知らない内に番にされ婚約させられたにも関わらず、本日婚約破棄を言い渡されたが俺はそれを甘んじて受ける

Q矢(Q.➽)

文字の大きさ
22 / 36

22 それは決定事項なので (藤川side※R18)


テーブルを回り込み、洸さんの頬を両手で挟んで有無を言わせず唇を奪う。

眼鏡が若干邪魔で左手で摘んで外してテーブルに置いた。
障害物が無くなったので心置き無く口付けを深くできた。勿論舌は差し入れ済みだ。
逃げる舌を追いかける。絡める。滅茶苦茶に口腔内を舐め回す。唾液ごと呼吸ごと、吸い尽くす。
最初にしていたコーヒーの味が、徐々に洸さんだけの味になる。

目を閉じて、眉根を寄せながら苦しげな息をして、なのに俺の強引なキスに必死に応えようとしている彼がいじらしくて堪らない。

腰をきつく抱きしめると、んん、と身悶えた。

ちゅるっ…というリップ音をさせて唇を離すと、唾液が糸を引く。
唇をてらてらと濡らしてはぁはぁと肩で息をしているその目は、涙で濡れて蕩けている。

息苦しさでの生理的な涙なんだろうけど、それが溢れて頬を伝い出したので唇でそれを追いかけて食む。舐め取ると、しょっぱい。

頬に舌を這わせると、

「あ…、」

と小さく喘いで、俺の肩と腕を掴む両手。

可愛くて愛しくて、胸がいっぱいになってどうしようもない。

「…あ~…」

どうしよう、まだ何もきちんと話してない。
何年ぶりかに会ったのに、こんな盛るような真似したらまた嫌われる。
元の木阿弥になる。

「ごめんなさい、急に。」

辛うじて理性を戻す努力をしながら離れようとすると、今度は反対にきつく抱きしめられた。

  
「…え…、」

「あいたかった、って、言っただろ…。」

俺の胸に寄りかかったまま、羞じらうように伏せた目の睫毛が震えて美しい。



「…俺には会いたくないのかもって、思ってました。」

洸さんは俯いたまま答える。

「会いたかったよ、ずっと。会っちゃ駄目だって、思ってたけど。」

そして、俺の左手を取り、まじまじと眺めながら、

「…まだ、してたんだな、この指輪…。」

と呟いた。

だから俺は、

「俺は、貴方と結婚する為に、ここに来ました。」

と 告げた。




「捜し当てられたら、運命だと思う事にしてたんです。」

肩まで伸びた髪を指で梳きながら耳にかけてやる。
薄い耳朶を柔らかく唇で食む。

ん、と身を捩る彼。


「会えたら 二度と、逃がさないって、決めて、俺はここに来ました。」

耳元で囁く。

「貴方を」

「俺の」

「ものにするって」

「うなじが駄目でも」

「無理矢理にでも何処かに俺のを捩じ込んで、」

「奥の奥に痕をつけて、」

「拒否されても俺は」

「貴方をもう一度、番にする。」



洸さんの瞳が揺れた。


匂いなんかしなくたって支障なんか無い。

ぶっちゃけ俺は洸さんの素の匂いだけでも十分余裕で勃起できる訳だし。
寧ろ今抑えるの大変だからね…?


番の証なんて2人の間だけで…いや、俺が成立させてやる。

万が一…、万が一、壊れてしまいそうな程に洸さんの体が拒否するなら、最悪抱けなくても構わない。

貴方が俺の隣にある事、それが全て。

貴方がΩである限りは結婚は出来るんだ、例え形だけであろうと。


今度こそ間違えない、何がなんでも貴方と生きると、俺は決めたんだ。




俺の一方的な話を黙って聞いてくれていた洸さんが口を開いた。





「…試してみよっか…。まだ俺が抱かれる事ができるのか。君が俺を、抱けるのか。」


そう言って洸さんが俺の首に両腕を回すから、そのまま俺は彼を押し倒した。









あなたにおすすめの小説

「お前を愛する事はない」を信じたので

あんど もあ
ファンタジー
「お前を愛することは無い。お前も私を愛するな。私からの愛を求めるな」 お互いの利益のために三年間の契約結婚をしたアヴェリンとロデリック。楽しく三年を過ごしたアヴェリンは屋敷を出ていこうとするのだが……。

さようなら婚約者

あんど もあ
ファンタジー
アンジュは、五年間虐げられた婚約者から婚約破棄を告げられる。翌日、カバン一つを持って五年住んだ婚約者の家を去るアンジュ。一方、婚約者は…。

【完結】幼馴染から離れたい。

June
BL
隣に立つのは運命の番なんだ。 βの谷口優希にはαである幼馴染の伊賀崎朔がいる。だが、ある日の出来事をきっかけに、幼馴染以上に大切な存在だったのだと気づいてしまう。 番外編 伊賀崎朔視点もあります。 (12月:改正版) 8/16番外編出しました!!!!! 読んでくださった読者の皆様、たくさんの❤️ありがとうございます😭 1/27 1000❤️ありがとうございます😭 3/6 2000❤️ありがとうございます😭 4/29 3000❤️ありがとうございます😭 8/13 4000❤️ありがとうございます😭 12/10 5000❤️ありがとうございます😭 わたし5は好きな数字です💕 お気に入り登録が500を超えているだと???!嬉しすぎますありがとうございます😭

龍王の番〜双子の運命の分かれ道・人生が狂った者たちの結末〜

クラゲ散歩
ファンタジー
ある小さな村に、双子の女の子が生まれた。 生まれて間もない時に、いきなり家に誰かが入ってきた。高貴なオーラを身にまとった、龍国の王ザナが側近二人を連れ現れた。 母親の横で、お湯に入りスヤスヤと眠っている子に「この娘は、私の○○の番だ。名をアリサと名付けよ。 そして18歳になったら、私の妻として迎えよう。それまでは、不自由のないようにこちらで準備をする。」と言い残し去って行った。 それから〜18年後 約束通り。贈られてきた豪華な花嫁衣装に身を包み。 アリサと両親は、龍の背中に乗りこみ。 いざ〜龍国へ出発した。 あれれ?アリサと両親だけだと数が合わないよね?? 確か双子だったよね? もう一人の女の子は〜どうしたのよ〜! 物語に登場する人物達の視点です。

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

【完結】愛されたかった僕の人生

Kanade
BL
✯オメガバース 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。 今日も《夫》は帰らない。 《夫》には僕以外の『番』がいる。 ねぇ、どうしてなの? 一目惚れだって言ったじゃない。 愛してるって言ってくれたじゃないか。 ねぇ、僕はもう要らないの…? 独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ✻改稿版を他サイトにて投稿公開中です。

【完結】転生した悪役令息は、お望み通り近付きません

カシナシ
BL
「お前など、愛す価値もない」 ディディア・ファントム侯爵令息が階段から落ちる時見たのは、婚約者が従兄弟を抱きしめている姿。 (これって、ディディアーーBLゲームの悪役令息じゃないか!) 妹の笑顔を見るためにやりこんでいたBLゲーム。引くほどレベルを上げた主人公のスキルが、なぜかディディアに転生してそのまま引き継いでいる。 スキルなしとして家族に『失敗作』と蔑まれていたのは、そのスキルのレベルが高すぎたかららしい。 スキルと自分を取り戻したディディアは、婚約者を追いかけまわすのを辞め、自立に向けて淡々と準備をする。 もちろん元婚約者と従兄弟には近付かないので、絡んでこないでいただけます? 十万文字程度。 3/7 完結しました! ※主人公:マイペース美人受け ※女性向けHOTランキング1位、ありがとうございました。完結までの12日間に渡り、ほとんど2〜5位と食い込めた作品となりました!あああありがとうございます……!。゚(゚´Д`゚)゚。 たくさんの閲覧、イイね、エール、感想は、作者の血肉になります……!(o´ω`o)ありがとうございます!(●′ω`人′ω`●)

運命よりも先に、愛してしまった

AzureHaru
BL
幼馴染で番同士の受けと攻め。2人は運命の番ではなかったが、相思相愛だった。そんな時、攻めに運命の番が現れる。それを知った受けは身籠もっていたが、運命の番同士の子供の方が優秀な者が生まれることも知っており、身を引く事を決め姿を消す。 しかし、攻めと運命の番の相手にはそれぞれに別の愛する人がいる事をしり、 2人は運命の番としてではなく、友人として付き合っていけたらと話し合ってわかれた。 その後、攻めは受けが勘違いしていなくなってしまったことを両親達から聞かされるのであった。