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元彼 (左近)
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その日の放課後、俺は先週面接を通過し採用が決まったコンビニに初出勤していた。
学校と自宅のちょうど中間辺りに3、4ヶ月前に新規オープンした店舗だ。
オープニングスタッフで入ったバイトが辞めたり他店からの応援スタッフが抜けたらしく、募集がかかっていたのですぐに面接を受けたのだ。
これまでは前のカノジョと別れてからというもの、土日だけ少し離れた街のカフェのキッチンで働いていたが、やはり近場にある方が帰りがラクだし、それにやっぱ土日は空けておきたい。
またいつカノジョができるかわかんないしな…。それにコンビニだと色々情報も先取り出来るし。
そんな訳で、平日17時~22時、週3。
俺はコンビニ店員になった訳だ。
レジ操作と接客指導についてくれた先輩スタッフ(おばちゃん)は大学生と中学生の子供を持つシングルマザーだった。2年前に旦那さんを病気で亡くしたけど、今は立ち直って家族3人頑張ってるらしい。
明るくて適度にお喋りな人だ。
この店のオーナーは、近隣にも3店舗、他地域にも数店持っているらしく、抱える従業員もそれなり。
オーナー自身は体を壊してほぼほぼ休養中だが、息子が遣り手でよく応援や見回りに来るらしい。
「そのJrがイケメンなのよねえ~。あの、ホラ…なんだっけ、何とか言う韓流の俳優だかアイドルだかに似てるのよ。気さくだし気遣い屋だし、あの子は良い経営者になるわよ。ウチの遊んでばっかりのバカ息子と取っ替えたいわ~あはは。
あ、ホラ。噂をすれば、ってやつかしらね~。」
耳馴染みのある入店音が鳴った。
あの子。
さすがおば…先輩。
アラサーの190センチ近い男にもあの子呼ばわりなのか。
やっぱ世の中最強なのはおば…、
母という名の中年女性かもしれないな…。
レジカウンターを挟んだ向こう。
目を見開きながら自分を凝視する男を見上げながら、俺は初勤務ながらも既に帰りたくなっていた。
濡烏の艶やかな髪、深く青みがかった少し寂寥感を感じさせる黒い瞳、すっと通った高い鼻筋、形の整った薄い唇、すらりとして見えて、触れた瞬間、みっちりとした筋肉の密度を感じさせる筋の浮き出た手の甲、全て、すべて。
(…人が…、こんなにもそっくりそのままの特徴を持ったまま、転生できるものなのか…。)
その体を構成しているDNAはあの頃とは全く違う筈なのに。
純粋に単純な感嘆と僅かな興味をもって、俺は彼を眺めた。
地球時間で言うならば 700年ぶりに見る、元婚約者だった王子の姿を。
感傷は、無かった。
学校と自宅のちょうど中間辺りに3、4ヶ月前に新規オープンした店舗だ。
オープニングスタッフで入ったバイトが辞めたり他店からの応援スタッフが抜けたらしく、募集がかかっていたのですぐに面接を受けたのだ。
これまでは前のカノジョと別れてからというもの、土日だけ少し離れた街のカフェのキッチンで働いていたが、やはり近場にある方が帰りがラクだし、それにやっぱ土日は空けておきたい。
またいつカノジョができるかわかんないしな…。それにコンビニだと色々情報も先取り出来るし。
そんな訳で、平日17時~22時、週3。
俺はコンビニ店員になった訳だ。
レジ操作と接客指導についてくれた先輩スタッフ(おばちゃん)は大学生と中学生の子供を持つシングルマザーだった。2年前に旦那さんを病気で亡くしたけど、今は立ち直って家族3人頑張ってるらしい。
明るくて適度にお喋りな人だ。
この店のオーナーは、近隣にも3店舗、他地域にも数店持っているらしく、抱える従業員もそれなり。
オーナー自身は体を壊してほぼほぼ休養中だが、息子が遣り手でよく応援や見回りに来るらしい。
「そのJrがイケメンなのよねえ~。あの、ホラ…なんだっけ、何とか言う韓流の俳優だかアイドルだかに似てるのよ。気さくだし気遣い屋だし、あの子は良い経営者になるわよ。ウチの遊んでばっかりのバカ息子と取っ替えたいわ~あはは。
あ、ホラ。噂をすれば、ってやつかしらね~。」
耳馴染みのある入店音が鳴った。
あの子。
さすがおば…先輩。
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やっぱ世の中最強なのはおば…、
母という名の中年女性かもしれないな…。
レジカウンターを挟んだ向こう。
目を見開きながら自分を凝視する男を見上げながら、俺は初勤務ながらも既に帰りたくなっていた。
濡烏の艶やかな髪、深く青みがかった少し寂寥感を感じさせる黒い瞳、すっと通った高い鼻筋、形の整った薄い唇、すらりとして見えて、触れた瞬間、みっちりとした筋肉の密度を感じさせる筋の浮き出た手の甲、全て、すべて。
(…人が…、こんなにもそっくりそのままの特徴を持ったまま、転生できるものなのか…。)
その体を構成しているDNAはあの頃とは全く違う筈なのに。
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