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12話 文化祭で推し事
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しおりを挟む文化祭準備は目まぐるしく進んだ。
演目を決め、実験道具の調整をし、カンペを確かめ、リハーサルをする。
昼休みも放課後も、皇と二人きりになる時間が取れなかった。
授業中にファンサをしてくれたからいいものの、せっかくの握手会の約束が全然果たせないことに、私は非常にモヤモヤしていた。
そもそも、たった二週間でこれだけの準備をするというのが阿呆な話なのである。
それでもやりきってしまうのが人間たちのすごいところなのだが。
前日。皇と豚どもは、教室の飾り付けまで、すべてを完了させた。
そして、当日。
「エルデさん! おはようございます!」
「本日の衣装はこちらです!」
「エルデさんに選んでいただこうと思って、いろいろ用意してみました!」
「もももも、もしよければ、着て、選んでくださいぃ!」
豚どもの鼻息の荒さといやらしい顔つきに寒気がした。
だが、『エルデ キルコさん専用更衣室』と書かれたカーテンの奥にずらりと並ぶ衣装に、気になるものがあった。
これは、ジャパニーズ・コスプレ……!
しかも、バーチャルシンガーの二音カコちゃんのコスプレだ……!
肩を出した萌え袖の長袖に、ミニスカート、ロングブーツの衣装。高いところでツインテールにしたら、ますますニ音カコちゃんに近づいた!
嬉しい……!
ほんのり憧れていたジャパニーズ・コスプレが、まさか、こんなところでできるとは……!
豚どもがパシャパシャと写真を撮る。だが、別に気にならなかった。
「うおおおおおおおおおおおお!!!!!!!」
「エエエエ! エルデさん!!!! さささっ! 最高ですぅぅうう!!!!」
「二音キルコさんだあ~~~~っ!!!!」
「ぜひこれも!」
「いえいえ! 次はこれを!」
広げられた衣装に、はっとした。
アイドルグループNNN38の衣装!
ゲーム「Vampiress Hearts」のユディちゃんの衣装!
私は、次々にコスプレ衣装を身に纏った。
いろいろなアニメキャラの衣装を着ていたら、ど定番のナース、シスター、警察の制服なども、なんだか着るのが楽しくなってきた。
可愛い! 楽しい! 嬉しい!!
「うおおおおお!!! エルデさーーーーん!!!!」
「こっちこっち! こっち向いてくださいーー!!」
「エルデさん、次はこっちをおおおお!!!!!」
「うおおおおお!!!! 写真部! 写真部はいねえかぁ!!!!」
「ここだぁ!!!! まかせろぉ!!!!」
「全員どけろぉおお!! ここは写真部にまかせろおぉ!!!!」
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