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15話 恋愛証明でお仕事
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――ドォン!
地上に、落下した。衝撃が背中に走ったが、それほどではなかった。真っ暗な空間の中に、「セーフティモード」という緑色の光文字が点滅しているのが見えた。
ジャパニーズ・テクノロジーを舐めていた、か。
しん、と闇の中が静かになった。
皇は、動かなかった。私を強く抱きしめたまま。
「……皇さん」
かろうじて動かせる手で、皇のジャケットの裾を引っ張る。
皇は、いっそうぎゅっと力を込めた。
「…………僕は………………。
…………僕は…………。
…………もし、キルコさんになにかあったら、なんだってして守りたい。
落ち込んでいたら僕が元気にしたいし、キルコさんが幸せになれるなら、僕にできないことでもやる。
キルコさんが他の誰でもなく、僕と一緒にいることを選んでくれることが嬉しいし、これからも僕だけを選んでくれればいいと思う。キルコさんのそばで、キルコさんを幸せにするのは僕だけでありたい。
無意識に目で追ってしまうし、会えない間も帰り道も夜も、ずっと、キルコさんのことばかり考えている。近くにいるだけで心拍数が今までにないほど上がって、今までにないような感情ばかり生まれて、冷静に考えることもできなくて。僕をそんなふうにするのは、キルコさんだけなんです。
全部知りたいし、抱きしめたいし、手を握りたい。無邪気で不思議なキルコさんが、可愛くて仕方ないんです。
キルコさんがキルコさんなら、僕の知らないどんな面があってもいい。それを知ることができなくたって、全部、愛してる……。
キルコさんが僕とずっと一緒にいてくれないというのなら、僕はもう、生きていく意味が分からない。僕の人生の中で、キルコさんより美しいものも、キルコさんと一緒に過ごす時間より輝くものも、何もない。
僕は、キルコさんのことが、恋愛的に好きなんです……!」
ドクン、と胸が鳴った。暗闇の中で、抱きしめられたままで、皇の顔は見えないのに。
震える必死な声音が、続けた。
「だから僕は、このままの関係でいることはできません。
キルコさんと恋人になれないなら、僕はもう、キルコさんに顔は見せません。僕たちの関係を終わらせます。
それがいやなら――……僕を、抱きしめてください……」
ハッと息を呑んだ。
心臓は、バクバクと鳴り響いていた。
関係を、終わらせる――。
皇のたった一言が、胸の奥を深く突き刺した。
痛くて、苦しくて——。
耐えきれず、溢れた涙が流れ落ちた。
私は、皇の背中を、きゅっと握りしめた。
地上に、落下した。衝撃が背中に走ったが、それほどではなかった。真っ暗な空間の中に、「セーフティモード」という緑色の光文字が点滅しているのが見えた。
ジャパニーズ・テクノロジーを舐めていた、か。
しん、と闇の中が静かになった。
皇は、動かなかった。私を強く抱きしめたまま。
「……皇さん」
かろうじて動かせる手で、皇のジャケットの裾を引っ張る。
皇は、いっそうぎゅっと力を込めた。
「…………僕は………………。
…………僕は…………。
…………もし、キルコさんになにかあったら、なんだってして守りたい。
落ち込んでいたら僕が元気にしたいし、キルコさんが幸せになれるなら、僕にできないことでもやる。
キルコさんが他の誰でもなく、僕と一緒にいることを選んでくれることが嬉しいし、これからも僕だけを選んでくれればいいと思う。キルコさんのそばで、キルコさんを幸せにするのは僕だけでありたい。
無意識に目で追ってしまうし、会えない間も帰り道も夜も、ずっと、キルコさんのことばかり考えている。近くにいるだけで心拍数が今までにないほど上がって、今までにないような感情ばかり生まれて、冷静に考えることもできなくて。僕をそんなふうにするのは、キルコさんだけなんです。
全部知りたいし、抱きしめたいし、手を握りたい。無邪気で不思議なキルコさんが、可愛くて仕方ないんです。
キルコさんがキルコさんなら、僕の知らないどんな面があってもいい。それを知ることができなくたって、全部、愛してる……。
キルコさんが僕とずっと一緒にいてくれないというのなら、僕はもう、生きていく意味が分からない。僕の人生の中で、キルコさんより美しいものも、キルコさんと一緒に過ごす時間より輝くものも、何もない。
僕は、キルコさんのことが、恋愛的に好きなんです……!」
ドクン、と胸が鳴った。暗闇の中で、抱きしめられたままで、皇の顔は見えないのに。
震える必死な声音が、続けた。
「だから僕は、このままの関係でいることはできません。
キルコさんと恋人になれないなら、僕はもう、キルコさんに顔は見せません。僕たちの関係を終わらせます。
それがいやなら――……僕を、抱きしめてください……」
ハッと息を呑んだ。
心臓は、バクバクと鳴り響いていた。
関係を、終わらせる――。
皇のたった一言が、胸の奥を深く突き刺した。
痛くて、苦しくて——。
耐えきれず、溢れた涙が流れ落ちた。
私は、皇の背中を、きゅっと握りしめた。
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