αの共喰いを高みの見物してきた男子校の姫だった俺(α)がイケメン番(Ω)を得るまで。

Q矢(Q.➽)

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全てを覆す執着を (香原)※R18描写あり

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                             (香原×春原)



ドアを開けるとキィ、と少し蝶番の軋む音がした。
後で油を差しに来なきゃな。
祖父さんからもらった古い家だから、あちこちガタがきてるんだろう。
早目に業者入れときゃ良かった。

俺は少し後悔しながら後ろ手でドアを閉める。
片手がトレイで塞がってるから、慎重に。

部屋の中ではソファに身を沈めた春原がテレビを観ていたが、音に反応して此方を向いた。
リモコンを持つ長い指、その手首には、鈍く光る鎖。
細く見えて、かなりの耐久性の代物だ。
見栄え良く猛獣を繋ぐ為の堅固な鎖。
長さはあるから部屋の中だけの移動なら不自由はないだろうが、庭には出られない。
窓の外、庭から門迄はかなりの距離がある。
この家は古いなりに敷地が広いからだ。
庭というよりは、林。

敏い春原は、最初の数日で状況を把握したようだった。
無駄に抵抗もしない。
俺が飽きる迄の辛抱だと思ってるんだろう。



「いい匂い。でも今日ちょっと早くね?」

「お前が好きな中華を運ばせたから、冷めない内にと思ってな。」 

俺がそう言うと、春原は笑った。

テレビの前のテーブルに料理を並べると、春原は嬉しそうに、

「太っちゃいそう。」

と箸を持って舌嘗めずりをする。
……そういうとこだぞ。

俺は下半身の反応を悟られないように表情を取り繕って座る。
この程度の仕草で勃起しそうになるなんて、思春期の中学生か、と恥ずかしくなるが、春原がエロ過ぎるんだから仕方無くないか。

俺も春原もα同士で、匂いで惹かれ合う訳じゃない筈なのに、何故こんなにもこの男は俺の五感も性感もやたらと刺激してくるのか。

誰にも見せたくなくて、誰にも会わせたくなくて、誰ともセックスさせたくなくて。

俺はあの日から、春原を此処に閉じ込めている。



αの独占欲の向かう先は、Ωだけだと思っていたのに。






毎日、俺は春原を抱く。

自分と同じ、硬い男の体だ。みちりと筋肉のついた。
首だって肩だって、Ωのように華奢じゃない。
αの中にだって、弓月のように、或いはそれ以上に華奢な奴も 探せば居る筈だ。

なのに何故、此奴なんだろう。

「もぅ、やだ…痛いって…。」

長い睫毛の先には涙の雫。

春原の項に噛み付いてしまう癖が抜けない。
以前より加減は出来るようになったけど、何度も同じような箇所ばかり傷めれば、αの体が頑丈ったって限界はあるだろう。
痛い思いをさせたい訳じゃないから、今度Ωが付けてるようなプロテクターか首輪でも買って付けさせておこうと思いながら腰を揺らす。
春原の奥の悦いとこなんか知り尽くしてるから、トントンとその入口にペニスの先を当ててやると、わかりやすく春原のペニスが角度を上げて膨張した。
確かにコレを使えないのは宝の持ち腐れだな、と 濡れたその先端を指で弄ってやると、涎を垂らしながら力無く首を振りだす。
腰を掴んでいた左手をその肌に這わせて乳首を掠めると、それにも敏感に反応した。

「も、駄目、だって…イく、イ…っ、…あ、あ、ああああああああぁぁぁッ!!」

「……く、」


イく寸前の春原の孔に締め付けられて我慢が利かなくなった。

中に出す。

決して何とも結合する事の無い春原の尻の穴の中に、腹の中に、俺の精子を。



春原の中をどれだけ俺で満たしても、満たし過ぎて溢れても、俺はそれを止められない。
前も後ろも上も俺の匂いと印を付けてないと、此奴はまた簡単に、美味そうな匂いのする誰かに飛んで行ってしまうのだ。
知らない奴を抱きに行くのだ。

体の隅から隅まで俺の匂いと唾液と手垢をベタベタと付けられておいて、そんな勝手なんかさせない。
俺以外と肌を合わせるなんて許さない。



「絶対、離さねぇからなぁ…駿。」


耳朶に歯を立てながら言い含めるように告げると、春原の肩が震えた。
白濁を放出したばかりの春原のペニスが、萎えるどころか硬くなっていくのが目に見えてわかって、俺は唇を舐めた。

好き者め。




Ωなんか知るか。

俺の番はお前だ、春原。



   一生。




蜘蛛の糸に捕らえられた蝶の、その後は…。








                                                [完]
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