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冷静さを欠く
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「……アー……デル……?」
叩かれたシャンディは背後にあったクッションに倒れこみ、見ていたラビはアーデルの行動とは思えない光景に目を疑っていた。
椅子から立ち上がり、床に落ちていた枕を掴み、両手でシャンディの顔にそれを叩きつけるまでの流れがあまりにもスムーズすぎて止めなければと考える事もなかった。何をするつもりだろうかと見ていると事が起こった。
「どうしてわからないんですか!! 誰よりも彼の事をよく知っていると自慢するあなたがどうして彼を苦しめるのですか! 誰だって一人にはなりたくないし、好きな人が自分以外の相手と結婚するのは嫌です! でも、それが現実だと受け入れるしかないじゃないですか! 死のうとして彼の気を引こうとして、彼がそれにどれほど戸惑って苦しんだか……想像しなかったんですか!? 苦しめたかったんですか!? 悲しませたかったんですか!? 大事な人を失う辛さを知っているあなたがどうしてそんな事をするんですか!」
受け入れるのが難しい事はわかっている。
『結婚しちまったものは変えられねぇし、変えるつもりねぇよ。離婚してくれなんて願ってもねぇし、願う事もしねぇ。だけど、気持ちはなかなか消えねぇんだ。お前が好きで、お前と結婚したかったって想いが……』
ココに言われた言葉が蘇る。情けないと自嘲しながらも必死に消そうと踠いている彼に手を伸ばしはしなかった。ありがとうと感謝の気持ちはあれど、抱きしめる事はできなかった。
必死に戦ってくれているココとは違い、シャンディはその想いがあるのは当然だ。彼が選ぶのはお前ではなく自分であるべきだと主張し続けるから腹が立つ。好きだから願えない。でも好きだから願わなければならない。その葛藤を抱える幼馴染の苦しみを目の当たりにしたのを思い出した。俯く彼が『悪い』とこぼし、それに対して感謝と謝罪を告げて部屋を出たあの日の事を。
人が違うのだから言動が違って当然だが、シャンディの考え方はあまりにも勝手すぎる。これを許せばきっとこれからもラビは永遠に彼女に縛られてしまう。苦しみながらも自分のモットーを貫き続けるだろう。それだけはどうしても許せなかった。
「……わかるわけないでしょ……」
枕の下でシャンディが呟く。
「私にはラビしかいないのよ。なんでも持ってる王女様とは違う。私からラビを奪った人間が偉そうに説教しないでよ!!」
再びアーデルに向かって投げつけられた枕はアーデルの身体がベッドから離れたことによってドアにぶつかった。
「ラビ……どういうつもり……!」
咄嗟に抱き寄せたアーデルを腕の中に閉じ込める形を取ったラビを睨みつけるもラビはいつものように焦りを見せはしない。むしろどこか晴々としているようにスッキリとした顔でシャンディを見つめ返している。
「シャンディ、もういいよ。理解できないなら無理にしようとしなくていい。僕はそれを望んでない」
ラビの言葉に嬉しそうに笑うシャンディが片手を伸ばす。
「あなたはわかってくれると思ってた。あなただけは私を見捨てたりしないってわかってた」
「君には感謝してるよ。君が言うとおり、僕は君のおかげで一人じゃなかったから。君が傍にいてくれたから僕はどんなに辛い人生でも死のうと思わずにいられた」
「そうよね。理解してくれる人間があなたには必要で、あなたを理解できる人間は私だけだものね」
ラビは伸ばされたシャンディの手は取らず、シャンディの言葉に穏やかな顔でかぶりを振った。え、と言葉をこぼしたシャンディにラビはハッキリと告げる。
「僕を理解してくれてるのは君じゃなくてアーデルだった」
「……ラビ……?」
何を言ってるんだと戸惑うシャンディに言葉を続ける。
「僕は結婚しても君と仲良くしたかったよ。君がアーデルと仲良くしてくれたらどんなに嬉しかったか。だけど、そんな事は望んじゃいけなかったんだ。だって、一番大事にすべきなのは幼馴染じゃなくて僕の家族である妻なんだから」
「ラビ、待って。何を言ってるの?」
「僕は僕を大切にしてくれる人を大切にしたい。君は僕を好いてくれてる。だけど、理解しようとはしてくれない。僕が抱える事情を知って理解した気になっているだけだった」
「ラビ、やめて! 勝手に答えを出さないで! あなたは私と一緒にいるの! それがあなたが幸せになれる唯一の方法なの! あなたに幸せを与えてあげられるのも、居場所を与えてあげられるのも私だけ! そうでしょ!?」
こっちに来てと何度も手を揺らしては布団を叩く行為を繰り返すシャンディの脅しのようなやり方にラビが大袈裟なまでに肩を跳ねさせる事はない。
今まではシャンディが怒ると必ず従っていた。だが今はそれに効力がなくなったようにラビはアーデルを抱きしめたまま動かない。
「彼女を離して! 私を抱きしめてよ! ねえ! あなたが抱きしめるべき相手は私でしょ!?」
大声を出すシャンディにラビは笑顔を見せた。久しぶりに見るラビの笑顔にシャンディの瞳から涙が伝う。
「いや……いやよ……言わないで……」
「シャンディ、ごめんね。僕は──」
「やめて! 聞きたくない! 言わないでよ! どうして私を傷つけようとするの!? 守ってくれるって言ったじゃない! 約束したじゃない! 嘘つくの!? あなたが言ったのよ! あなたから言った事なのに──」
「僕はアーデルと生きていきたいんだ。彼女を愛してるから」
「いやぁぁぁあああああああああ!」
泣き叫ぶシャンディの声は悲鳴のようで、慌てて飛び込んできた使用人がシャンディを落ち着かせようと声をかける。ラビに振り返り「行ってくれ」と目で訴え、アーデルを離してその場で深く頭を下げた。
「さよなら、シャンディ」
さよならの言葉に一層大きくなるシャンディの泣き声。簡単な決断ではない。だが、いつかはしなければならなかった決断。ラビに後悔はなかった。
「行き先はいかがなさいましょう?」
「予定どおりハイデンに向かってください」
先にアーデルを乗せて御者に伝えてから乗り込むと馬車はハイデンへと向かい走り出す。
「ラビ! 行かないで!」
「シャンディお嬢様! おやめください!」
裸足のまま屋敷を飛び出して馬車を追いかけようとするシャンディを使用人達が必死に止めるのをラビは辛そうに見ていた。
「あなたがいないと生きていけないの! あなたがいないと死んじゃう! どうしてわかってくれないのよ! ラビー!!」
目を閉じて唇を噛むラビの向かいから隣へと移動したアーデルは黙って彼の背中を撫でた。慰め方の正解は今もわからない。人との付き合いを限定的にしてきたアーデルは人を慰めた経験がほとんどない。あるのは妻を亡くして泣き続ける父親の背中をこうして撫で続けていた事ぐらい。抱きしめるべきか、手を握るべきか、背中を撫でるべきか考えた結果、背中を撫でる事にした。
シャンディの愛は本物だった。だが、やり方を間違えた。相手の事を思っているならやり方を変えるべきだった。そうすればラビが困る事はなかったし、ラビが悲しむ事もなかった。
支配による愛情に喜びを見出す者がいないわけではないだろう。だが少なくともラビはそうではない。
シャンディはこれからどうするのだろう。また何か行動に出るだろうか。アーデルの中にも不安はある。
「アーデル」
「はい」
小さな声だがハッキリしている呼び声に返事をすると顔を向けたラビと目が合った。
「これからのあなたの人生、僕が一緒に生きてもいいですか?」
結婚しているのにプロポーズを受けたような気分になる言葉にじわりと涙が滲む。
結婚式で交わす事を強要されたものではなく、ラビ自身の言葉。
「もちろんです。よろしくお願いします」
涙が溢れる瞬間に俯いたアーデルをラビが抱きしめ、首に腕を回したアーデルが抱きつく。
二人の人生に一つ決着がついた瞬間だった。
叩かれたシャンディは背後にあったクッションに倒れこみ、見ていたラビはアーデルの行動とは思えない光景に目を疑っていた。
椅子から立ち上がり、床に落ちていた枕を掴み、両手でシャンディの顔にそれを叩きつけるまでの流れがあまりにもスムーズすぎて止めなければと考える事もなかった。何をするつもりだろうかと見ていると事が起こった。
「どうしてわからないんですか!! 誰よりも彼の事をよく知っていると自慢するあなたがどうして彼を苦しめるのですか! 誰だって一人にはなりたくないし、好きな人が自分以外の相手と結婚するのは嫌です! でも、それが現実だと受け入れるしかないじゃないですか! 死のうとして彼の気を引こうとして、彼がそれにどれほど戸惑って苦しんだか……想像しなかったんですか!? 苦しめたかったんですか!? 悲しませたかったんですか!? 大事な人を失う辛さを知っているあなたがどうしてそんな事をするんですか!」
受け入れるのが難しい事はわかっている。
『結婚しちまったものは変えられねぇし、変えるつもりねぇよ。離婚してくれなんて願ってもねぇし、願う事もしねぇ。だけど、気持ちはなかなか消えねぇんだ。お前が好きで、お前と結婚したかったって想いが……』
ココに言われた言葉が蘇る。情けないと自嘲しながらも必死に消そうと踠いている彼に手を伸ばしはしなかった。ありがとうと感謝の気持ちはあれど、抱きしめる事はできなかった。
必死に戦ってくれているココとは違い、シャンディはその想いがあるのは当然だ。彼が選ぶのはお前ではなく自分であるべきだと主張し続けるから腹が立つ。好きだから願えない。でも好きだから願わなければならない。その葛藤を抱える幼馴染の苦しみを目の当たりにしたのを思い出した。俯く彼が『悪い』とこぼし、それに対して感謝と謝罪を告げて部屋を出たあの日の事を。
人が違うのだから言動が違って当然だが、シャンディの考え方はあまりにも勝手すぎる。これを許せばきっとこれからもラビは永遠に彼女に縛られてしまう。苦しみながらも自分のモットーを貫き続けるだろう。それだけはどうしても許せなかった。
「……わかるわけないでしょ……」
枕の下でシャンディが呟く。
「私にはラビしかいないのよ。なんでも持ってる王女様とは違う。私からラビを奪った人間が偉そうに説教しないでよ!!」
再びアーデルに向かって投げつけられた枕はアーデルの身体がベッドから離れたことによってドアにぶつかった。
「ラビ……どういうつもり……!」
咄嗟に抱き寄せたアーデルを腕の中に閉じ込める形を取ったラビを睨みつけるもラビはいつものように焦りを見せはしない。むしろどこか晴々としているようにスッキリとした顔でシャンディを見つめ返している。
「シャンディ、もういいよ。理解できないなら無理にしようとしなくていい。僕はそれを望んでない」
ラビの言葉に嬉しそうに笑うシャンディが片手を伸ばす。
「あなたはわかってくれると思ってた。あなただけは私を見捨てたりしないってわかってた」
「君には感謝してるよ。君が言うとおり、僕は君のおかげで一人じゃなかったから。君が傍にいてくれたから僕はどんなに辛い人生でも死のうと思わずにいられた」
「そうよね。理解してくれる人間があなたには必要で、あなたを理解できる人間は私だけだものね」
ラビは伸ばされたシャンディの手は取らず、シャンディの言葉に穏やかな顔でかぶりを振った。え、と言葉をこぼしたシャンディにラビはハッキリと告げる。
「僕を理解してくれてるのは君じゃなくてアーデルだった」
「……ラビ……?」
何を言ってるんだと戸惑うシャンディに言葉を続ける。
「僕は結婚しても君と仲良くしたかったよ。君がアーデルと仲良くしてくれたらどんなに嬉しかったか。だけど、そんな事は望んじゃいけなかったんだ。だって、一番大事にすべきなのは幼馴染じゃなくて僕の家族である妻なんだから」
「ラビ、待って。何を言ってるの?」
「僕は僕を大切にしてくれる人を大切にしたい。君は僕を好いてくれてる。だけど、理解しようとはしてくれない。僕が抱える事情を知って理解した気になっているだけだった」
「ラビ、やめて! 勝手に答えを出さないで! あなたは私と一緒にいるの! それがあなたが幸せになれる唯一の方法なの! あなたに幸せを与えてあげられるのも、居場所を与えてあげられるのも私だけ! そうでしょ!?」
こっちに来てと何度も手を揺らしては布団を叩く行為を繰り返すシャンディの脅しのようなやり方にラビが大袈裟なまでに肩を跳ねさせる事はない。
今まではシャンディが怒ると必ず従っていた。だが今はそれに効力がなくなったようにラビはアーデルを抱きしめたまま動かない。
「彼女を離して! 私を抱きしめてよ! ねえ! あなたが抱きしめるべき相手は私でしょ!?」
大声を出すシャンディにラビは笑顔を見せた。久しぶりに見るラビの笑顔にシャンディの瞳から涙が伝う。
「いや……いやよ……言わないで……」
「シャンディ、ごめんね。僕は──」
「やめて! 聞きたくない! 言わないでよ! どうして私を傷つけようとするの!? 守ってくれるって言ったじゃない! 約束したじゃない! 嘘つくの!? あなたが言ったのよ! あなたから言った事なのに──」
「僕はアーデルと生きていきたいんだ。彼女を愛してるから」
「いやぁぁぁあああああああああ!」
泣き叫ぶシャンディの声は悲鳴のようで、慌てて飛び込んできた使用人がシャンディを落ち着かせようと声をかける。ラビに振り返り「行ってくれ」と目で訴え、アーデルを離してその場で深く頭を下げた。
「さよなら、シャンディ」
さよならの言葉に一層大きくなるシャンディの泣き声。簡単な決断ではない。だが、いつかはしなければならなかった決断。ラビに後悔はなかった。
「行き先はいかがなさいましょう?」
「予定どおりハイデンに向かってください」
先にアーデルを乗せて御者に伝えてから乗り込むと馬車はハイデンへと向かい走り出す。
「ラビ! 行かないで!」
「シャンディお嬢様! おやめください!」
裸足のまま屋敷を飛び出して馬車を追いかけようとするシャンディを使用人達が必死に止めるのをラビは辛そうに見ていた。
「あなたがいないと生きていけないの! あなたがいないと死んじゃう! どうしてわかってくれないのよ! ラビー!!」
目を閉じて唇を噛むラビの向かいから隣へと移動したアーデルは黙って彼の背中を撫でた。慰め方の正解は今もわからない。人との付き合いを限定的にしてきたアーデルは人を慰めた経験がほとんどない。あるのは妻を亡くして泣き続ける父親の背中をこうして撫で続けていた事ぐらい。抱きしめるべきか、手を握るべきか、背中を撫でるべきか考えた結果、背中を撫でる事にした。
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支配による愛情に喜びを見出す者がいないわけではないだろう。だが少なくともラビはそうではない。
シャンディはこれからどうするのだろう。また何か行動に出るだろうか。アーデルの中にも不安はある。
「アーデル」
「はい」
小さな声だがハッキリしている呼び声に返事をすると顔を向けたラビと目が合った。
「これからのあなたの人生、僕が一緒に生きてもいいですか?」
結婚しているのにプロポーズを受けたような気分になる言葉にじわりと涙が滲む。
結婚式で交わす事を強要されたものではなく、ラビ自身の言葉。
「もちろんです。よろしくお願いします」
涙が溢れる瞬間に俯いたアーデルをラビが抱きしめ、首に腕を回したアーデルが抱きつく。
二人の人生に一つ決着がついた瞬間だった。
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