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22 それは決定事項なので (藤川side※R18)
テーブルを回り込み、洸さんの頬を両手で挟んで有無を言わせず唇を奪う。
眼鏡が若干邪魔で左手で摘んで外してテーブルに置いた。
障害物が無くなったので心置き無く口付けを深くできた。勿論舌は差し入れ済みだ。
逃げる舌を追いかける。絡める。滅茶苦茶に口腔内を舐め回す。唾液ごと呼吸ごと、吸い尽くす。
最初にしていたコーヒーの味が、徐々に洸さんだけの味になる。
目を閉じて、眉根を寄せながら苦しげな息をして、なのに俺の強引なキスに必死に応えようとしている彼がいじらしくて堪らない。
腰をきつく抱きしめると、んん、と身悶えた。
ちゅるっ…というリップ音をさせて唇を離すと、唾液が糸を引く。
唇をてらてらと濡らしてはぁはぁと肩で息をしているその目は、涙で濡れて蕩けている。
息苦しさでの生理的な涙なんだろうけど、それが溢れて頬を伝い出したので唇でそれを追いかけて食む。舐め取ると、しょっぱい。
頬に舌を這わせると、
「あ…、」
と小さく喘いで、俺の肩と腕を掴む両手。
可愛くて愛しくて、胸がいっぱいになってどうしようもない。
「…あ~…」
どうしよう、まだ何もきちんと話してない。
何年ぶりかに会ったのに、こんな盛るような真似したらまた嫌われる。
元の木阿弥になる。
「ごめんなさい、急に。」
辛うじて理性を戻す努力をしながら離れようとすると、今度は反対にきつく抱きしめられた。
「…え…、」
「あいたかった、って、言っただろ…。」
俺の胸に寄りかかったまま、羞じらうように伏せた目の睫毛が震えて美しい。
「…俺には会いたくないのかもって、思ってました。」
洸さんは俯いたまま答える。
「会いたかったよ、ずっと。会っちゃ駄目だって、思ってたけど。」
そして、俺の左手を取り、まじまじと眺めながら、
「…まだ、してたんだな、この指輪…。」
と呟いた。
だから俺は、
「俺は、貴方と結婚する為に、ここに来ました。」
と 告げた。
「捜し当てられたら、運命だと思う事にしてたんです。」
肩まで伸びた髪を指で梳きながら耳にかけてやる。
薄い耳朶を柔らかく唇で食む。
ん、と身を捩る彼。
「会えたら 二度と、逃がさないって、決めて、俺はここに来ました。」
耳元で囁く。
「貴方を」
「俺の」
「ものにするって」
「うなじが駄目でも」
「無理矢理にでも何処かに俺のを捩じ込んで、」
「奥の奥に痕をつけて、」
「拒否されても俺は」
「貴方をもう一度、番にする。」
洸さんの瞳が揺れた。
匂いなんかしなくたって支障なんか無い。
ぶっちゃけ俺は洸さんの素の匂いだけでも十分余裕で勃起できる訳だし。
寧ろ今抑えるの大変だからね…?
番の証なんて2人の間だけで…いや、俺が成立させてやる。
万が一…、万が一、壊れてしまいそうな程に洸さんの体が拒否するなら、最悪抱けなくても構わない。
貴方が俺の隣にある事、それが全て。
貴方がΩである限りは結婚は出来るんだ、例え形だけであろうと。
今度こそ間違えない、何がなんでも貴方と生きると、俺は決めたんだ。
俺の一方的な話を黙って聞いてくれていた洸さんが口を開いた。
「…試してみよっか…。まだ俺が抱かれる事ができるのか。君が俺を、抱けるのか。」
そう言って洸さんが俺の首に両腕を回すから、そのまま俺は彼を押し倒した。
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