私が好きなのはあなたじゃないですよ?

夜明シスカ

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トルディア家との別れ

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そうしてやっと問題が片付いたところ、
ルティ家が無くなったことで被害が出ない状況になったので、クラナも実家であるキッシュ家へ戻ることになった。
トルディア家の人々にはずっとこちらに居てもいいと言ってくれて、帰ることにかなり渋られてしまったけれど。

なので、お互い納得出来る約束をしてから帰ることになった。

その約束というのが、
一、1週間のうち最低2日はこちらへ来てお勉強の続きをすること。
二、1ヶ月に2回はお茶会に参加すること。1回はペアのリオルとのお茶会(必須)2回目はトルディア家の家族+懇意にしている相手とのお茶会。
三、何かあったらいつでもトルディア家を頼ること。

特に嫌な内容はなかったので、その約束で頷いておいた。

あとで考えたらこれも全部花嫁修業だったのは言うまでもない(苦笑)

その約束をしてから3日後、キッシュ家から迎えが来た。
ユスラン様、ミラ様、リオル様、執事のメンデルに使用人の皆さん、こんなに見送りに来てくれなくてもまた来るのになぁ・・
そう思いながらも、1ヶ月近くも過ごしていればもはや我が家だ。
寂しさは隠せない。

「クラナ、君はうちの嫁だ。これは決定事項だぞ。いつでも戻ってきていいからね。」
とユスラン様。
「そうよ!!クラナちゃんはうちのお嫁さんなのよ、遠慮しないでね。
愚痴でも相談でもただ顔を見に来ただけでも、気軽に来てね。
待ってるわ。」
ちょっと目をウルウルさせながらそう言ってくれるミラ様。
気が早いお二人だけれど、私だって認めてもらえてとっても嬉しい。

チラリと使用人のみなさんに向ってペコリとお辞儀をしてから、
「みなさん、大変お世話になりました。これからも来ますので、変わらずよろしくお願いします。」

”おまかせください”と盛大な返事をもらった。

最後にリオル様と向き合って、言おうと思っていた言葉を伝える。
「リオル様、あの、私ずっとお伝えしたいことがあったのです。
実はもっと幼い頃からリオル様のことお慕いしていました。
もちろん、いまも大好きです・・
ペアからゆくゆくはお嫁さんにしてもらえますか?」

照れながらしっかりと伝える姿が可愛いしかない。
周りも少し遠巻きにして見守っている。

言われた本人は、片手て口を覆い隠してなんとか深呼吸してるようだ。
っっ
ふぅーーー
「クラナ!!ごめんっ俺の方から言わなきゃいけないのに。
俺の方こそずっとクラナのこと好きだったんだ。
今回ペアになれて本当に嬉しかった。
ずっとこれからも一緒に居たいよ。
だからさ、クラナ・・俺のお嫁さんになってよ!!」
そう言うリオル様は耳も赤くしながらも、ニカっとお日様のような笑顔を向けてくれた。

あぁ、やっぱり。
この人が好きだなぁ。

人生まだはじまったばかりで変な人に纏わりつかれて人生終わったかと思った。
私の人生は私が決めるはずなのに・・
なんで私の気持ちから行動から全部アタナが決めるのって思った。
勝手なことばかり言ってくるし、しかも本人じゃなてく手紙ばかり。
私と面と向かう勇気もないくせに、好きだとか、両想いだとか運命だとか・・・
本当に嫌だった。
全部自分の妄想でしか動けないあの人が最低で気持ち悪くて。

だからそんなアナタを好きになるなんてこと天地がひっくり返っても有り得ないっ
だってそもそも、”私が好きなのはアナタじゃない”のだもの。
何度そう返しても、理解してくれなかったけど。

もう二度と会うことはないけれど、どこかに居るアナタへ、

残念ながら初めから終りまで”私が好きななのはあなたじゃない”れそだけは間違えようのない真実なのです。

いつか理解出来る時が来るでしょうか?
まぁしたとて・・ですけど。



そう心で呟きながら、私は大好きな人へ飛び込んで行く。

「もちろんです!リオル様だーい好きっ!!」

「うん、君の家族も帰りを待っているよ。
約束だけは守ってね。
俺もクラナに会えないのは嫌だから。」
ちょっとシュンとなって言われると弱いです。
「はいっお勉強も頑張ります! リオル様の隣に居るためにっ」
むんっとガッツポーズをして意気込みを見せると笑ってくれた。

「それでは!一旦帰宅します!また来ますね。言ってまいります。
お義父様、お義母様、リオル様・・」

っっっ(泣)
私がそう告げると、ユスラン様とミラ様は泣いてしまわれた。

「えぇ。貴女はもう娘よ!可愛いお嫁さん、待ってるわねっ」
泣き笑いしながら手を振ってくれるお義母様をお義父様が支えている。
リオル様がハンカチを差し出している。
素敵な家族の一員になれるなんて、夢のようです・・
また来ますね、トルディア家に。

新しい決意と懐かしい家への思いを馳せて、馬車の中でギュっと手を握りしめた。

そんな主人を侍女のカリナとミリーは静かに見守っていた。

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