私が好きなのはあなたじゃないですよ?

夜明シスカ

文字の大きさ
41 / 55

新天地

しおりを挟む
あれから何度か途中で町や村に寄って休憩しつつ、夕方頃に王都から3つ先の町へ付いた。

聞いた話では、モンス伯爵領だという。
私はボルモン伯爵家次女として生まれ、結婚前まではそれなりに令嬢らしい生活をしていた。
のんびりしたお父様、キビキビしているお母様、いつも優しく私を見守ってくれるお姉様と跡を付いてくる弟。

ルティ家に嫁いでからは最初は良かった。
いままでと何ら変わりのない生活をさせてもらえていたし、使用人や旦那様とも特に仲が悪いということもなかった。
おかしくなったのは、長男セスを産んだ後からだ。
旦那様が私自身で子育てすることを嫌がり、子どもを取り上げて乳母に預けたのだ。
私は絶望したわ・・私の産んだ可愛い子ども、母親の愛情を知らずに育ってしまうのね・・
そのまま私は屋敷内でも特定の場所以外は出歩かせてもらえなくなった。
元々結婚してからは外に出してもらえていなかったため、特にはしていなかったのだけど。
その2年後、次男のマトワを出産したが、セスの時とは違い産まれて直ぐに顔も見せられることなく乳母のもとに連れられていった。
旦那様・・なぜこのようなことを・・

何を言っても無駄なことはわかっている為、私は抵抗することも諦めた。
しかしある日、聞いてみた。
「なぜ私から子どもを話したのです?」と。
旦那様は苦しそうに笑い、「お前が私以外を見るのが耐えられない、お前は私のだたとえ息子であろうと、私以外の男へお前の気持ちが向けられることなど許せないんだよ」
と話してくださった。

しばらくして、あの森の奥の小屋へと連れられた。

最初は気がおかしくなるかと思ったけど、慣れればなんてことはなかった。
だけど空腹はどうしようもない・・
体力は無くなり、口数ももちろん減る、話す相手が居ないから。
それに明らかに栄養失調・・
こればかりは治しようが無いのだ。

助け出される数ヶ月前からは、なんと食料を持ってきてくれる人も居なくなったのだ。
きっと旦那様は私のことを忘れてしまったのだろう。

まぁ、連れ出してくれたみんなには本当に感謝しかない。
途中の町で医者にも診せてくれて、薬や今後の食事療法、生活の仕方も聞いてくれていた。

さて・・モンス家ではどのような生活が待っているかしら・・
私も微力ながらお仕事しないといけないわね。
と考えながらモルトに抱えられて伯爵家の玄関へ案内された。
恥ずかしいことに、まだ歩けないのだ(苦笑)

屋敷の扉が開かれて、執事が出てきた。
こちらは代表してナインが対応しくれて、みんなで頭を下げて挨拶する。
「ほほっ私はモンス伯爵家執事長のトレイルと申します。
ようこそ遠いところからお越しくださいました。
事情は旦那様からお聞きしております。
ささ、早くお入りになってください、旦那様がお待ちですよ。」
丁寧に伝えてくれる。
ナインもお辞儀をして、
「温かいお言葉、誠に感謝致します。
私はルティ家元執事長ナインと申します、こちらは元侍女長のレナにございます。
では、あまりお待たせしてもいけませんので向かわせていただきます。
みんな失礼のないように。」

「「「「「「はいっ」」」」」」

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

王様の恥かきっ娘

青の雀
恋愛
恥かきっ子とは、親が年老いてから子供ができること。 本当は、元気でおめでたいことだけど、照れ隠しで、その年齢まで夫婦の営みがあったことを物語り世間様に向けての恥をいう。 孫と同い年の王女殿下が生まれたことで巻き起こる騒動を書きます 物語は、卒業記念パーティで婚約者から婚約破棄されたところから始まります これもショートショートで書く予定です。

夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い

青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。 神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。 もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。 生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。 過去世と同じ轍を踏みたくない……

妾の子だからといって、公爵家の令嬢を侮辱してただで済むと思っていたんですか?

木山楽斗
恋愛
公爵家の妾の子であるクラリアは、とある舞踏会にて二人の令嬢に詰められていた。 彼女達は、公爵家の汚点ともいえるクラリアのことを蔑み馬鹿にしていたのである。 公爵家の一員を侮辱するなど、本来であれば許されることではない。 しかし彼女達は、妾の子のことでムキになることはないと高を括っていた。 だが公爵家は彼女達に対して厳正なる抗議をしてきた。 二人が公爵家を侮辱したとして、糾弾したのである。 彼女達は何もわかっていなかったのだ。例え妾の子であろうとも、公爵家の一員であるクラリアを侮辱してただで済む訳がないということを。 ※HOTランキング1位、小説、恋愛24hポイントランキング1位(2024/10/04) 皆さまの応援のおかげです。誠にありがとうございます。

お好きになさって下さい、私は一切気にしませんわ

Kouei
恋愛
婚約者のクレマンド様は、いつも私との約束を破ってばかり。 理由は決まって『従妹ライラ様との用事』 誕生日会にすら来なかった彼に、私はついに告げた。 「どうぞ、私以外のご令嬢をエスコートするなり、お出かけするなり、関係を持つなり、お好きになさって下さい。私は一切気にしませんわ」 二人の想いは、重なり合えるのだろうか …… ※他のサイトにも公開しています。

三年の想いは小瓶の中に

月山 歩
恋愛
結婚三周年の記念日だと、邸の者達がお膳立てしてくれた二人だけのお祝いなのに、その中心で一人夫が帰らない現実を受け入れる。もう彼を諦める潮時かもしれない。だったらこれからは自分の人生を大切にしよう。アレシアは離縁も覚悟し、邸を出る。 ※こちらの作品は契約上、内容の変更は不可であることを、ご理解ください。

【完結】私を捨てた国のその後を見守ってみた。

satomi
恋愛
侯爵令嬢のレナは公然の場でというか、卒業パーティーで王太子殿下イズライールに婚約破棄をされた挙句、王太子殿下は男爵令嬢のラーラと婚約を宣言。 殿下は陛下や王妃様がいないときを狙ったんでしょうね。 レナの父はアルロジラ王国の宰相です。実家にはレナの兄が4名いますがみんなそろいもそろって優秀。 長男は領地経営、次男は貿易商、3男は情報屋、4男は…オカマバー経営。 レナは殿下に愛想をつかして、アルロジラ王国の行く末を見守ろうと決意するのです。 次男監修により、国交の断絶しているエミューダ帝国にて。

あなたが決めたことよ

アーエル
恋愛
その日は私の誕生日パーティーの三日前のことでした。 前触れもなく「婚約の話は無かったことにしよう」と言われたのです。 ‪✰他社でも公開

嫌われたと思って離れたのに

ラム猫
恋愛
 私は、婚約者のカイルに嫌われたと思った。冷たくそっけなく、近づくたびに避けられる日々。  距離を置くことを選び、留学の準備も進めて心を落ち着かせようとするけれど——。

処理中です...