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激動! 体育祭!
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各ブロックのテントに戻ったら、俺の席がなかった。
俺の席がなかった。そう、あの、二年間何やかんや愛用してきて、昨日のうちに運動場に運び込まされたり椅子がである。そういう作業こそ業者とかに任せろよ、私立だろ。
「あ、田中くんおはよう。いい天気だね」
「……いや」
正確に言えば、席はあるのだろう。席という概念は。
「なんっっで人間が椅子になってるのかな~……!?」
「わん! わんわんわん!!」
「クゥーンクゥーン」
「え!? この人たち田中くんの指示じゃなかったの!?!?」
「だとしたら疑ってくれよおれの常識を~!!」
「いや自由意志でこうなってる方がわけわかんなくない!?!?」
獅童くんリンチ事件の犯人たちである。もういいってそのネタ。絶対出オチだったし。まだ犬やってたの? てかクラス違うでしょ何してんの?
俺の隣に座っていた佐藤くんが困惑しているが、だとしたら普通に話しかけず一旦聞いてほしい。これは自由意志なのかどうかと。訳わかんないだろうけど。
「ちょっどいてどいてマジで競技とかどうするつもりだったの?」
「クゥーンクゥーン」
「ああ三人予備がいるのね。ほら六人ともハムだよ、食って帰れ」
なんでこの人たちは手を使って食わないんだろうか。口に咥えて四足歩行でどこかへと去っていく姿は哀愁が漂っていた。もう人間の世界に馴染めないかもしれない。
そして席が消えた。
「おれの椅子~~」
「適当なとこに座ったら?」
「それもそっか、失礼します」
佐藤くんが自然に隣をさし示したので座った。
二競技先まで本部テントの方に行って待機しなければいけないのだが、そのせいで本部テントに出ずっぱりだとか逆にブロックテントで暇になるやつとかが出てくる。
俺は後者である。
「田中くんって何の競技に出るの? 僕は全員参加のもの以外だと砲丸投げと徒競走に出るんだけど」
「え~? えっと、借り物競走と後半の騎馬戦かな~……うちの借り物競走ってイロモノしかなくな~い?」
運動神経カス人間が出るランキング一位、障害物競走。二位、借り物競走。独自調べである。なぜなら俺はこれを楽そうとかいう理由で出たので。
「アハハ……今年はどんな内容なのかな、借り物競走」
「厳選したよーっ!!」
「うわっ双子ちゃん!」
「ボクは桜だよ!」
あちこちをふらふらしてた双子がニョンっと顔を出す。じゃあ向こうにいる片方が椿さまね、了解。
三年青ブロックテントは二年青ブロテントとは対角線に位置しており、ちょっと遠い。召集とかかかったらどうするつもりなんだろ。
「あのねー借り物競走、面白そうなやつしか入れてないけど競技性としてはゴミかも。見つかりやすさに差がありすぎて。ゴメンね!」
「なんてことを」
「まァ~~どうにかなるよ大丈夫大丈夫みんなやってるし!」
「みんなやるものだから問題があるんですけど」
田中クンなら何とかなる! と無責任な信頼を投げつけたのち桜さまはどこかに行った。元々借り物競走は恋愛色の濃いものだったが、今年は特にひどいだろうな。
「おー佐藤……と田中さん」
「何で田中さんの席おらんの?」
「席が居るってなんかすごい怖いな」
「この椅子……なんか変……」
わらわらわらわら。競技を終えた生徒たちが帰ってくる。次の競技があるので全体量は増えないけど。
突然の双子に固まっていた佐藤くんも、他生徒の出現でホッとしたらしい。てか俺の田中さん呼びデフォなんだ。なんかフランクにはなってるけど。
「さっきハムあげて帰してたよ」
「まぁそらそう」
「妥当」
「ハムくれるの優し」
「え? それ分かってるなら止めて欲しかったかも~」
「いやいや田中さん、あれはアイツらなりのケジメなんで」
「まさか俺らが邪魔するなんてそんな」
受け取り拒否してる方の負担も考えてほしいかも。
一気に人口密度が増え、熱気が上がる。各々で俺の席スペースに自分の椅子を持ってきて座ったり適当に近くに座っていた。とうとう席という概念もなくなったな俺の席。
「次何リレー? 誰出るっけ」
「うちからは山田っすねー。まぁ相手東郷なんで普通に無理かも」
「モブ谷くん」
「百舌鳥谷な」
すげ~名前。
次は学年対抗リレーだ。二年Aクラスからは獅童くんとか東郷くんとかの腕自慢が揃っている。
ちなみに俺たちCクラスは最も影の薄いクラスということで有名であり、もろもろ平均的な人が揃っている。山田くんもその一人であり、待機列で東郷くんと並ぶとこう、流石に。
「うおー山田!! どう見ても顔が負けてるぜ!」
「オーラが押しつぶされている!!」
「うちの山田をイケメンと並ばせるなー!!」
「うっうっうるせー!!」
フォローに見せかけたヤジが飛ぶ。もうフォローに見せかける手間すら惜しんでる可能性あるな。
山田くんがギャイギャイとキレているが男子高校生の悪ノリは止まることがない。とめどない。よくもない。
パン、と空砲が鳴った。
「いけーっっ山田ーーッッ一瞬で置いてかれてるぞ山田ーーッッ」
「コーナーで差をつけられている!!」
「何だあの二年俊足履いてんのかァ!?」
「うるせーおまっお前らこの流れ去年もしただろうがよ!!」
東郷くんが走り、山田くんも走るがグングン差が開かれていった。まぁ仕方がないっちゃ仕方がない。うちのクラスはそれを見て大喜びしながらヤジを飛ばしている。
もうヤジを飛ばしたいだけである。
この人ら全員家柄良くなかったら公園でワンカップ片手に鳩怒鳴ってるんだろうな。高校野球部の応援をしに休日わざわざ出かけてそう。
「いけーーーッッッさせーーーッッッ!!!!!」
「うわビックリした」
まぁ俺もなんだけど。
俺も家が急に成金にならなかったら競馬場とかで馬に怒鳴り散らかしてたと思う。
俺の席がなかった。そう、あの、二年間何やかんや愛用してきて、昨日のうちに運動場に運び込まされたり椅子がである。そういう作業こそ業者とかに任せろよ、私立だろ。
「あ、田中くんおはよう。いい天気だね」
「……いや」
正確に言えば、席はあるのだろう。席という概念は。
「なんっっで人間が椅子になってるのかな~……!?」
「わん! わんわんわん!!」
「クゥーンクゥーン」
「え!? この人たち田中くんの指示じゃなかったの!?!?」
「だとしたら疑ってくれよおれの常識を~!!」
「いや自由意志でこうなってる方がわけわかんなくない!?!?」
獅童くんリンチ事件の犯人たちである。もういいってそのネタ。絶対出オチだったし。まだ犬やってたの? てかクラス違うでしょ何してんの?
俺の隣に座っていた佐藤くんが困惑しているが、だとしたら普通に話しかけず一旦聞いてほしい。これは自由意志なのかどうかと。訳わかんないだろうけど。
「ちょっどいてどいてマジで競技とかどうするつもりだったの?」
「クゥーンクゥーン」
「ああ三人予備がいるのね。ほら六人ともハムだよ、食って帰れ」
なんでこの人たちは手を使って食わないんだろうか。口に咥えて四足歩行でどこかへと去っていく姿は哀愁が漂っていた。もう人間の世界に馴染めないかもしれない。
そして席が消えた。
「おれの椅子~~」
「適当なとこに座ったら?」
「それもそっか、失礼します」
佐藤くんが自然に隣をさし示したので座った。
二競技先まで本部テントの方に行って待機しなければいけないのだが、そのせいで本部テントに出ずっぱりだとか逆にブロックテントで暇になるやつとかが出てくる。
俺は後者である。
「田中くんって何の競技に出るの? 僕は全員参加のもの以外だと砲丸投げと徒競走に出るんだけど」
「え~? えっと、借り物競走と後半の騎馬戦かな~……うちの借り物競走ってイロモノしかなくな~い?」
運動神経カス人間が出るランキング一位、障害物競走。二位、借り物競走。独自調べである。なぜなら俺はこれを楽そうとかいう理由で出たので。
「アハハ……今年はどんな内容なのかな、借り物競走」
「厳選したよーっ!!」
「うわっ双子ちゃん!」
「ボクは桜だよ!」
あちこちをふらふらしてた双子がニョンっと顔を出す。じゃあ向こうにいる片方が椿さまね、了解。
三年青ブロックテントは二年青ブロテントとは対角線に位置しており、ちょっと遠い。召集とかかかったらどうするつもりなんだろ。
「あのねー借り物競走、面白そうなやつしか入れてないけど競技性としてはゴミかも。見つかりやすさに差がありすぎて。ゴメンね!」
「なんてことを」
「まァ~~どうにかなるよ大丈夫大丈夫みんなやってるし!」
「みんなやるものだから問題があるんですけど」
田中クンなら何とかなる! と無責任な信頼を投げつけたのち桜さまはどこかに行った。元々借り物競走は恋愛色の濃いものだったが、今年は特にひどいだろうな。
「おー佐藤……と田中さん」
「何で田中さんの席おらんの?」
「席が居るってなんかすごい怖いな」
「この椅子……なんか変……」
わらわらわらわら。競技を終えた生徒たちが帰ってくる。次の競技があるので全体量は増えないけど。
突然の双子に固まっていた佐藤くんも、他生徒の出現でホッとしたらしい。てか俺の田中さん呼びデフォなんだ。なんかフランクにはなってるけど。
「さっきハムあげて帰してたよ」
「まぁそらそう」
「妥当」
「ハムくれるの優し」
「え? それ分かってるなら止めて欲しかったかも~」
「いやいや田中さん、あれはアイツらなりのケジメなんで」
「まさか俺らが邪魔するなんてそんな」
受け取り拒否してる方の負担も考えてほしいかも。
一気に人口密度が増え、熱気が上がる。各々で俺の席スペースに自分の椅子を持ってきて座ったり適当に近くに座っていた。とうとう席という概念もなくなったな俺の席。
「次何リレー? 誰出るっけ」
「うちからは山田っすねー。まぁ相手東郷なんで普通に無理かも」
「モブ谷くん」
「百舌鳥谷な」
すげ~名前。
次は学年対抗リレーだ。二年Aクラスからは獅童くんとか東郷くんとかの腕自慢が揃っている。
ちなみに俺たちCクラスは最も影の薄いクラスということで有名であり、もろもろ平均的な人が揃っている。山田くんもその一人であり、待機列で東郷くんと並ぶとこう、流石に。
「うおー山田!! どう見ても顔が負けてるぜ!」
「オーラが押しつぶされている!!」
「うちの山田をイケメンと並ばせるなー!!」
「うっうっうるせー!!」
フォローに見せかけたヤジが飛ぶ。もうフォローに見せかける手間すら惜しんでる可能性あるな。
山田くんがギャイギャイとキレているが男子高校生の悪ノリは止まることがない。とめどない。よくもない。
パン、と空砲が鳴った。
「いけーっっ山田ーーッッ一瞬で置いてかれてるぞ山田ーーッッ」
「コーナーで差をつけられている!!」
「何だあの二年俊足履いてんのかァ!?」
「うるせーおまっお前らこの流れ去年もしただろうがよ!!」
東郷くんが走り、山田くんも走るがグングン差が開かれていった。まぁ仕方がないっちゃ仕方がない。うちのクラスはそれを見て大喜びしながらヤジを飛ばしている。
もうヤジを飛ばしたいだけである。
この人ら全員家柄良くなかったら公園でワンカップ片手に鳩怒鳴ってるんだろうな。高校野球部の応援をしに休日わざわざ出かけてそう。
「いけーーーッッッさせーーーッッッ!!!!!」
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