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葬式の準備に火の鳥はいる?
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「びっくりしました。まさか連絡が来るなんて。」
新幹線の車両の間で鶴子は言った。
葬式当日。
仕事終わりに大阪から東京に向かう俺に何故か鶴子はついていくといった。
「いや、君東京に住んでるんちゃうん?」
昨日当たり前のことをラインで聞く俺に、鶴子は当たり前じゃない事を返してきた。
「いえ、作戦会議をするので。」
葬式で作戦て何やろう。
「・・・ミサの初めに、ご遺体が出てくるのですが、その際、皆教祖を祭る踊りをして迎えいれるんですよ。今から教えるので着くまでに覚えて下さい。」
昨日の事でまだ立ち止まっとる俺に鶴子は隣で無茶を言う。こうして車内で動くため自由席のチケットなのに車両の間に居座るらしい。
「なあ、鶴子ちゃん。俺ら通報されるんちゃうん?」
「大丈夫です。常識の範囲内にとどめます。」
発想がもう常識じゃない。
諦めて息を殺し鶴子の言う通りに動く。
人の視線を浴びつつも控えめに必死に俺は踊る。
「はい、そこで「ヒーノトリ!」と叫びます。」
「え?なに?火の鳥?」
「はい。人は皆、火の鳥となって転生する。それが父の自論でした。」
そういえば、実家に手塚治虫全集揃ってたわ。
「・・・原作、そんな話やっけ。俺一巻でやめたから覚えてないんやけど。」
「私、全部読んでふしぎに思って聞いたら寝たふりされました。」
・・・ああ、はい。
色んなことを考えないようにして、不審な顔も見て見ぬふりで、予行練習をこなしていく。
そのかいあってか二駅先の名古屋で何とか解放された。
「お疲れ様です。」
鶴子は俺にペットボトルのお茶を差し出した、が、何故かすぐに引っ込めた。
「え?何?」
「いえ、その水筒・・・。」
俺の鞄のポケットに差し込んだ銀の水筒を指さす。
「もう、水筒あるなら荷物になるだけかなって。」
「ああ・・・これは・・・。」
鶴子の手からペットボトルを引き寄せ言葉を続けた。
「まあ、仕事道具みたいなもんやから。」
新幹線の車両の間で鶴子は言った。
葬式当日。
仕事終わりに大阪から東京に向かう俺に何故か鶴子はついていくといった。
「いや、君東京に住んでるんちゃうん?」
昨日当たり前のことをラインで聞く俺に、鶴子は当たり前じゃない事を返してきた。
「いえ、作戦会議をするので。」
葬式で作戦て何やろう。
「・・・ミサの初めに、ご遺体が出てくるのですが、その際、皆教祖を祭る踊りをして迎えいれるんですよ。今から教えるので着くまでに覚えて下さい。」
昨日の事でまだ立ち止まっとる俺に鶴子は隣で無茶を言う。こうして車内で動くため自由席のチケットなのに車両の間に居座るらしい。
「なあ、鶴子ちゃん。俺ら通報されるんちゃうん?」
「大丈夫です。常識の範囲内にとどめます。」
発想がもう常識じゃない。
諦めて息を殺し鶴子の言う通りに動く。
人の視線を浴びつつも控えめに必死に俺は踊る。
「はい、そこで「ヒーノトリ!」と叫びます。」
「え?なに?火の鳥?」
「はい。人は皆、火の鳥となって転生する。それが父の自論でした。」
そういえば、実家に手塚治虫全集揃ってたわ。
「・・・原作、そんな話やっけ。俺一巻でやめたから覚えてないんやけど。」
「私、全部読んでふしぎに思って聞いたら寝たふりされました。」
・・・ああ、はい。
色んなことを考えないようにして、不審な顔も見て見ぬふりで、予行練習をこなしていく。
そのかいあってか二駅先の名古屋で何とか解放された。
「お疲れ様です。」
鶴子は俺にペットボトルのお茶を差し出した、が、何故かすぐに引っ込めた。
「え?何?」
「いえ、その水筒・・・。」
俺の鞄のポケットに差し込んだ銀の水筒を指さす。
「もう、水筒あるなら荷物になるだけかなって。」
「ああ・・・これは・・・。」
鶴子の手からペットボトルを引き寄せ言葉を続けた。
「まあ、仕事道具みたいなもんやから。」
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教祖様、カリスマ性半端ないですね。
思わず入信してしまいそうです。
あはは笑
クズなとこにばかり目を向けてましたが、確かにそうですね笑
自分も入信したいです。
これは続きが楽しみです。純粋に面白そう。
登場人物を導入する流れと、繋ぎの文章が洒落ていますね。
純粋に嬉しいです。
ありがとうございます!