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4、オーナー登場
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七実は財布を取り出すと、まず札入れを見る。
あれ?
全然入ってないじゃん!
なんで?
数秒考えた後、七実は思い出した。
あっ、そうか!
昨日、会社の所属部署内で急きょ他の部署に移動することになった人がいて、送別ランチとプレゼント代を払ったんだった!
え~と、残り2000円しかないじゃない!
じゃあ、小銭はいくらあるかしら?
七実は急いで小銭入れをガバッと開くと、数え始める。
えぇと、100円が4枚、10円7枚、1円5枚……25円足りない!
どうしよう!
あっ、そうだ!
全国のお店採用率75%にのぼる、キャッシュレス決済のピィピィ<PiPi>があるわ!
携帯を取り出した七実は、素早く残高画面を確認した。
ええっと、残高は大丈夫!
よし、これで払おう!
七実はようやくひと息ついて顔を上げると、七実の一連の行動を黙って眺めていた占い師に申し出る。
「ゴメンなさい、昨日結構大きな出費があって、今、現金だと2475円しか持ってないの。
でもピィピィ<PiPi>にお金は入っているわ。
このお店、ピィピィ<PiPi>支払いは対応してる?」
占い師は無邪気な声で七実に答えた。
「ピィピィ<PiPi>支払いってなあに?
ウチは現金支払いだけよ?」
うっ、ウソでしょう!
今どき、ピィピィ<PiPi>を知らないなんて!
七実は驚きのあまり、携帯を見せながら、勝手に説明を始める。
「ほら、こういうバーコードで読み取る支払い方法のことよ!
しかもこのピィピィ<PiPi>、支払いが完了した時に『ピィピィ』って、音が鳴るんだけど、その音の長さを自分でカスタマイズできることで、すごく人気なの!
標準音は『ピィピィ』より短めの『ピッピッ』という音で、これも小鳥が鳴いてるみたいでカワイくてそのまま使う人も多いのだけど、他の人と区別するために、警告音のようにやや長めに『ピィーピィー』と設定して、周囲の人がキョロキョロと音源を探す様子を見て楽しむ、ちょっと悪趣味な人もいるって聞いたわ」
楽しげに説明する七実と正反対に、まるで理解していないように微動だにしない占い師の様子に、七実は理性を取り戻すように、 2、3度、ブンブンと横に頭を軽く振った。
実はピィピィ<PiPi>の音のカスタマイズは、圭三が提案、開発したんだよね
ピィピィ<PiPi>のコトを聞くと自動的に圭三を思い出し、少しだけ七実はせつなくなる。
ダメダメ、圭三とはもうお別れしたんだから、ついピィピィ<PiPi>について話しちゃうクセ、いい加減にやめないと!
心の中でひとり反省会をした七実は、意識して現実に目を向けた。
それにこういう小さな店だと、やっぱり、ピィピィ<PiPi>未加入店の25%の方に入るかぁ……そして、どう考えても25円足りない!
お金が足りない事実にだんだん青ざめていき、七実は一度ブルリと体をふるわせると、小さな声で占い師に提案する。
「じゃあ、今から近くのATMに行ってお金下ろしてくるから、少し待っててもらっていいかな?」
勇気を出して提案をした七実の声にかぶせるように、今度は涼やかで、低い声の返答がなされた。
「そのまま料金を払わず、逃亡する恐れがあるから、それは許可できない」
目の前にいる占い師の声じゃないわよね?
だって彼女は女性だし!
他にだれかいるの?
どこ?
七実がそう疑問を浮かべると、占い師の後ろにある黒い壁だと思っていた場所が突然、ウィーンと音を立てながらゆっくりと左右に開き始める。
ナニ、なに、何が起こっているの?
変な演出はいらないんだけど!
七実は確実にパニックになっていたが、なぜか体は動かず、目線も目の前の出来事に、はりついたままになっている。
壁が完全に左右に開ききると、微かな薄明りの中、かなり背が高い、端正な顔立ちをした銀髪の青年が、七実を鋭く見つめたまま、ゆっくり七実たちの座っているテーブルへ歩いてきた。
「オーナー!」
超絶イケメン!!
後ろを振り向き、男性の正体を教えてくれた占い師の声と、七実の欲望ダダ漏れの心の声が重なる。
オーナー?
それにしても、なんなの?
見たこともない美形!
きめ細やかな白い肌に銀髪、唇は魅惑の赤、頭は小さく手足は長い!
10頭身ぐらいあるんじゃない?
どこかのモデルぅ?
普段お目にかかることのない美形オーナーは音も立てずに占い師の横に来ると、口をポカンと開けたままの七実に話しかけてきた。
「我々はこちらに来てからまだ日が浅く、そういった支払い方法は分からない。
だからこの店では、現金支払いのみだ」
そう言いながら美形オーナーは、占い師のフードに手をかけると、パサッと口元まで隠していた占い師の黒いフードを下ろす。
うっ、ウソでしょう!
コチラも激ヤバなんですけどぉ!
あらわになった占い師の顔を確認した七実は、さらなる限界まで、自動的に口を開けた。
なっ、なっ、なっ、コチラの占い師も、見たこともない銀髪美女なんですけどぉ!
それにしても、こうして2人並ぶと、なんとなく似ている……もしかして兄妹ぃい?
しかもぉ、こっ、この美貌なら、劇場型じゃない……国際ロマンス詐欺でイケる!
お金を持っている人たちなら、この2人が生活に困っているとポロリとひと言口に出すだけで、全財産渡しそうな……目を離すことが難しいくらい、圧倒的な美しさだわ!
目も眩む美形を、しかも2人、目の前に登場された七実の心は、勝手にアレコレ判断するのに忙しく、なかなか言葉が出てこない。
だが、この美貌に七実は血迷うことはなかった……七実の頭の中は大きくて小さな金額問題……25円どこから持ってくればいい?という難問に、頭の中が支配されていたからだ。
静かだが、何とも言えない緊張感がただよう中、おもむろに銀髪美女占い師が名案が浮かんだとばかりに、パチンと手を叩く。
「そうだ!
七実が次回来た時に、足りない25円を払うのはどう?」
今、どう考えても手持ちがない七実としても、ありがたい提案だった。
「そっ、それでよければ、ぜひお願いします!
よければ、明日にでも持ってくる!」
勢いよく言った七実に、美女は静かに告げる。
「それは、困るわ。
来月の25日に来てね!」
「へっ?なんで?」
まさかのかなり後の日付に、七実は困惑して聞き返した。
「ほら、私、25代目でしょ?
だから25日にしか、ココに来ないの!」
そっ、そんな理由ぅ?!
本当なの?とばかり、つい占い師の横にいる美形オーナーの顔を見ると、こちらもウンウンと頷いている。
えっ?
他の日は何してるの?
それで、食べていけるの?
そんな七実の心の声に、美形オーナーが淡々と答えた。
「我々はこの店とは別に、本業があって忙しくしており……だから今日占ってもらったお前は幸運だな」
あ~、ロマンス詐欺が本業ね!
「勝手に犯罪者にするな!」
ゴメン、ゴメン、合法的なモデル業をチャッチャッとこなしたのち、後援者マダムたちと食事して、お小遣いをもらう方が本業だったわ
「失礼な!
自分たちで稼げるわ!」
ここで七実は、不自然な会話形態に、ふと気づく。
「あれ?
私、声に出して質問してないのに、どうして的確に答えてくれるの?
まるで、私に心の中を読んだような……」
よくよく考えると、恐怖で背筋がゾクリとふるえた七実は、今度こそ声にだして誰となく尋ねると、目の前の美女占い師がただニッコリ笑うと、こう言って扉を指さした。
「じゃあ、来月の25日に、残りの25円持ってきてね!
気をつけて帰るのよ、七実!」
とてもじゃないけど、反論が許されない空気の中、七実はガタっと音を立てて椅子から立ち上がると、急いで扉を目指して走り出す。
「急ぐと転ぶわよ!」
普段ならありがたい助言も、今の七実の耳には届かなかった。
あれ?
全然入ってないじゃん!
なんで?
数秒考えた後、七実は思い出した。
あっ、そうか!
昨日、会社の所属部署内で急きょ他の部署に移動することになった人がいて、送別ランチとプレゼント代を払ったんだった!
え~と、残り2000円しかないじゃない!
じゃあ、小銭はいくらあるかしら?
七実は急いで小銭入れをガバッと開くと、数え始める。
えぇと、100円が4枚、10円7枚、1円5枚……25円足りない!
どうしよう!
あっ、そうだ!
全国のお店採用率75%にのぼる、キャッシュレス決済のピィピィ<PiPi>があるわ!
携帯を取り出した七実は、素早く残高画面を確認した。
ええっと、残高は大丈夫!
よし、これで払おう!
七実はようやくひと息ついて顔を上げると、七実の一連の行動を黙って眺めていた占い師に申し出る。
「ゴメンなさい、昨日結構大きな出費があって、今、現金だと2475円しか持ってないの。
でもピィピィ<PiPi>にお金は入っているわ。
このお店、ピィピィ<PiPi>支払いは対応してる?」
占い師は無邪気な声で七実に答えた。
「ピィピィ<PiPi>支払いってなあに?
ウチは現金支払いだけよ?」
うっ、ウソでしょう!
今どき、ピィピィ<PiPi>を知らないなんて!
七実は驚きのあまり、携帯を見せながら、勝手に説明を始める。
「ほら、こういうバーコードで読み取る支払い方法のことよ!
しかもこのピィピィ<PiPi>、支払いが完了した時に『ピィピィ』って、音が鳴るんだけど、その音の長さを自分でカスタマイズできることで、すごく人気なの!
標準音は『ピィピィ』より短めの『ピッピッ』という音で、これも小鳥が鳴いてるみたいでカワイくてそのまま使う人も多いのだけど、他の人と区別するために、警告音のようにやや長めに『ピィーピィー』と設定して、周囲の人がキョロキョロと音源を探す様子を見て楽しむ、ちょっと悪趣味な人もいるって聞いたわ」
楽しげに説明する七実と正反対に、まるで理解していないように微動だにしない占い師の様子に、七実は理性を取り戻すように、 2、3度、ブンブンと横に頭を軽く振った。
実はピィピィ<PiPi>の音のカスタマイズは、圭三が提案、開発したんだよね
ピィピィ<PiPi>のコトを聞くと自動的に圭三を思い出し、少しだけ七実はせつなくなる。
ダメダメ、圭三とはもうお別れしたんだから、ついピィピィ<PiPi>について話しちゃうクセ、いい加減にやめないと!
心の中でひとり反省会をした七実は、意識して現実に目を向けた。
それにこういう小さな店だと、やっぱり、ピィピィ<PiPi>未加入店の25%の方に入るかぁ……そして、どう考えても25円足りない!
お金が足りない事実にだんだん青ざめていき、七実は一度ブルリと体をふるわせると、小さな声で占い師に提案する。
「じゃあ、今から近くのATMに行ってお金下ろしてくるから、少し待っててもらっていいかな?」
勇気を出して提案をした七実の声にかぶせるように、今度は涼やかで、低い声の返答がなされた。
「そのまま料金を払わず、逃亡する恐れがあるから、それは許可できない」
目の前にいる占い師の声じゃないわよね?
だって彼女は女性だし!
他にだれかいるの?
どこ?
七実がそう疑問を浮かべると、占い師の後ろにある黒い壁だと思っていた場所が突然、ウィーンと音を立てながらゆっくりと左右に開き始める。
ナニ、なに、何が起こっているの?
変な演出はいらないんだけど!
七実は確実にパニックになっていたが、なぜか体は動かず、目線も目の前の出来事に、はりついたままになっている。
壁が完全に左右に開ききると、微かな薄明りの中、かなり背が高い、端正な顔立ちをした銀髪の青年が、七実を鋭く見つめたまま、ゆっくり七実たちの座っているテーブルへ歩いてきた。
「オーナー!」
超絶イケメン!!
後ろを振り向き、男性の正体を教えてくれた占い師の声と、七実の欲望ダダ漏れの心の声が重なる。
オーナー?
それにしても、なんなの?
見たこともない美形!
きめ細やかな白い肌に銀髪、唇は魅惑の赤、頭は小さく手足は長い!
10頭身ぐらいあるんじゃない?
どこかのモデルぅ?
普段お目にかかることのない美形オーナーは音も立てずに占い師の横に来ると、口をポカンと開けたままの七実に話しかけてきた。
「我々はこちらに来てからまだ日が浅く、そういった支払い方法は分からない。
だからこの店では、現金支払いのみだ」
そう言いながら美形オーナーは、占い師のフードに手をかけると、パサッと口元まで隠していた占い師の黒いフードを下ろす。
うっ、ウソでしょう!
コチラも激ヤバなんですけどぉ!
あらわになった占い師の顔を確認した七実は、さらなる限界まで、自動的に口を開けた。
なっ、なっ、なっ、コチラの占い師も、見たこともない銀髪美女なんですけどぉ!
それにしても、こうして2人並ぶと、なんとなく似ている……もしかして兄妹ぃい?
しかもぉ、こっ、この美貌なら、劇場型じゃない……国際ロマンス詐欺でイケる!
お金を持っている人たちなら、この2人が生活に困っているとポロリとひと言口に出すだけで、全財産渡しそうな……目を離すことが難しいくらい、圧倒的な美しさだわ!
目も眩む美形を、しかも2人、目の前に登場された七実の心は、勝手にアレコレ判断するのに忙しく、なかなか言葉が出てこない。
だが、この美貌に七実は血迷うことはなかった……七実の頭の中は大きくて小さな金額問題……25円どこから持ってくればいい?という難問に、頭の中が支配されていたからだ。
静かだが、何とも言えない緊張感がただよう中、おもむろに銀髪美女占い師が名案が浮かんだとばかりに、パチンと手を叩く。
「そうだ!
七実が次回来た時に、足りない25円を払うのはどう?」
今、どう考えても手持ちがない七実としても、ありがたい提案だった。
「そっ、それでよければ、ぜひお願いします!
よければ、明日にでも持ってくる!」
勢いよく言った七実に、美女は静かに告げる。
「それは、困るわ。
来月の25日に来てね!」
「へっ?なんで?」
まさかのかなり後の日付に、七実は困惑して聞き返した。
「ほら、私、25代目でしょ?
だから25日にしか、ココに来ないの!」
そっ、そんな理由ぅ?!
本当なの?とばかり、つい占い師の横にいる美形オーナーの顔を見ると、こちらもウンウンと頷いている。
えっ?
他の日は何してるの?
それで、食べていけるの?
そんな七実の心の声に、美形オーナーが淡々と答えた。
「我々はこの店とは別に、本業があって忙しくしており……だから今日占ってもらったお前は幸運だな」
あ~、ロマンス詐欺が本業ね!
「勝手に犯罪者にするな!」
ゴメン、ゴメン、合法的なモデル業をチャッチャッとこなしたのち、後援者マダムたちと食事して、お小遣いをもらう方が本業だったわ
「失礼な!
自分たちで稼げるわ!」
ここで七実は、不自然な会話形態に、ふと気づく。
「あれ?
私、声に出して質問してないのに、どうして的確に答えてくれるの?
まるで、私に心の中を読んだような……」
よくよく考えると、恐怖で背筋がゾクリとふるえた七実は、今度こそ声にだして誰となく尋ねると、目の前の美女占い師がただニッコリ笑うと、こう言って扉を指さした。
「じゃあ、来月の25日に、残りの25円持ってきてね!
気をつけて帰るのよ、七実!」
とてもじゃないけど、反論が許されない空気の中、七実はガタっと音を立てて椅子から立ち上がると、急いで扉を目指して走り出す。
「急ぐと転ぶわよ!」
普段ならありがたい助言も、今の七実の耳には届かなかった。
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