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第3章 竜と迷宮
湖
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良いニュースがある。それはもうすぐ三層だって事。
悪いニュースがある。それは後ろに人を丸呑みできるほどでかい腐った大百足がいる事だ。
「…まさか不死化してるなんて!」
俺は走りながら叫ぶ。
「ローラン殿!このまま走ってて良いのか!?もし行き止まりにあったら…」
焦るペンタクール
「道は全部覚えてる。俺についてこい!」
俺は一瞬後ろを見る。俺とペンタクールとは違い足取りの重いナタリア、その数メートル後ろを古代百足が這うように移動していく。彼の身体はデカすぎて非常に通りづらそうだ。
「不死化した生物は痛覚が無いし、閃光も効かない!逆に祈祷術などの浄化に弱いが今の俺たちには倒せる相手じゃ無い!狭い通路で撒く!!」
俺は叫ぶ、そして走る。右の横穴に入りさらに左の隙間へ。人1人入れる隙間である。ちょっと太った人じゃ決して通れないような隙間だ。
「2人とも先に!」
俺は2人を先に行かせる。2人は手こずりながらも隙間を通り抜けていった。あとは俺だけだ。
俺も2人に続こうと隙間へ入ろうとする。
嫌な予感がした。
「ッ!!」
俺は咄嗟に隙間から離れ反対側に転がる。
ベチャっと何かが岩につく音がしてその後に鳴り響くジュウジュウと溶ける酸の音。俺が入ろうとしていた岩の隙間は、ちょうど今強酸まみれになったところだ。
「…まじ?」
俺は狭い通路で大百足と一対一。絶体絶命の大ピンチだ。
俺は古代百足の大ぶりな攻撃は大体見切れるが、俺の攻撃はアンデットには効かない。ここで戦うとジリ貧でいつか負ける。
まいったな…一か八かでもう一度隙間に潜り込むか?いや辿り着く前に酸を浴びて終わりだな。
俺はしばらく古代百足と睨み合いをしていた。
彼は顔が半分溶けていて、無機質な顎が剥き出しになっている。
そういえば、コイツら骨がないから全部腐り切ったらどうなるんだ?
こんな時まで知的好奇心が出てくる自分に呆れつつ、いつでも攻撃が来ても良いよう剣を構える。
突然、百足が飛びかかってきた。どこに来られても致命傷だってのにご丁寧に首を狙ってくる。
逆に俺にとってはありがたく、俺はすぐさま身体を縮め、百足の下をスライディングする。
瞬間、空気が変わった。古ぼけた臭い、畏怖、心なしか視界が暗くなる。
古代魔術だ、俺はそう思った。俺は岩の隙間から杖が出ていることに気づく。数秒たたずしてそこから爆発音と、衝撃派が放たれるのを見る。古代魔術…と呼ぶにはお粗末だったがここでの効果はテキメン。魔術の衝撃は百足の腹を抉り、百足は一瞬怯んだ。
俺はその隙を見逃さない。全身全霊で脚を動かし全速力で隙間に飛び込んだ!!
隙間の中には杖を構えたナタリアが。俺は彼女にぶつかるようにして隙間を強引に通り抜けた。俺は彼女に覆い被さるように倒れ込む。
「…っ助かった。ありがとうナタリア。」
「それは…よかったです。その、…ちょっと恥ずかしいのでどいてくれますか。」
はたから見れば今の俺は若い女の人の上に覆い被さるアラサーの男性。ここが街中だったら衛兵とご挨拶だ。
「…あぁ。」
俺はスッと体を起こして離れる。ペンタクールがジト目で見てくるが気にしない。仕方がなかったのだ。
「あの古代百足はどうするんですか?」
ペンタクールが質問をしてくる。
「どうするも何も、俺たちにはどうしようもできないな。神殿から浄化できるやつを引っ張り出すか…古代百足は骨を持たないから…朽ち果てるのを待つしかない。」
通常不死者はゾンビと言う段階を経てスケルトンへと変わる。この二層ではゾンビとなったものは陽虻の群れに遭遇して大体骨だけになる。二層でスケルトンが多いのはそのためだ。
きっといつか古代百足はそのまま朽ち果てて消えるだろう。
「少し予定は狂ったが順調だ。そこの道を道なりに進め。」
俺は今入った通路とは反対側の穴を指し示す。迷宮第三層への入り口だ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「うわぁ、明るい!」
ナタリアが感激の言葉を述べる。
俺たちはちょうど今、迷宮第三層に足を踏み入れたのだ。
第三層、藍藻が少なくなり、一層でも見られた赤い壁が見られる。それに加え光石という青だったり紫だったりが光る石が現れる。その光を頼りに小さな草がところどころ生えている奇妙な場所だ。
そしてもう一つ特筆すべき点がある
第三層は迷宮一大きい地底湖を持つ。しかもとても美しい。エメラルドグリーンの湖は端が見渡せないほど広くその水は若干光の魔力を帯びている。
故に第三層では不死者が少なく、海霊馬も含め水棲魔物の楽園になっているのだ。
一つ気になることがあった。それはアストラが以前言っていた海霊馬の焼死体を四層で見たという話だ。四層は深層手前で、地熱からか熱気を帯びている。水源も少ないし普通海霊馬はいないのだが……
その秘密も今日明らかになったらいいな。そう思いながら俺たちは地底湖へ踏み出した。
悪いニュースがある。それは後ろに人を丸呑みできるほどでかい腐った大百足がいる事だ。
「…まさか不死化してるなんて!」
俺は走りながら叫ぶ。
「ローラン殿!このまま走ってて良いのか!?もし行き止まりにあったら…」
焦るペンタクール
「道は全部覚えてる。俺についてこい!」
俺は一瞬後ろを見る。俺とペンタクールとは違い足取りの重いナタリア、その数メートル後ろを古代百足が這うように移動していく。彼の身体はデカすぎて非常に通りづらそうだ。
「不死化した生物は痛覚が無いし、閃光も効かない!逆に祈祷術などの浄化に弱いが今の俺たちには倒せる相手じゃ無い!狭い通路で撒く!!」
俺は叫ぶ、そして走る。右の横穴に入りさらに左の隙間へ。人1人入れる隙間である。ちょっと太った人じゃ決して通れないような隙間だ。
「2人とも先に!」
俺は2人を先に行かせる。2人は手こずりながらも隙間を通り抜けていった。あとは俺だけだ。
俺も2人に続こうと隙間へ入ろうとする。
嫌な予感がした。
「ッ!!」
俺は咄嗟に隙間から離れ反対側に転がる。
ベチャっと何かが岩につく音がしてその後に鳴り響くジュウジュウと溶ける酸の音。俺が入ろうとしていた岩の隙間は、ちょうど今強酸まみれになったところだ。
「…まじ?」
俺は狭い通路で大百足と一対一。絶体絶命の大ピンチだ。
俺は古代百足の大ぶりな攻撃は大体見切れるが、俺の攻撃はアンデットには効かない。ここで戦うとジリ貧でいつか負ける。
まいったな…一か八かでもう一度隙間に潜り込むか?いや辿り着く前に酸を浴びて終わりだな。
俺はしばらく古代百足と睨み合いをしていた。
彼は顔が半分溶けていて、無機質な顎が剥き出しになっている。
そういえば、コイツら骨がないから全部腐り切ったらどうなるんだ?
こんな時まで知的好奇心が出てくる自分に呆れつつ、いつでも攻撃が来ても良いよう剣を構える。
突然、百足が飛びかかってきた。どこに来られても致命傷だってのにご丁寧に首を狙ってくる。
逆に俺にとってはありがたく、俺はすぐさま身体を縮め、百足の下をスライディングする。
瞬間、空気が変わった。古ぼけた臭い、畏怖、心なしか視界が暗くなる。
古代魔術だ、俺はそう思った。俺は岩の隙間から杖が出ていることに気づく。数秒たたずしてそこから爆発音と、衝撃派が放たれるのを見る。古代魔術…と呼ぶにはお粗末だったがここでの効果はテキメン。魔術の衝撃は百足の腹を抉り、百足は一瞬怯んだ。
俺はその隙を見逃さない。全身全霊で脚を動かし全速力で隙間に飛び込んだ!!
隙間の中には杖を構えたナタリアが。俺は彼女にぶつかるようにして隙間を強引に通り抜けた。俺は彼女に覆い被さるように倒れ込む。
「…っ助かった。ありがとうナタリア。」
「それは…よかったです。その、…ちょっと恥ずかしいのでどいてくれますか。」
はたから見れば今の俺は若い女の人の上に覆い被さるアラサーの男性。ここが街中だったら衛兵とご挨拶だ。
「…あぁ。」
俺はスッと体を起こして離れる。ペンタクールがジト目で見てくるが気にしない。仕方がなかったのだ。
「あの古代百足はどうするんですか?」
ペンタクールが質問をしてくる。
「どうするも何も、俺たちにはどうしようもできないな。神殿から浄化できるやつを引っ張り出すか…古代百足は骨を持たないから…朽ち果てるのを待つしかない。」
通常不死者はゾンビと言う段階を経てスケルトンへと変わる。この二層ではゾンビとなったものは陽虻の群れに遭遇して大体骨だけになる。二層でスケルトンが多いのはそのためだ。
きっといつか古代百足はそのまま朽ち果てて消えるだろう。
「少し予定は狂ったが順調だ。そこの道を道なりに進め。」
俺は今入った通路とは反対側の穴を指し示す。迷宮第三層への入り口だ。
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「うわぁ、明るい!」
ナタリアが感激の言葉を述べる。
俺たちはちょうど今、迷宮第三層に足を踏み入れたのだ。
第三層、藍藻が少なくなり、一層でも見られた赤い壁が見られる。それに加え光石という青だったり紫だったりが光る石が現れる。その光を頼りに小さな草がところどころ生えている奇妙な場所だ。
そしてもう一つ特筆すべき点がある
第三層は迷宮一大きい地底湖を持つ。しかもとても美しい。エメラルドグリーンの湖は端が見渡せないほど広くその水は若干光の魔力を帯びている。
故に第三層では不死者が少なく、海霊馬も含め水棲魔物の楽園になっているのだ。
一つ気になることがあった。それはアストラが以前言っていた海霊馬の焼死体を四層で見たという話だ。四層は深層手前で、地熱からか熱気を帯びている。水源も少ないし普通海霊馬はいないのだが……
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