受けたことにより受験者の中には今回の試験を辞退したいという者たちが出てきています。」
「それは仕方ないよね・・・。」
今回の襲撃は受験者たちにトラウマを植え付ける結果となってしまった。
「わかった・・・。辞退したいという受験者の申し出は受け入れよう。そして、残った人たちで試験を再開。」
「・・・わかりました。」

しかし、試験が行われることはなかった。
理由は単純で多くの辞退者が出たためだ。
そして、残ったのは25名の受験者のみだった。
「まずは、残ってくれたことに感謝をします。」
受験者の前で僕は言う。
「さて、今回のゴブリンの襲撃を受けて君達は生き残った。しかし、冒険者を続けて行くにあたって今回のような危険なことがこれから何度もあるだろう。」
僕の言葉を受けて数名の受験者から緊張した空気を感じる。
「だけど、君達はこれからの半年で強くなる。僕は君達に期待している。」
受験者から拍手が聞こえてくる。
こうして、訓練校第一期生25名の入学が決まったのだった。

「・・・しかし、今回のゴブリンたちの襲撃は妙でしたね。」
「そうだね。」
今回のゴブリンの大群は突然湧いてきたとのことだった。
「あの森の中には小さなゴブリンの群れしかいなかったはずだったのですが・・・。」
試験場となっていた森には5匹~10匹程度の群れが10グループ程度ほどしか確認されていなかった。
しかし、襲撃してきたゴブリンの群れは少なく見積もっても300匹はいた。
しかも、それを率いていたゴブリンキングが普通ではない。
「ゴブリンメイジが進化したゴブリンキングかもしれない。」
「それにしては魔力が強すぎた。」
ゴブリンは他種族の雌から生まれる。
その雌から魔力を受け継いだゴブリンが時間をかけてゴブリンメイジに進化する。
しかし、ゴブリンメイジの魔力は成長したとしても下級魔法使い程度にしか成長しない。
それは、ゴブリンキングも同じだ。
「あのゴブリンキングの魔力は少なくてもアルスの魔力よりも強かったことになる。」
「彼も俺ぐらいには魔力が高かったですからね。」
アルスの魔力は普通の獣人に比べるとかなり高い。
少なくても彼の一撃を受けて無傷なのはおかしい。
「・・・これは思ったよりも根が深い問題なのかもしれないな・・・。」
「ええ・・・。女王様に報告した方がよろしいかもしれません。」
今回の騒動の背後には何かある・・・そう思い僕は警戒するのだった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

触手エイリアンの交配実験〜研究者、被験体になる〜

桜井ベアトリクス
恋愛
異星で触手エイリアンを研究する科学者アヴァ。 唯一観察できていなかったのは、彼らの交配儀式。 上司の制止を振り切り、禁断の儀式を覗き見たアヴァは―― 交わる触手に、抑えきれない欲望を覚える。 「私も……私も交配したい」 太く長い触手が、体の奥深くまで侵入してくる。 研究者が、快楽の実験体になる夜。

異世界で貧乏神を守護神に選ぶのは間違っているのだろうか?

石のやっさん
ファンタジー
異世界への転移、僕にはもう祝福を受けた女神様が居ます! 主人公の黒木翼はクラスでは浮いた存在だった。 黒木はある理由から人との関りを最小限に押さえ生活していた。 そんなある日の事、クラス全員が異世界召喚に巻き込まれる。 全員が女神からジョブやチートを貰うなか、黒木はあえて断り、何も貰わずに異世界に行く事にした。 その理由は、彼にはもう『貧乏神』の守護神が居たからだ。 この物語は、貧乏神に恋する少年と少年を愛する貧乏神が異世界で暮す物語。 貧乏神の解釈が独自解釈ですので、その辺りはお許し下さい。

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

【完結】スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム

ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。 けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。 学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!? 大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。 真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。

女の子がほとんど産まれない国に転生しました。

さくらもち
恋愛
何番煎じかのお話です。 100人に3~5人しか産まれない女の子は大切にされ一妻多夫制の国に産まれたのは前世の記憶、日本で亭主関白の旦那に嫁いびりと男尊女卑な家に嫁いで挙句栄養失調と過労死と言う令和になってもまだ昭和な家庭!でありえない最後を迎えてしまった清水 理央、享年44歳 そんな彼女を不憫に思った女神が自身の世界の女性至上主義な国に転生させたお話。 当面は2日に1話更新予定!

処理中です...