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6、見送り騒動(そうどう)<前>
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『できれば、見送ってほしい……です』
連絡用に使用していた無料通話アプリ、ファイン<FINE>に届いたメッセージ画面を睨みつけながら、七実は口にくわえたせんべいをバリッと割って食べる。
バリバリバリ、もぐもぐもぐ
やっぱりこの甘塩っぱさと歯応えは、ポテチにはないモノなのよねぇ~
七実の口は忙しく上下に動くけれど、目は携帯画面に固定したままだ。
メッセージの送り主は、モトカレ、圭三。
七実から別れを切り出されたので、メッセージ全体において、丁寧な言葉遣いだったが、最後に書かれたその一文だけが、七実を悩ませていた。
パリッ……もぐもぐもぐ
バリッバリバリ……モグモグモグ
袋に残っているせんべいと時間は確実に消費されているのに、七実の視線と思考だけは停止している。
どうする?
どうすればイイ?
何て書けばいいのよぉ!
バリッ……パリンもぐもぐ……グフっ
立て続けに食べているせいか、とうとう喉に、せんべいのカケラが引っかかった。
慌てて水分を求め、携帯も食べかけのせんべいも放り出し、グビッグビッとお茶を飲むと、七実は携帯だけを握り締め、隣室のベッドにダイブする。
そうだよね、圭三は前も今も両親は早く亡くなっていて……兄弟もいなくて……ひとりだから、見送ってくれる家族がいないんだよね
うん?前って?
前世からの縁があると、占い師に聞いたせいか、しばらく見てなかったあの夢も頻繁にみるようになり……圭三からも七実が負担にならない程度に途切れなく連絡が来るせいで、圭三とはキッパリ別れたとはいえない状態が続いている。
来月行った時、あの占い師に文句言おう!
七実は月1回、25日に、なぜか必ずあの店に行くようになっていた。
言われた通りあの占いの翌月には、ちゃんと25円返したので、その後はもう行かなくていいはずなのだが、毎月前日の24日なると、なぜか銀髪の彼女の顔が七実の頭に浮かんできて、つい足を運んでしまうのだ。
店に行っても、七実はもう占って欲しい事がないので、彼女と雑談だけしているだけなのだが、話している間に、美青年オーナーが必ず、彼お手製のケーキと紅茶を出してくれる。
占ってもらってないので、占い料金は発生しないうえに、オーナーお手製のケーキが絶品すぎて、今はただケーキ目当てに、七実はあの店に通っているようなものだった。
前回食べたフルーツケーキを七実はぼんやりと思い返していたが、握り締めた携帯が視界に入ってくると、今はそれどころじゃない!とブンブン左右に頭を振る。
とにかく、もう返信しないと!
海外赴任するために、圭三が旅立つ日は明日なのだから!
行くべきか、行かざるべきか、七実はウンウン悩み続けて25日ほどになり……そろそろ頭に、5円玉ほどのハゲが、5倍速の勢いで増えそうな気配がしてきた。
ここまで決められなかったら……日本人特有の曖昧さで乗り切るしかない!
そう七実は心に決めると、メッセージの返信を打ち出した。
『行けたら……行きます』
ピッと送信ボタンを押し、七実は携帯を放り投げる。
こうなったら明日の気分で決めようと、七実はベッドの上で、手足を大の字に広げて、息を深く吐いた。
翌朝、休日なのに、七実はいつもより早く、スッキリと目が覚める。
さて……どうするっかなぁ
しばらく考えた後、なぜか頭の中に「後悔しないのはどっち?」という言葉が浮かんできた。
七実はガバッと起き上がる。
決めた!
見送りには行こう……でもコッソリ柱の陰から
複雑な心境ながらも、なかなかイイ折衷案じゃない?と七実は自分の考えに満足し、出かける準備をしはじめた。
連絡用に使用していた無料通話アプリ、ファイン<FINE>に届いたメッセージ画面を睨みつけながら、七実は口にくわえたせんべいをバリッと割って食べる。
バリバリバリ、もぐもぐもぐ
やっぱりこの甘塩っぱさと歯応えは、ポテチにはないモノなのよねぇ~
七実の口は忙しく上下に動くけれど、目は携帯画面に固定したままだ。
メッセージの送り主は、モトカレ、圭三。
七実から別れを切り出されたので、メッセージ全体において、丁寧な言葉遣いだったが、最後に書かれたその一文だけが、七実を悩ませていた。
パリッ……もぐもぐもぐ
バリッバリバリ……モグモグモグ
袋に残っているせんべいと時間は確実に消費されているのに、七実の視線と思考だけは停止している。
どうする?
どうすればイイ?
何て書けばいいのよぉ!
バリッ……パリンもぐもぐ……グフっ
立て続けに食べているせいか、とうとう喉に、せんべいのカケラが引っかかった。
慌てて水分を求め、携帯も食べかけのせんべいも放り出し、グビッグビッとお茶を飲むと、七実は携帯だけを握り締め、隣室のベッドにダイブする。
そうだよね、圭三は前も今も両親は早く亡くなっていて……兄弟もいなくて……ひとりだから、見送ってくれる家族がいないんだよね
うん?前って?
前世からの縁があると、占い師に聞いたせいか、しばらく見てなかったあの夢も頻繁にみるようになり……圭三からも七実が負担にならない程度に途切れなく連絡が来るせいで、圭三とはキッパリ別れたとはいえない状態が続いている。
来月行った時、あの占い師に文句言おう!
七実は月1回、25日に、なぜか必ずあの店に行くようになっていた。
言われた通りあの占いの翌月には、ちゃんと25円返したので、その後はもう行かなくていいはずなのだが、毎月前日の24日なると、なぜか銀髪の彼女の顔が七実の頭に浮かんできて、つい足を運んでしまうのだ。
店に行っても、七実はもう占って欲しい事がないので、彼女と雑談だけしているだけなのだが、話している間に、美青年オーナーが必ず、彼お手製のケーキと紅茶を出してくれる。
占ってもらってないので、占い料金は発生しないうえに、オーナーお手製のケーキが絶品すぎて、今はただケーキ目当てに、七実はあの店に通っているようなものだった。
前回食べたフルーツケーキを七実はぼんやりと思い返していたが、握り締めた携帯が視界に入ってくると、今はそれどころじゃない!とブンブン左右に頭を振る。
とにかく、もう返信しないと!
海外赴任するために、圭三が旅立つ日は明日なのだから!
行くべきか、行かざるべきか、七実はウンウン悩み続けて25日ほどになり……そろそろ頭に、5円玉ほどのハゲが、5倍速の勢いで増えそうな気配がしてきた。
ここまで決められなかったら……日本人特有の曖昧さで乗り切るしかない!
そう七実は心に決めると、メッセージの返信を打ち出した。
『行けたら……行きます』
ピッと送信ボタンを押し、七実は携帯を放り投げる。
こうなったら明日の気分で決めようと、七実はベッドの上で、手足を大の字に広げて、息を深く吐いた。
翌朝、休日なのに、七実はいつもより早く、スッキリと目が覚める。
さて……どうするっかなぁ
しばらく考えた後、なぜか頭の中に「後悔しないのはどっち?」という言葉が浮かんできた。
七実はガバッと起き上がる。
決めた!
見送りには行こう……でもコッソリ柱の陰から
複雑な心境ながらも、なかなかイイ折衷案じゃない?と七実は自分の考えに満足し、出かける準備をしはじめた。
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